空から降ってきた赤い物体
『なんだあれ?』
『ん?』
『どしたどした?』
門の近くまでやってくると、空を見ながらざわざわしている人たちが。
同じように、空を見上げる。
「……?」
燃えるような赤い物体。
なんだろう?
燃えるような……というより、実際に燃えている。
『鬼火じゃー! 鬼火じゃぁー!』
『たたりが起こるぞ!』
『なんまいだー、なんまいだー』
『火の玉にしてはデカすぎないか?』
『キツネの仕業か!?』
『すまん……近所の半額シール付きの油揚げ買い占めたわ』
『うちの近所の油揚げ売り切れてたのお前のせいだったのか!』
『ご近所さんかよw』
『今から捧げてくるわ』
『たのんだぜ』
『あ、どうしよう……1枚ずつラップに包んで冷凍してあるけど、解凍してから捧げたほうがいい?』
『主婦かw』
上空をぐるぐる回っている。
大きな羽もある。
『いや待て、昨日もこんな光景見たぞ』
『SENRIちゃんのアレか』
『きゅーちゃんはウケルw』
『きゅーちゃん縮んじゃったん?』
『だろうな。あんなのいたらすぐわかるし』
『しっぽアタック気持ちよかったのに……』
『ってことは、また誰かの恩返しか?』
『恩返しフラグってことは……俺が結婚式場で全裸の殺し屋から逃がしたあの時カッパが!?』
『カッパは空飛ばんだろ』
『色が赤いし』
『突っ込むところはそこか? そこだけでいいのか?』
『……もしかしたら、俺が助けた赤いおっさんかもしれん』
『おっさんは……飛ぶか』
『赤いおっさんいるよな』
『おっさんなら納得』
『あれ? 赤いおっさんいるの? 空飛んじゃうの?』
目的の物でも見つけたのか、降下してきた。
炎の尾をなびかせながら、一気に近づいてくる。
『でかくね?』
『ん? 何? イベント』
『いやー、この流れからするとペット志望じゃねーかな』
『何それ?』
『昨日SENRIちゃんが変なドラゴンペットにしてたんだよ』
『あー、例の子か』
『だからこれもきっとペットになるんじゃないかと』
『マジか。あんなのペットになるのか』
『確定じゃないけど……あれ? フェニックスさんじゃね?』
『マジ?』
『ガチでレイドクラスじゃん』
『誰があんなのとフラグ立てたんだよ……』
『つーか、めっちゃ燃えてるけど大丈夫?』
『攻撃はしてこないだろ……こないよな?』
『死んだら死んだでデスボうまいからいいけど』
『なんか、止まりそうな気配がないんだけど……』
『いや、まさか……』
ドブシェオアアアアア!
勢いそのまま、地面に激突する。
爆風と共に、炎が辺りを包み込む。
「っ!」
視界が赤く染まる。
りょーちゃんが前に出てくれたけど、この炎だと2人とも一瞬で……。
「……?」
倒れていなかった。
ダメージはないのかな?
……と思ったけど、周りには倒れている人たちの姿。
なぜか、ボクとりょーちゃんはノーダメージ。
間違いなく直撃していた。
回避したってことはないと思うけど……。
「あ」
そういえば、炎耐性の加護があるんだった。
普段行くマップだと特に使わないから、すっかり忘れていた。
獣、ときどき怪鳥。




