火の鳥
「大丈夫?」
「ああ」
りょーちゃんですら回避困難な攻撃ばかり。
反撃するチャンスが生まれない。
クリア条件がはっきりしていないので、とにかく生き残ることを最優先する。
ひたすらチャンスが来るのを待つ。
『ほれほれー』
再び火の玉を放ってくる。
今回の攻撃は狙いが甘く、2人とも生き残った。
余裕を見せている鳥さんに、りょーちゃんが接近していく。
ズバッ!
ようやく一撃当てる。
『お? ええやん、その調子や』
攻撃を受けても、まったく動じる様子はない。
それどころか、喜んでいる。
鳥さんとしては、ただの暇つぶし程度の感覚なのかもしれない。
まだまだ本気ではなさそうだ。
『ちょいとゴツイのいくでー』
鳥さんが急降下してきた。
そのあとを追うように、炎の波が押し寄せてくる。
逃げる場所がない。
「っ!」
ステップ無敵でやり過ごす。
鳥さんが旋回すると、その波も旋回する。
『いやっふーぅ!』
前後左右から波がやってくる。
鳥さんの動きを見ながら、必死でステップを繰り返す。
この部屋自体が、巨大な炎の洗濯機になったかのよう。
『楽しくなってきたわ!』
火の玉も同時に召喚してきた。
避けきれないと判断したのか、りょーちゃんが火の玉に向かって走っていく。
火の玉と波に挟まれ、盛大に燃え上がる。
復活させている余裕すらない。
とにかく逃げ回る。
『ヒーハー!』
このままだと、いずれ全滅するのが目に見えている。
何かしら行動を起こすしかない。
ステップしながら弓に持ち替える。
旋回してくれることを祈りながら、スロウショットを放つ。
ぷしゅーん。
ゆっくり進んでいく。
鳥さんのスピードには到底及ばず、簡単に避けられる。
でも、2回ほど旋回した先で、向こうから当たってきた。
『なんやこれ!?』
目に見えて動きが遅くなる。
よかった。
ちゃんと効果が通じた。
攻撃の手が止まったので、まずはりょーちゃんを復活させる。
『あかーん! ノロノロやん!』
溶岩に降りてバタバタする鳥さん。
今が話しかけるチャンスかもしれない。
「あの……」
『ねちょっとしとるでコレ! 自慢の尻尾もしなしなや!』
「鳥さーん!」
『うざこいわー、こんなんじゃ飛べんわー……ん?』
やっとこっちを向いてくれた。
「突然お邪魔してごめんなさい。争うために来たわけではないです」
『あれ? そうだったん?』
「はい、人を探してここまで来ました」
『なんや、てっきり腕試し希望かと思ったわ』
近くまで歩いてくる。
「この方を見かけませんでしたか?」
持っていた写真を見せる。
『んー? 自分、見覚えないなぁ』
「そうですか」
こっちには来ていないのかな?
布切れがあったから、近くまでは来ていたはずなんだけど。
『そーいや、寝てる時になんか音がしたわ』
トコトコ歩いていく。
足場のふちに立って、キョロキョロする。
『あ、おったで』
鳥さんが手招きする。
近くに行って、溶岩をのぞき込んでみると……。
「!?」
人の手だけが出てる!?
無事に発見。




