魔法部屋
今回は小部屋。
中央に黒いローブを着た4人組。
「弓持って待機」
そう言って、中央へ突撃していくりょーちゃん。
弓に持ち替えて、行動を見守る。
ゴッパァッ!
回し蹴りで2人ほどまとめて吹き飛ばす。
さらに、近くにいた1人を投げ飛ばす。
しゅぃーん。
攻撃を受けなかった1人が、詠唱を始める。
ボフッ!
「えっ?」
放たれた火球が、りょーちゃんの体を包み込む。
満タンだったHPが一瞬で0になる。
しゅぃーん。
しゅぃーん。
しゅぃーん。
起き上がった魔法使い……『ダークマジシャン』が、同じように詠唱をする。
速い。
詠唱が完了するまで1秒くらいしかない。
ダメージも200以上出ていたし、対処が難しそう。
「そっちから近いヤツを弓で」
床に倒れたまま言ってくる。
「タゲ範囲がアチャー並みにあるから、こっちに来たら死ぬ」
「うん、わかった」
ディレイショットとスロウショットも使い、全力で攻撃する。
あの詠唱速度を見た感じ、1発でも外したらアウトかもしれない。
しゅいーん。
こちらに気づいたダークマジシャンが、詠唱を始める。
ぶすり。
先に矢が当たってキャンセルになる。
ぶすぶす。
スキル分も連続で入り、ノックバックする。
しゅいーん。
それでも詠唱をしてこようとするけど……。
ぶすり。
次の矢が刺さる。
とにかく詠唱優先のAIなのか、避けることもせずに詠唱し続ける。
体のどこかに当たればキャンセルできるので、当たりやすい中心を狙って撃ち続ける。
しゅいーん。
ぶすり。
しゅいーん。
ぶすり。
しゅいーん。
ぶすり。
「?」
何度か繰り返したところで、行動パターンが変化した。
手にしていた魔導書を投げ捨て、こちらに向かって走ってきた。
近寄らせないよう、矢を放つ。
サッ!
俊敏な動きで、それを避ける。
ギリギリまで引きつけないとダメかも。
しっかり狙いをつけてから放つ。
ピタッ。
「!?」
放った矢が、2本の指で挟んで止められる。
ドスッ。
「っ!」
投げ返された矢が刺さる。
反射系のスキル!
元の威力に比例するのか、ダメージは高くない。
でも、弓で攻撃し続けるのは危険。
ロッドに持ち替えて、迎え撃つ。
「えいっ!」
リーチを生かして、先に殴りかかるも……。
スィー……。
「!?」
残像を出しながら、ぬるりと裏回っていく。
硬直時間も少ないのか、すぐさま殴りかかってくる。
デュクシ、デュクシ。
きれいなフォームのジャブ。
素手なので、即死するほどのダメージじゃない。
ノックバックで距離が離れたので、次の行動に備える。
裏回りを警戒しながら、慎重に攻撃する。
ガッ!
「!」
左手の甲で止められる。
すぐにステップしようとするけど、キャンセルが効かない。
ドサッ!
そのまま体の内に入られて、背負い投げをされる。
追い打ちの下段蹴りも入って、HPがだいぶ削られる。
この魔法使い、素手でも強い!
「りょーちゃん、近くに寄られた時の対処法は?」
このままだと負けそうなので、アドバイスを求める。
「倒される前に倒す」
「参考にならなかった!」
接近戦はど得意なわけじゃないので、どう立ち回るべきか悩む。
「相手の動き見ながら、適当に対応するだけだ」
「『だけ』ってことはないと思うんだけど……」
まずは、行動パターンを覚えないといけない。
遠距離反撃、回避移動、打撃、当身、投げ。
どれもモーションが短いので、近距離で反応できるかどうか。
「っ!」
間合いを詰めてきたので、バックステップで距離を取る。
……止まらない!?
ダッシュで近づいてきて、着地の硬直に足払いを合わせてくる。
再びのダウン状態。
追い打ちは入れずに、重なるように近づいてくる。
起き上がりを狙っている。
「……」
どうしよう。
手を出したら取られるし、逃げても追いつかれる。
だったら、ダメ元で殴りかかってみる?
どうせ倒されるなら、少しでもダメージを稼いでおきたい。
メコォ!
投げ(?)を狙ってきたダークマジシャンに、カウンターで攻撃が入る。
ノックバックで届かなくなるまで追撃して、いったん仕切り直し。
次の行動は……当身!
ぽいっ。
相手の手を取って、投げ飛ばす。
その間にポーションを飲んで、HPを回復する。
相手に回復手段はないようなので、いつかは勝てるかも。
「……」
ゆっくりとこちらに近づいてくる。
行動をよく見れば、対処できるはず。
デュクシ、デュクシ。
速すぎて見えないよ!
またHPが減っていく。
「?」
途中で攻撃を止め、近づいてくる。
メコォ!
投げ狙いだったようで、こっちの通常攻撃が入る。
3回殴ったところで、マジシャンが倒れた。
「……ふぅ」
なんとか勝てた。
最初に遠距離で削っておかなかったら、きっと勝てなかった。
まだ3人残っているし、今のうちにHPとMPを全快しておこう。
時間がかかりそうなので、支援スキルもかけ直しておく。
電子レンジで1分だけ温める場合、自室に戻るほどでもないし、かといって何もしないのも絶妙に暇。
なので、かっこいいポージングをいろいろと試しています。
人生で役立ったことは一度もありません。




