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アメンニャーの加護

『アメンニャーの加護を得ました』


 システムメッセージが流れてきた。

 ミッションの報酬かな?

 どんな性能かチェックしてみる。



 アメンニャーの加護:ピラミッドに住むアメンニャーと仲良くなった証。野良ネコとの遭遇率と友好度アップ。



 ぴーちゃんの加護と違って耐性はないけど、なかなか魅力的な効果。

 町中で野良ネコを見かけることもあるけど、すぐに逃げられてしまう。

 これを付けていたら仲良くなれるかな?


「なるほど、報酬は加護ですか」

「楽しそうな効果ですね」

「おい、俺様にはないぞ?」


 あれ?

 ボクとジャハルさんには届いたのに、ザイドさんだけ来てないらしい。


「おい! 畜生! 出てこい!」


 ガンガンと石像を蹴る。

 何度やっても、再び開かれることはなかった。

 

「まあ、あれだけ嫌われてたら仕方ありませんよ」

「……」


 ザイドさんも欲しかったはず。

 加護は人に渡せないしどうしよう。


「帰る!」


 部屋の中央に出現していたワープゾーンに入っていく。

 ボクたちもそのあとを追いかける。




「っ!」


 太陽の光が目を差す。

 建物内じゃなくて、外につながっていた。


「入口……?」

「みたいだね」


 すぐ後ろに巨大なピラミッドがあった。

 あ。

 召使いさんたちの姿も。

 みんな無事でよかった。


「SENRIさん、時間は大丈夫?」

「……あっ」


 ジャハルさんに言われて、時計の存在を思い出す。

 いつもより長くやってしまった。

 明日の準備をして寝ないと。


「今日はこれで失礼します。ありがとうございました」

「待て、綿あめ」

「?」


 ザイドさんに止められる。


「褒美は何が欲しい?」

「えっ?」

「あいかわらず頭の中はスカスカか。俺様がくれてやると言っているんだ。金か? 装備か? 欲しい物を言え」

「受け取れません」

「ほぅ、俺様からの施しを拒否するというのか?」

「受け取る理由がありません……」


 役立ちそうな加護をもらったわけだし、これ以上何か受け取るわけにはいかない。

 どちらかというと、加護を受け取れなかったザイドさんに何か渡さないといけないような……。


「働きに対して褒美を与えるのは上に立つ者の務めだ。遠慮はするな」

「アメンニャーさんの加護をもらいました」

「それは俺様が与えた物ではない」

「えっと……ザイドさんがいなければ、入手できなかったと思います」

「ずっと床にはいつくばっていたんだが?」

「その前の部屋なども、ザイドさんがいたおかげでクリアできました」


 誰か1人でも欠けていたら、途中でミッション失敗になっていたはず。

 ボクだけが特別扱いされるわけにはいかない。


「まあ、見たところ相当廃人レベルの装備しているから、ザイド様が与えるしょぼい報酬じゃ満足できないでしょう」

「ほぅ……」


 ザイドさんが目を細める。


「自分にはそれだけの価値があると言いたいわけか」

「ち、違います!」

「普通にザイド様よりいい装備してるよね。このロッドと比べたら、ザイド様の大剣なんてこんにゃくですよ」

「あの……装備のほとんどは善意で譲っていただいた物です。ボクの実力で手に入れた物ではありません」


 自力でちゃんと用意した物って……クローバーの指輪くらいしかない気がする。

 なんとかしたいとは思っているけど、なかなかお金がたまらない。

 がんばって稼がないと。


「そうだよね、ザイド様の贈り物なんていらないよね。ゴミみたいなモノもらっても邪魔だし」

「お気持ちだけで十分ですから……」


 ザクッ!


 大剣を下ろしたザイドさんが、こちらをにらみつける。


「いいだろう。そこまで言うなら、貴様が満足する物を用意してやろう」

「お気持ちだけで……」

「その代わり、俺様の奴隷として働け」

「えっと……今日みたいに手が空いていれば、いつでもお手伝いしますよ?」


 1人では狩りができないし、一緒に連れていってもらえるだけでもありがたい。

 初めてのダンジョンだから楽しかった。


「それならフレンド登録しておかないと」

「ふむ、それはどうやるのだ?」

「あー、ザイド様は友達いないから使い方わかりませんよね」


 こちらからフレンド登録を申請する。

 ザイドさんはよくわかってなかったようだけど、ジャハルさんが丁寧に教えていた。

 2人分の登録が完了する。


「どうせプレゼントするならネックレスなんかどうでしょう? ちょうど空いているようですし」

「同じ部位の物を贈って、他の男の物を捨てさせたほうがいいだろう?」

「同時に装備させて、より優れた物だと認識させる手法もありますよ?」

「なるほど、一理あるな」

「可愛らしくて性能盛り盛りにしましょう。そうしたらザイド様のことを見直してくれますよ。ミジンコからコバエにランクアップです」

「あの……」

「綿あめは黙っていろ」


 2人の間で話が進んでいく。

 ただ後ろについて歩いていただけ。

 ホントにたいしたことはしてないんだけど……。


「安心してくださいSENRIさん。ザイド様をうまく乗せてふんだくりますから」

「……本当にプレゼントをいただいてしまってもよろしいのでしょうか?」

「ザイド様に付き合わされて大変だったでしょ。ちょっとくらいいい物もらったって罰は当たりませんよ」


 バイバイと手を振って、ザイドさんの元に帰っていく。


「今日はありがとうございました」


 2人にあいさつしてからログアウトする。

 ちょっと夜更かししちゃったし、明日の準備だけしてすぐ寝よう。

「SENRI様……? あの、わたくし、まだピラミッド内にいるんですが……」

「羽とか焦げてて飛べないんですが……」

「しかも、この場所ワープ禁止なんですが……」

「出口も消えちゃってるんですが……」

「誰かー、いませんかー?」

「さっきの畜生共でもいいから返事してくれー!」

「……」

「この私に放置プレイを仕掛けるなんて……まったく、SENRI様ときたらテクニシャンなんだから」

「もう……好き」

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― 新着の感想 ―
[一言] ( ˙꒳˙ )oh...... ナビ子さぁん…… ここら辺で1発完全浄化いっとく?
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