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あきらめない心

「!」


 石を集めを続けていたら、マップに赤いマークが現れた。

 相手は1人。

 こちらも1人。

 1対1だと自信がないので、旗のところまで戻る。


「お? あいつまた来たのか」

「完全に狙ってやがるな」


 先ほどの両手斧の人。

 また旗を折る気なのかな?

 旗の前に立って、待ち構える。


「止まらねぇな」

「あー、俺足止めスキル持ってねぇ」


 魔法や矢が降り注ぐ中、真っ直ぐこちらに向かってくる。

 近接職にはのけぞり無効があるため、足止めスキルがないと止まらない。

 すぐ目の前まで迫ってきた。


「頼むぜ、ケルべロスちゃん」


 ケルベロスが近づいていって、足元にまとわりつく。

 動きが遅くなったところに、三連突きを放つ。


 ぺちぺちぺち。


 当たった。

 もう一度放ってみる。


 ぺちぺちぺち。


 当たる。

 まったく避けるつもりはないのか、3発ともしっかり入る。


 ぺちぺちぺち。


 魔法などでHPが削れていたこともあり、3回目で倒れた。

 ケルベロスが戻ってきて、ぶるんぶるんっと尻尾を振って見上げてくる。

 頭をなでると、おなかを出して転がった。

 召喚するたびに毛の色が変わるけど、どのケルベロスも人懐っこい。


「……フヒ、フヒヒヒ……」

「?」


 倒されたにもかかわらず、両手斧の人の表情はなぜか満足そうだった。


「こいつは、アレなヤツか……」

「お嬢ちゃん。もし戦場外でも粘着される(※1)ようだったら、GM(ゲームマスター)呼ぶんだぞ?」

「?」


 味方のおじさん2人が真剣な顔で話しかけてくる。


「ゲーム内なら酷いことをされる心配はないが、たまにリアルを特定して害をなす輩もいるからな」

「知らない人に本名や連絡先教えちゃダメだぞ? 困ったことがあったら信頼できる大人かGMに話せばいい」

「えっと……ありがとうございます。気をつけます」


 理由はよくわからないけど、ボクのことを心配してくれているようだ。

 本名や住所などはフィルターで設定してあるので、うっかり失言しても大丈夫なはず。


「よーし、まだ壁壊されてないな?」


 旗を立てたおじさんが戻ってきた。


「さっき相手側の投石機報告ログ流れたから、こっちやってくるかも」

「石持ってきたから壊されても立て直しできるぜ!」

「そいつはありがてぇ」

「それより、変な奴が沸いてさ」

「変なヤツ?」

「ああ……」


 ひそひそと話し始める。


『あきらかに嬢ちゃんを狙ってるロリコン野郎が』

『なんだって?』

『あのあと2回来てるんだよ。単身突撃で』

『まあ、そういうのに好かれそうな見た目してるしな』

『ぽやーんとしてるよな』

『気持ちはわかる』

『そんなわけで、恐がらせないよう俺たちで守ってやろうかと』

『そりゃ名案だ。いいぜ、俺も力になる』

『助かるぜ』


 3人でこぶしをぶつけ合い、意気投合していた。

 知り合い同士なのかな?


「それ以外のお客さんも来たか」


 ちらほらと、赤いマークが見えてきた。

 今見えるだけでも4人ほどいる。


『D6敵投石』


 旗の人が報告する。


「壁のおかわりあるから、引きつけて戦おう」

「おう!」

「イェッサー!」

「わかりました」


 魔法職が3人に増えて、援護射撃はばっちり。

 前に出て足止めしよう。


「いた! あの両手だ! 殺せ!」

「近づけさせんじゃねーぞ!」

「任せとけ!」


 またやってきた両手斧の人。

 すごく狙われている。

 一番旗を折られる可能性が高いから、優先順位が高いのかな?

 今回は相手側に遠距離もいるので、そう簡単には止められそうにない。

 遠距離同士の削り合いになる。

 ポーションを飲みながら、前に出ていく。

 ハードボイルドな雰囲気を味わいたくてお菓子のシガレットで「ふぅー」ってやったらヨダレがすっごい飛び出してびっくりしました。


※1、粘着:特定のプレイヤーを付け狙うこと。

 トラブル絡みで恨みがある人、名の知られた有名人、ちょっぴり愛が重い人など、理由はいろいろ。

 あまりにもしつこい場合は処罰対象になることもある。

 こういった危ない人間から守るため、近くで見守る必要性がハァハァ。

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