戦闘
「……」
今のところ、隠れて襲ってくる様子はない。
片側はガケになっているので、そっちは気にしなくても大丈夫そう。
あ、でも、岩を足場にすれば登れるかも?
初めてのマップなんだし、油断しないほうがいい。
「ここでいいか」
平らになっているところを見つけ、おじさんが旗を設置する。
地面に突き刺すと、ゆっくりと伸びていった。
しっかり伸びきるまで、その場で待機する。
カサカサ……。
「隠れている相手がいます!」
「ぬ、どこだ?」
「そこです!」
「任せろっ!」
旗を持っていたおじさんが立ち上がり、矢を放つ。
「ぐえっ」
見事に命中。
ハイドが解けて、姿が現れる。
「ナイス! 逃がさんぞ!」
炊事場のおじさんが魔法で追撃する。
氷のかたまりが直撃し、相手の動きが遅くなる。
2人とも後衛のようなので、ボクが前に出る。
のけぞり無効を忘れずに使用。
横から回り込んで、退路を断つように近づいていく。
「3対1とは卑怯な! 人として恥ずかしくないのか!?」
「恥なんて感情は、青春の黒歴史ノートと一緒に置いてきたぜ」
「こっちはおっさんなんだから、ハンデくらい許してくれや」
ステップを駆使しながら逃げる相手を、3人で追い詰めていく。
「か、金なら払う! だから、命だけはどうか! レアアイテムもあるぞ!?」
「ほぅ、そいつはそそられる……ぜっ!」
容赦なく魔法を放つ。
「どうせなら綺麗なおねーちゃんのほうが……ぐっ!?」
旗のおじさんがうめく。
横からの攻撃。
他にもハイドが潜んでいた。
「ふはははは! だまされおったな! 時間稼ぎしていたことに気づかな……」
「えいっ」
「ぐえー」
突進で接近。
次の行動に備えて、間合いをはかる。
「刃物を人に向けたら危ないじゃな……ぎゃー!」
ステップで逃げた先に、三連突きを置く。
「うわようじょつよい……」
2人が削っていてくれたおかげで、止めを刺すことができた。
こっちは終わったし、すぐに援護に向かう。
「ぬぅ……見えん……!」
「考えるな! 感じろ!」
「わかった……そこか!?」
すかっ。
2人とも暗闇状態になっていた。
背中合わせで戦っている。
「こちらに来てください!」
「助かる!」
2人を誘導し、前に出る。
相手側も2人に増えていた。
もしかすると、まだ他にも隠れているかもしれない。
暗闇が終わるまで、守ることを優先しよう。
「ヒャーハー!」
相手の短剣が、何かを投げてきた。
どんな効果かわからないし、ステップでかわす。
通り過ぎたあとに紫色の霧が発生する。
毒系の攻撃?
「イヒヒヒヒ!」
今度は、別の短剣が走り寄ってくる。
前に出て迎撃。
「ぎぇっ!」
射程の差で、こちらの攻撃が当たる。
もう1人の動きが見えたので、追撃はあきらめる。
「キヒィー!」
飛びかかってきた。
ステップで回避。
「ウェッヒー!」
そのステップを読まれていた。
着地先にスキルを合わせてくる。
飛びかかりは攻撃じゃなくて、フェイントだったようだ。
「っ!」
足元にヒモのようなものが絡みつく。
動けないわけじゃないけど、動きづらい。
「ウヒヒヒヒ!」
もう1人も近づいてくる。
2人相手だと厳しい。
時間稼ぎどころか、このまま倒されてしまうかもしれない。
「悪く思うなよ……イェキァ」
「大丈夫、すぐに……アヘェヘェ、終わらせてあげるから……ヒィッヒィー!」
2人が飛びかかってきた。
洗濯で使うアレ(ハサミがジャラジャラしてるやつ)が2つ重なった時の絡まり具合は異常。




