見るプロテイン
「ホントにこの肉ダルマが好きなの?」
「はい」
「えぇ……」
何度もマッスル毘沙門天さんの画像を確認している。
誰から見てもかっこいい人だと思う。
『まさかの筋肉フェチ』
『イメージと合わなすぎるwww』
『マジで言ってんの? 冗談とかではなく?』
『SENRIちゃんがウソ言うはずないだろ!』
『メスの表情してますね』
『演技には見えんな』
『抱きしめたい』
『そうか、わかった。今日から筋トレ始めるわ』
『筋肉さえあればジジイでもいいのか?』
『ちょうどS鍛えようとしてたんだったわ。別にSENRIちゃんのためじゃないけどS欲しいところだったんだわ』
『毎日プロテイン飲んでるんだよねー。いやー、筋肉が盛り上がっちゃうなー』
『無駄な脂でテッカテカやん』
『ハゲでも希望があるのか!?』
『いや待て、若い時はちょーイケメンとかそういうオチだろ?』
『この人は若いころからずっとつるっつる』
『鍛えすぎて学生時代からハゲてたらしいぞ』
『ワイ、かつらで誤魔化していたけど、丸坊主にすることを決意』
『あの人って今70歳くらいだろ? 67の俺でもワンチャンあるか!?』
『俺70だからぴったりじゃん』
『おじいちゃんたち何してんすかwww』
『孫ほど歳の離れた娘にワンチャンとか言ってんじゃねぇw』
「イケメンには興味ないの? 美少年グループのアイドルとか、若手イケメン俳優とか」
「あ、俳優さんでしたら、憧れている方がいます」
「お? それそれ、そういう情報だよ! どんな人? なんて名前?」
「ダイナマイト金剛さん(※1)です」
「……は?」
「元お相撲さんで、よく悪役をなさってる方です」
「いや、この人は見たことあるけど……悪人顔の巨漢だよね?」
「とっても男らしくてかっこいいです!」
「えぇ……」
『そっちもかwww』
『筋金入りの筋肉フェチじゃんw』
『イケメンに興味ないはずだわ』
『金剛さんも生え際結構アレだよね?』
『肥満体型で頭部が軽い俺に光が差した』
『ただのデブじゃなくて中身ムッキムキだぞ』
『あの人も身長2メートルくらいあったよな?』
『胸毛はすごい』
『単純にデカくて男らしいのが好きなのか』
『とりあえず食いまくって筋トレしまくってかつら取ればいいのか?』
『かつらは取らなくてもいいだろw』
『リアル筋力ステータスA目指すわ』
『っしゃー! 鍛えるぜ!』
『筋肉! 筋肉ゥ!』
『うぉおおお!』
『お前らが単純すぎるw』
「もう次の質問いこ……『休日はどんなことをして過ごしていますか?』だとさ。……なんかもう予想できなくなってきたな」
「休日は……買い物に出かけることが多いです」
「お! やっと女の子っぽい答えが返ってきた! どんな物買いに行くの? どのお店が好き?」
「近くのスーパーが特売をやるので、そのときに売っているお得な食材を買います」
「主婦か! もう一回言うぞ? 主婦かっ!」
「い、いえ……」
「違う違う。そーじゃない。休日の買い物といったら、ウインドーショッピングでしょ! 友達と行ったりしないの?」
みぃたんさんが詰め寄ってくる。
「友達は家でゲームをしていることが多いです」
「その年でヒキコモリはダメでしょ。子供はもっと外で遊べ? というか、ママは休日何してるの?」
「お昼ごろまでぐっすり眠っています」
「え? 普段仕事で残業しまくってるとか?」
「忙しい時期は残業続きになります」
「あー、それで家事を手伝ってるんだ。いい子かよ。うちにも1人くれよ」
『俺のための花嫁修業か……』
『いい嫁になりそう』
『婚姻届を用意しておきました』
『むしろ今すぐでも大丈夫です』
『法律的にアウトです』
『事実婚ならいけるか……?』
『法律的にも倫理的にアウトです』
『どうしたら今すぐ合法的に結婚できるんだ!?』
『警察に捕まらなければ犯罪は犯罪とならないのでは?』
『つまり、オッケーの年齢になるまで日本全国ハ○エースの旅をして逃げ切ればセーフ?』
『おまわりさんコイツです! いや、この周辺全域です!』
胸毛やケツアゴがあると高ポイント。
※1、ダイナマイト金剛:元関取の俳優。55歳。
現役時代は身長198cm、体重は200kgオーバー。
巨体を生かした押し相撲で、一時は横綱から金星を取るほどの勢いがあった。
しかし、度重なるケガにより思うように相撲が取れなくなり、30歳で引退。
最高番付は前頭筆頭。
その後は俳優に転身し、悪役として注目を集める。
今では『お茶目な悪役おじさん』としてお茶の間をにぎわしている。




