世界に一つだけのウニ
「りょうくんはなんかいいの出た?」
「……」
無言でアイテムを取り出すりょーちゃん。
「?」
なんだろう?
黒くてチクチクしたトゲが生えている。
うに……?
「あ、あれは……!?」
「まさか、伝説のアイテム!?」
「ウニポーション!?」
「な、なんだってー!?」
「都市伝説じゃなかったのか!?」
「ただのウニにしか見えないが、あれポーションなのか?」
「中にポーションが詰まっているらしい。本物見るのは初めてなんで確証はないが」
「あれってすごいの?」
「確率0.0001%の超絶激レアだぞ!」
「しかも、ユニークリヴァイアサンしか落とさない神話級よりレアなアイテム」
「ヴァニキが持ってるどんな装備よりもレア」
「そいつはすげぇな!」
「実在していたなんて……」
「ぶっこ抜きの解析では判明していたが、ただの運営の設定ミスだと思っていたのに」
「1つだけぶっとんで確率おかしかったもんな」
「マジですげぇや」
「効果は?」
「触るとチクチクする」
「ん?」
「触るとチクチクする」
「お、おう……」
yagenさんの釣りざおよりざわざわしていた。
すっごくレアなアイテムらしい。
でも、今のところ明確な使い道はないっぽい。
そのうち何かの素材で使うかもしれないし、大事に保管しておいたほうがよさそう。
「さて、釣りの続きでもするか」
お父さんが釣りざおを取り出す。
「そろそろお昼の時間だから、お母さんが起きてきそうだけど」
「ん? もうそんな時間か」
『ちーちゃーん』
ウワサをしたらお母さんの声が聞こえてきた。
あんまり釣りはできなかったけど、最低限の報酬用は確保できた。
また時間があるときにゆっくり釣ろう。
「yagenさん、釣りざおを貸してくださってありがとうございました」
「こちらこそ付き合ってくれて楽しかったよ」
「船の修理代はおいくらになりますか?」
「そろそろ新しい船を作ろうと思っていたからこのまま分解するよ」
「わかりました。何か必要な素材があったら言ってください」
最近は露店で売っていないから、いろんな素材がたまってきている。
そろそろ整理しておかないと。
「R.Rさんと、鳥ハツ芋焼酎さんもありがとうございました」
「もうこの場所に来るなよ」
「またね、SENRIちゃん」
他の女性プレイヤーたちの姿はなかった。
今度会ったらお礼を言おう。
「O.Panzerのみなさんや、パピ∃ンさんもありがとうございました」
「こちらこそごちそうさまでした」
「いつもお世話になっています」
「ありがとうございます。はかどります」
「今日も最高でした」
「今度はぜひ貝殻ビキニでお願いします」
「できればかかとが見える靴で……」
「足の指の清掃ならお任せください。毎日キレイになめとります」
「ワキなら私が最適です。お義母さまにもよろしく伝えておいてください」
「お義父さまの靴をなめさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「俺はえびす様のほうが気になります」
「実は俺も」
「あの腹に飛びつきたい」
「……じゅるり」
「ひぃ」
みんなと別れてログアウトする。
お昼ごはんはどうするんだろう?
お父さんに聞いてこよう。
伝説のハズレアイテム。




