旗周りの攻防
「イヤァアアア! 助けてェエエエ!」
相手の短剣が、暗闇状態の味方に襲いかかる。
狙いを定めて、突進スキルを使用。
馬上効果が発生し、相手を跳ね飛ばす。
「ボクが押さえます!」
「ヤダ、イケメンセリフ……」
「誰か見えないけど、掘られてもいい……」
馬の機動力を生かし、一撃離脱を繰り返す。
その場での回転が難しいので、必然的にそういった戦い方になる。
「あかん! 両手斧が旗に向かってる!」
「旗どっちだし!?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
まだ暗闇が解けてないし、ボクが止めるしかない。
相手の両手斧に向かって走り……。
「!」
魔法が飛んできた。
横に避ける。
メコォッ!
両手斧のスキルが決まる。
目に見えて旗の耐久ゲージが減る。
メコォッ!
このまま放っておいたら、すぐに折られちゃう!
「ぬぉおおお!」
味方のおじさんが突撃するけど、相手の杖が横から狙い撃つ。
「ぬっ?」
足元に氷がまとわりつく。
鈍足効果が入り、両手斧へ攻撃が届かない。
ぺちーん!
ぐるっと回ってようやく突進を決める。
時間がかかってしまったせいで、かなり削られてしまった。
一定距離移動しないと攻撃できないデメリットもあり、馬上戦闘は間合いが難しい。
「やぁやぁ我こそは……ぐっふ!」
相手側の馬の人も来たけど、たまたま味方が放った魔法に当たって落馬する。
「おのれ! 武士の風上にも置けぬヤツめ!」
今の一撃で馬がどこかへ行ってしまった。
そのまま襲いかかってくる。
「見えた!」
「でも毒ーぅ!」
味方のHPが削られている。
一時的に撤退したいところだけど、そうしたら旗が折られてしまう。
旗に近寄られないよう、突進を使って駆け回る。
「ぎゃー! 死ぬぅ!」
「弓はらめぇ!」
複数の弓部隊までやってきた。
さらに厳しい状況に。
『D6苦戦!』
味方のうちの1人が援軍を要請する。
これだけ相手が多いと、防衛するにも限界がある。
メコォッ!
うまく攻撃をかいくぐった両手斧が、旗を折りにいく。
「あっかーん!」
一番HPが減っている味方が、短剣に囲まれていた。
杖もそちらを狙っている。
迷っている時間はない。
馬から飛び降りて、前に立つ。
ずしゅ!
「っ!」
短剣の攻撃。
続いて、魔法の一撃を受ける。
「お、俺の代わりに……?」
「早く回復を!」
「ああん……俺男だけど、妊娠しちゃう……」
ポーションを使う時間を稼ぐ。
旗もどうにかしたいけど、ここから動くわけにもいかない。
生き残ることを優先する。
スコスコスコ!
相手側に矢の雨が降り注ぐ。
味方の援軍が来てくれたようだ。
攻撃の手が緩んだので、ボクもポーションを使って体勢を立て直す。
いつもならヒールが使えるんだけど、戦場では使えないのがもどかしい。
プレイヤーに直接スキルが当たると落馬。
馬に当たると被ダメージを減らせる仕様。
何度も馬に乗ったまま攻撃を受けていると、怒って馬上の人を蹴り飛ばしてから去っていく。




