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ベッドの上で

「……」

「?」


 無言のままベッドの上に登ってきて、馬乗りになるbaruさん。


「さぁ、脱いで」

「ふぇ?」


 ボクの上にまたがったまま、そんな言葉を口にした。


「本当に男なのかどうなのか確認しなきゃいけないでしょ?」

「確認するまでもなく、見ての通りちゃんと男です」

「この目で確かめたモノしか信じない主義だから」


 ボクの胸元に手を伸ばしてくる。

 胸を見せればいいのかな?

 男だと証明するには手っ取り早い。


 ガシッ。


「?」


 自分から脱ごうとしたら、なぜか両腕をつかまれた。


「……クンカクンカ」


 ニオイをかいでくる。

 baruさんは鼻が利く人なのかな?

 男女でニオイが違うと聞くし、そういう判別方法なのかも……。


 むにむに。


「ひゃぁ!」


 わき腹を触られる。

 現実世界ではフィルターがないから、普通にくすぐったい。

 

「やっぱコレよね。生は違うわ」


 baruさんが笑う。

 なんだか、ゲーム内で見るより表情が豊かな気がする。


「それじゃあ、いただこうかしら」


 今度こそ部屋着に手をかけて……。


 バタン。


 部屋のドアが開いた。

 りょーちゃんが中に入ってくる。


「忘れ物」

「あ」


 ボクの筆箱。

 りょーちゃん家に寄ったときに置いてきてしまったようだ。


「ありがと」

「……」


 ボクとbaruさんを見る。


「えっと、ゲーム内でフレンドになったbaruさん」

「……興が冷めたわ」


 baruさんが起き上がる。

 ボクが男だって納得してもらえたのかな?


「それはともかく、ずっと男だとだましていたなんて酷いと思わない?」

「ごめんなさい」


 その点に関しては謝るしかない。

 不快な思いをさせてしまったことは違いない。


「ボクにできることならなんでもします」

「……なんでも?」

「はい」

「そう……なんでも、ね」


 ベッドから降りて、りょーちゃんから距離を取る。


「連絡先を交換しましょ」

「あ、はい」


 現実世界の連絡先を交換する。


「今日のところはこれで勘弁してあげる。また連絡するわ」

「わかりました」


 玄関まで行って見送る。


「それじゃあね、千里」

「はい、さようなら」


 手を振って別れる。


「……?」


 あれ?

 そういえば、どうしてボクの家がわかったんだろう?

 住所を言った覚えはないし、たまたま見つけたのかな?


「帰る」

「うん、わざわざありがとう」


 りょーちゃんも見送る。

 姿が見えなくなったのを確認してから、家のカギを閉める。


「……?」


 あれ?

 baruさんはどうやって入ってきたんだろう?

 今日は両親がいないから、ちゃんとカギをかけたはずだけど……かけ忘れていたのかな?

 ついうっかり。

 何かあってからでは遅いから、戸締りに注意しておこう。

 うっかりしていたなら仕方ないですね。

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