好きな人
「えー『いつも一緒にいるお友達は、どういった知り合いなのですか? 友達と聞きましたが本当にただの友達ですか? 恋人ではないのですか? 友達と油断させておいて実は付き合ってるとかありませんか? 本当の本当にただの友達ですか? 今後恋人になることはありませんか? 絶対にありませんか? 天に誓って言えますか?』ってなげーな、オイ!」
りょ-ちゃんに関する質問に、みぃたんさんが突っ込む。
「お友達に関してだけど……前にどこかで説明したことあるの?」
「ギルドダンジョン内で説明したことがあったような……?」
「そのときに友達だって答えたの?」
「はい」
「まあ、アレだよね。男女間の友情とかないよね」
「そうなのでしょうか?」
「そうなのよ。だから、はっきり言ってやりな。いい友達でいたいのか、恋人になりたいのか」
だったら、ボクの答えは一つ。
「これからも、いいお友達でいたいです」
『ざまぁあああああ!』
『イケメンザマァー!w』
『イヤッホーーーィ!』
『ズバっといったー!』
『あどけない顔から発せられる強烈な一撃』
『二回振られたwww』
『恐ろしい女だぜ……』
『さすがにちょっと同情するわ』
『かわいそうw』
『生粋のドSは違うな』
『やっぱり俺達のSENRIちゃんは誰のモノでもなかったんだ!』
『つまり、俺にもチャンスが!?』
『鏡見直して来い』
『俺にも春が来た!』
『頭の中はいつも花咲いてそうだな』
『俺の天使が男と付き合ったりするわけないよ。俺以外とは』
『あの男と友達と言っただけだろ。別に彼氏がいるとか考えないのか?』
『あ、バレちまったなら仕方ねぇな。悪いなみんな』
『現実見えてるやつが誰一人としていねぇ……』
「なかなかのイケメンなんでしょ? いらないならあたしにちょうだいよ」
「?」
「まさか、キープするつもり? 他に本命がいるとかそういうこと?」
「本命……?」
「彼氏のことに決まってるでしょうが! いるの!? いないの!?」
「い、いません」
「なら別にいいじゃない」
りょーちゃんと友達になりたいのかな?
最前線で一緒にバリバリ狩りまくれる人なら、りょーちゃんも断らないと思うけど。
「あー、ついでにこの質問もいっとくか『好きな男性のタイプは?』」
『……』
『……』
『……』
『……』
『……』
『……』
あれだけ騒がしかった会場が、シーンとなる。
「うわっ、キモ! キメ顔してるやつらキモ!」
ところどころ不思議なポーズをとっている人たちが。
今の質問と何か関係あるのかな?
「それで、どうなの?」
「実名をあげたほうがよいのでしょうか?」
「それでもいいし、『金髪と青い目をした王子様』とか、『こいつらとは似ても似つかない超絶イケメン』とかでも」
「ミスター筋肉のマッスル毘沙門天さん(※1)です」
「……ん?」
『誰だって?』
『ミスター筋肉?』
『ボディビルだっけ?』
『まさか、あの伝説の……?』
『わからん、画像くれ』
『マジかよ……』
『え? マジで誰?』
会場がざわざわする。
「えーと……誰?」
「ボディビルで有名な方です」
「えぇ……筋肉フェチなの?」
「かっこいいですよね!」
「いや、知らんし」
190センチの巨体に、全身にみなぎる圧巻の筋肉。
魅せるだけの体ではなく、実際の怪力もすさまじい。
プロレスラーとして王者に君臨していた。
ボクもいつかあんな風になってみたい。
「調べたらムッキムキでヒゲ面のハゲたじじいが出てきたんだけど」
「この方です」
「えぇ……」
今は現役を引退してスポーツジムを経営している。
当時よりは衰えたとはいえ、まだまだすごい体。
ヒゲも似合っていて、すごくかっこいい。
ボクが一番あこがれている人。
本日一番の笑顔が出ました。
※1、マッスル毘沙門天:元プロ筋肉の人。68歳。
国際的な筋肉大会で5連覇を成し遂げた超人。
その鍛え上げられた筋肉は銃弾を止めると言われたほど。
知力のステータスも高く、筋肉学の博士の資格持ち。
筋肉論に基づいた本を多数出している。
アイリちゃんのおじいちゃんのモデルになったと言われている。




