オリバー無双?
「フッ、口ほどにもないな」
最後の1体を倒し、鎧についたホコリを払う。
ようやく終わった。
3体いたこともあって、なかなか大変だった。
ブレスが10連続で弾かれた時なんかは、どうしようかと思った。
「よーし、次!」
オリバーさんが走り出す。
今回も中央に突撃すると思うから、なるべく平和な組み合わせだとうれしいけど……。
「!」
魔法部屋!?
部屋の中央に、銅色のローブを着た『ブロンズマジシャン』が4体。
「フハハーハハァー!」
予想通り、中央に突撃するオリバーさん。
無対策で行ったら、集中攻撃されて大変なことに!
しゅいーん。
あわてて弓に持ち替えて狙うけど、相手の詠唱のほうが早い。
「フンッ!」
両手剣を振り下ろした無防備な姿に、魔法が突き刺さる。
ばいーん。
ばいーん。
ばいーん。
跳ね返った魔法がブロンズマジシャンに直撃する。
そうだった。
魔法を反射するんだった。
「セイヤーッ!」
反射すると硬直時間も発生しないようで、追撃を入れていく。
「ハァーッ!」
3連撃が決まり、速攻で1体倒す。
しゅいーん。
動けるようになったブロンズマジシャンが、再び魔法を唱えるけど……。
ばいーん。
「フンッ!」
反射とオリバーさんの攻撃が連続で決まり、同じように倒れる。
すごい。
いつも苦労している魔法相手に1人で圧倒している。
しゅいーん。
あきらめずに魔法を使ってくるけど……。
「フハハハ、きかぬわ!」
オリバーさんが仁王立ちする。
「ぐっふ」
あ。
通った。
魔法の影響を受けて吹っ飛ばされる。
今の一撃だけで、HPが半分近く減っていた。
ぼーっとしてないでヒールしないと。
しゅいーん。
「フハハハ! 同じ幸運が2度続くことなど……ぐっふ」
連続で決まった。
壁際まで飛ばされていく。
ばいーん。
ヒールは弾かれる。
魔法反射はランダム要素だし、なかなか思ったようにはいかない。
「フフフ……少しはやるようだな。だが、無意味!」
ポーションを使用。
ギリギリだったHPが、半分ちょっとまで回復する。
しゅいーん。
「ファーハハハハーーー!! この鎧のサビにしてくれ……ぐっふ」
壁に叩きつけられる。
3連続。
ここまで支援をしてきても、3連続はなかったはず。
同じタイミングでヒールを使ったけど、そっちのほうは弾かれていた。
反射確率って同じだよね……?
しゅいーん。
「フ……戦いとはこうでなくてはな」
避けるそぶりも見せずに、真っ向勝負を挑む。
次の一撃が当たったら、いくらオリバーさんでも耐えられない。
ばいーん。
さすがに4連続はなかったようで、魔法を跳ね返す。
「フンッ!」
これで、残り1体。
「フッフフ、この鎧の輝きには勝てなかったようだな」
ポーションを使用して、ブロンズマジシャンの魔法を待ち構える。
反射からの一撃で、勝負を決めるつもりらしい。
しゅいーん。
「相手が悪かったな……ぐっふ」
反射に失敗して、再び壁まで飛ばされる。
すごく強い鎧なんだけど、安定しないのが難点。
しゅいーん。
「来い! 返り討ちにしてくれるわ!」
ばいーん。
「フンッ!」
ちゃんと跳ね返り、最後の1体を倒す。
今回の戦いは早く終わったけど、ひやひやした。
被ダメージは大きいし、たまに跳ね返さないし、ヒールは全部跳ね返ってくるし……。
「むむ、こんなに汚れが」
止まっている間に支援スキルをかけまくって、次へ備える。
扉の豪華さを見る限り、ボス部屋かな?
「よし、次だ!」
大きな扉の中へ入っていく。
命中判定に謎の乱数と分岐テーブルを採用しているので、こちらの90%は当たらず、相手の10%は直撃する現象がよく発生しています。