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千里くんのステータスは、どこかヘン?  作者: よさげ
配信デビュー(前編)
455/1588

チェックメイク

 どれどれ……。

 顔を近づけて、じっくりと天使ちゃんの顔面を観察する。


「……」


 まずはこの目。

 きれいな色してるけど、どのメーカーのカラコン(カラーコンタクト)だ?

 あたしもいろいろ試してみたけど、どうもコスプレ感が抜けなかった。

 今は無難な黒しか使ってない。

 まつ毛もやっすいつけま(つけまつげ)じゃねーな。

 この距離で見ても地毛に見えるほどの自然さ。

 エンピツ乗りそうなくらい長いから、地毛ってことはないだろう。

 この仕上がりはマツエク(まつげ増毛)か?

 ゲームのアバターに金かけてんな。

 どっかの金持ちのお嬢様かよ。

 うらやましい。

 ゲーム内では無理して高いやつ使ってるけど、リアルじゃ激安まとめ売り品でやりくりしてるのに。


「……」


 肌なんかも実に自然な仕上がり。

 ムダ毛も、シミも、ニキビの跡も、一切ない。

 間違いなくメイク上級者の技。

 プロのメイクさんに頼んでいるのかもしれない。

 ……いや、小学生ならこの肌もありえるか?

 子供の新陳代謝はハンパねーしな。

 ケガしても秒で治るし。

 それにしたって、この肌はヤベーだろ。

 とぅるっとぅるっしとるぞ。

 とぅるっとぅる。

 ってか、すっげー白いな。

 小学生ならもうちょっと外で遊べ?

 夏休みに遊びすぎて日焼けした皮をぺりぺりするのが小学生の生き様だろうが。

 こんなに白かったら、カレーうどん食った時に目立ちまくるっちまうぞ。

 ファンデ(お肌ぽんぽん)で修正してるにしても限度ってもんがあんだろうが。

 チーク(ほっぺたぽんぽん)も目立ちまくってるし。

 お人形さんかよ。

 どっかの悪魔にロウ人形にでもされちまったのかよ。


「……」


 髪の毛もなんだよコレ。

 太陽の光でキラキラと輝いている。

 キューティクルつやっつやだよ。

 つやっつや。

 天パ(天然パーマ)の苦労とか知らねーんだろうな。

 あたしの髪なんか毎朝爆発してんだぞ?

 髪をとかしたらクシが折れたレベルだぞ?

 さらさらの髪とかうらやましすぎる。

 ……いや、もしかするとアバター用のズラかもしれんな。

 この運営、なぜかそこだけ妙に力入れてるし。

 どこのメーカーか調べて、あとで試してみよう。

 金足りるかな。


「……」


 トータルすると、かなりの金を使ってる感じ。

 小学生のクセにやりすぎなんじゃねーのって思うくらい。

 あたしと同じで放送用に金かけてんのか?

 まあ、そうだろうな。

 これだけバッチリ整うなら金かけるわ。

 どうせすぐに変態どもから回収できるだろうし。

 化粧しまくったJS(女子小〇生)とかズルすぎるわ。

 あたしが小学生の時なんかは、メイクとかナニソレ状態だったぞ?

 真っ黒に日焼けして田んぼのカエル追いかけて遊んでたぞ?


「こんにちは」

「おほぅ……」


 思わず変な声が漏れる。

 くっそ。

 声も可愛いじゃねぇか。

 声はショップじゃ買えないから天然物か。

 さすが声変わり前の小学生。

 あたしみたいに酒焼けしてない。

 当然だけど。

 いや、あたしだってこんな声してたら酒飲まねーわ。

 飲まない……は言い過ぎかもしれないけど、少なくとも量を減らす努力くらいはしたはず。

 たぶん……きっと。


「あの……?」

「あー……はじめまして! 現役JC(女子中〇生)アイドルのみぃたんだよー♪」

「は、はじめまして。SENRIです」


 JCキャラになりきって、お決まりのあいさつをする。

 若干引かれてるような気がするけど、いつものことなので気にしない。

 いちいち気にしてたらこんな商売できねーわ。


「今日ゎー、SENRIちゃんのうわさを聞いてやってきたんだ☆」

「うわさですか……?」

「うんうん! すっごく可愛いって聞いて!」


 まずは軽いジャブで反応を見る。

 さらっと感謝を言うか、謙遜する素振りを見せるのか……。

 それでキャラ設定の方向性がわかる。


「?」

「ん?」


 なんでこの娘は首かしげてるんだ?

 あたしに向かってそんな男ウケしそうな上目づかいやってきても、意味はな……くっそ、可愛いなオイ。

 思わず抱きしめそうになっちまったじゃねぇか。

 危ねーな。

 変態どもの気持ちが少し理解できちまった。

 破壊力たけーわ。

 だが、どうせこれも作戦の一つ。

 だまされるわけにはいかない。


「普段は配信をしてるんだけどぉー、そこのリスナーさんたちがSENRIちゃんのこと話してたよ」

「ボクのことですか?」

「……ボク?」

「あっ」


 両手で口を押える。

 おい。

 ボクって言ったよな?

 間違いなく言ったよな?

 これまた強めな属性をぶっこんできやがった。

 一歩間違えば痛いヤツ扱いされる諸刃の剣。

 一人称の中でも、かなり人を選ぶ呼び方だ。

 うっかり言っちゃった風の演技もしているから、天然要素も売りにしているらしい。


「自分のことボクって言ってるんだ。可愛いね!」

「へ、変じゃないですか……?」

「そんなことないよぉ、すっごく似合ってるよ♪」

「よかったです」


 ほっとした表情を見せる。

 今のところ、うまく裏の顔を隠している。

 やり手のようだし、そう簡単にボロは見せないってか。

 しかし、この距離なら相手のステータスが見放題だ。

 装備アバターも例外じゃない。

 さぁ、どんな高級アバターを使っているのか教えてもらおうか。

 何度も人前でボクと言っているのにまったく反省しない主人公。

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