モンスターほいほい
「あ、りょーちゃん」
ログインしたら、すぐ近くにりょーちゃんがいた。
まだペット探しに出かけてなかったのかな?
「もうペット連れてる人がいる!」
町中にスライムいた。
飼い主さんのあとを、ぽいんぽいんと跳ねていく。
他にも、スケルトンがカタカタ歩いていた。
こうして明るいところで見ると、結構かわいいかも。
「コスト低いと捕獲成功率高い」
「高コスト狙いは大変?」
「運」
運らしい。
そこまで運に自信はないし、最初は低コストのスライムあたりがいいのかも。
新しく『ペットNPC』が実装されたので、その場所へ向かう。
人でごった返しているからすぐにわかった。
『……』
青いターバンを巻いた男性が、腕を組んで立っていた。
『ペットNPC』の表示があるから間違いない。
話しかけてみる。
「こんにちは」
「……」
無言で手招きする。
近くへ行くと、何かを差し出してきた。
『モンスターほいほい(取引不可)を入手しました』
アイテムをもらった。
説明を見る。
モンスターほいほい(取引不可):モンスターを誘き寄せる独自の成分配合。気になるあの子を一撃必殺!
ペット捕獲用のアイテムだった。
小さな家の形をしている。
「あの……?」
「……」
オッケーサインを出してくる。
これを使えばいいんだよね?
他に何も説明がなかったので、その場から離れる。
「どうすればいいんだろう……設置すればいいのかな?」
「使い方は簡単ですよ」
横からナビ子さんがにゅっと出てきて、使い方の説明をしてくれた。
「狙ったモンスターに向かって投げる。うまく当たればモンスターゲットだぜ!」
設置アイテムじゃなかった。
当てるだけでいいらしい。
「そうなると、すばやいモンスターほど難易度が高いのでしょうか?」
「高いっちゃ高いですけど、レア度のほうが重要ですかね」
「ただ当てるだけではダメなのでしょうか?」
「ええ、当てても成功の乱数引かないとペットにできません」
当てただけじゃダメだった。
りょーちゃんが言っていたように、そこは運が絡んでくるようだ。
「まずは何を合法ペットにします? 定番のサキュバスですか? 対抗馬のセイレーンですか? もちろん、個体値厳選もしますよね? 爆裂ロケット型ですよね!?」
「個体値は重要ですか?」
「それはもう目玉のシステムっすよ! 個体値でいろいろとサイズが違いますもん!」
まったく同じモンスターでも、並ぶと大きさが微妙に違っていたりする。
そのままペットに適応されるのかも。
「大きさで強さも変わるのでしょうか?」
「もちろんですとも! 見た目、揺れ具合共に、絶対的な戦力の差がありますよ! 私は特化型のまっ平も好きですけど」
「重要そうですね」
「一番大事なところですから!」
ペット対戦を重視したい人は、目利き能力も必要になってきそう。
「バインバインを狙うもよし、ぺったんこを狙うもよし。自分好みの色に染め上げて、なんでも言うことを聞く奴隷に調教とか……たまんねぇ! 今日からティッシュの消費量が爆発的に増えますわ!」
ナビ子さんが飛び回る。
新システムだからボクも楽しみ。
「ただ服をひん剥くよりは、脱衣スキル持ちスライムと対戦させてわざと技を食らって見えそうで見えないギリギリのチラリズムを狙うのがマニア向けの需要が高そうですな。それ用にスキル厳選したスライムと、戦闘能力値最低のサキュバスを作ってマッチポンプすれば……これもう商売になるんじゃね?」
ペット対戦でポイントが増えると、いろんなアイテムと交換できる。
今回初登場のアイテムもあるそうだし、新たな金策方法として期待できるかも。
「逆にムッキムキなオークを鍛え上げて、エロペットハンターとして凌辱の限りを尽くすのもありか! っかー! 夢が広がるぜ!」
どんなペットにしよう。
モンスターの種類も多いから、迷ってしまう。
「決まったか?」
「ううん、まだ。りょーちゃんは決まっているんだよね?」
「ああ」
「じゃあ、そこに行こう」
「わかった」
いろんな場所に行けば、何をペットにしたいか決まるかもしれない。
まずは各地を回ってみよう。
最初から性癖ストライクを厳選するのもよいが、あとから自分好みに成長させるのもまた違った趣があるのではなかろうか。




