進化して帰ってきた変態
「お、水鉄砲きた」
「取舵いっぱーい!」
「えーと……取舵ってどっちだっけ?」
「いい加減覚えろしwww」
「取舵っぽいほうだよ!」
「オッケー!」
「ちゃんと曲がってるw」
「通じたw」
「草」
リヴァイアサンが放つ水流を、巧みな操作で避けていく。
『やられたー!』
『あー! 修理費がー!』
『こんなところで落とされるとは……』
『無念!』
『天使のラムネ汁を飲みたかった……』
小さい船は一撃で大破。
比較的大きい船でも、航行に支障をきたすほどの被害を受けていた。
ボスに近づくほどその比率も増えていく。
とはいえ、逃げてばかりでは勝てない。
降り注ぐ水の散弾を潜り抜け、ボスへ接近していく。
「他の艦は続いてるか?」
「3番艦がイカに捕まってる」
「4番艦もケツから火を噴いてるな」
「まーたあいつらかよw」
「どうせよそ見してたんだろ」
「またRRさんに怒られるぞw」
「むしろ、それ狙いなのでは……?」
「お、意識失うまでログアウト禁止のかわいがり虐殺ショー希望か?」
「鍛え上げられたドMでも喜べるのは最初だけだよ。30分もしたら心が折れてくる」
「我々の業界でも拷問です」
「あ……ああ……ああああっ」
「……(じょばばばば)」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「お前らおぱんつ3のメンバーじゃないのになんで処刑されてんだよwww」
「道行く幼女にブリーフ姿を見せつけたとかじゃね?」
「え? ダメなの?」
「運営が認めてるし合法でしょ?」
「通報されたらアウトだよwww」
「えっ?」
「マジで?」
「ヴァニキとか平然と他の町に行ってうろついてるけど?」
「まあ、ヴァニキだし」
「ヴァニキだからね」
「あれはもうヴァニキだから」
「うん」
ボスの正面に回り込んで、船体に取り付けられているアンカーを準備する。
『暴渦の主』のときにも使った対巨大生物用捕獲装置。
「今です!」
ヴァニキさんの合図で発射。
真っ直ぐボスの口の中へ飛んでいく。
同型艦からも次々と放たれていく。
「決まった!」
「ふれあいコーナーの時間だぁあああ!」
「行くぜーーー!」
「乗り込めーーー!」
「うぉおおおお!」
動けなくなったボスに接舷して、お待ちかねの白兵戦。
ここぞとばかりに攻め立てる。
ゴゴゴゴゴ……。
「?」
急に空が暗くなる。
何かと思って見上げると、空を埋め尽くすほどの巨大な隕石が落ちてきた。
周りの取り巻きモンスターを巻き込みながらボスに直撃する。
これだけ巨大なメテオを使う人はマグナムゼータさんしかいない。
「うほwww」
「ふぁ!?」
「20万ダメージwwwwww」
「!!???」
「やっべぇwwwww」
「なんだこれwww」
「ギルド最高ダメージ更新www」
「桁がバグっとるw」
「どうやったらこんなに出るんだよw」
「まず魔術師向けの神話級装備を5つ用意します」
「まずのレベルじゃねぇwww」
「誰もそのスタートラインに立てねーよwww」
「意味わからなすぎて草」
「そりゃ強くもなりますわw」
「なお、詠唱速度」
「さっきから静かだったのはずっと詠唱してたからか」
「俺のメテオの10万倍出てるじゃねぇかよ……」
「ダメージ2のメテオって逆にすげぇだろw」
「どんだけINT低いしwww」
「これ外したらすっげー恥ずかしいな」
「誰の攻撃か一目瞭然だからなw」
「たまに外してるよ。先にヴァニキがボス倒しちゃうことあるから」
「そっちはそっちで普通におかしい」
「DPSはヴァニキのほうが高いからね」
「無抵抗な相手を1時間殴り続けても20万ダメなんか届かねーぞ!」
「ヴァニキクロススラッシュの合計ダメージ5桁出してね?」
「は?」
「えっ?」
「うっそだろwww」
「!?!!?!」
「ふぁーwwwwww」
すごい勢いでボスのHPが減っていく。
マグナムゼータさんや、ヴァニキさんだけじゃない。
他のメンバーもみな高水準なダメージを叩き出していた。
さすが5町のトップギルド。
このまま一気に倒してしまいそう。
マグナムゼータさんのメテオはより遅く、ヴァニキの腰つきはより激しくなりました。




