アイテムいろいろ
昨日拾ったアイテムは……。
『未鑑定の弓』
『骨のかけら』
『コウモリのふん』
『HPポーション』
あと、お金が300Gちょっと。
骨やふんは、素材アイテムかな?
アイテム説明を見る。
コウモリのふん:黒くてパサパサしている。あまりおいしくない。
骨のかけら:カルシウムたっぷり。3時のおやつに。
「食べ物だった!」
まさかの説明に、調べるアイテムを間違えたかと疑う。
でも、何度確認しても、このアイテムの説明で合っていた。
「……」
少なくとも、この説明文を書いた人は、食べたことがあるってことだよね?
なんの効果があるのかわからないけど、食べるのは抵抗が……。
「『骨のかけら』は10個集めると、南東にいるNPC『イレーヌ』が買い取ってくれますよ」
くるりと、ナビ子さんが現れる。
「はいはいどーも、愛しのナビ子さん参上ですよー。そろそろ結婚します?」
「コウモリのふんは、何かに使えますか?」
「いやー、さらっとスルーされましたねー。でも、そういうのも嫌いじゃないですよ……ハァハァ」
「?」
「ああ、はい。コウモリのふんは1Gで売れます。むしろ、1Gもらっても欲しくないですけど」
「説明を見た限りだと、食べ物のようなのですが……」
「え? う○こ食べたいんですか? そういう趣味があるんですか?」
「違います!」
食べたいわけじゃない。
だからこそ、ボクも気になったわけで。
「可能といえば可能ですけど、特に意味はないですかねぇ。頭おかしいと思われる効果くらいしか」
「このゲームは、空腹度(※1)のようなシステムはないのでしょうか?」
「βテストの頃はあったんですけどねー。いたるところで餓死者が転がる地獄絵図となりまして、やむなく実装中止に」
「そうでしたか」
このアイテムの説明は、その時の名残なのかな?
ダンジョン内だと、食料が手に入ることも少なそうだし。
「それと、鑑定NPCさんはどこにいますか?」
「ここから西にいった『鑑定屋』で、しょぼくれたおっさんがやってくれますよ」
「ありがとうございます。行ってみます」
「どういたしまして。すぐさま質問に答えられるよう、後ろからなめ回すように見守っていますね」
「普通にしてもらって大丈夫ですよ?」
「このスタイルが通常営業ですから」
「……?」
ハァハァしながら、後ろをついてくるナビ子さん。
プレイヤーの邪魔しないように、気を使ってくれているらしい。
マップで場所を確認し、鑑定屋さんまで歩いていく。
「……?」
その途中。
広場のほうから、音楽が聞こえてきた。
ゲームBGMなんかは設定していないし、誰かが演奏してるのかな?
ちょっと寄り道して、そっちのほうに行ってみる。
「わぁ……」
木箱を並べた台の上に、何人かの演奏者。
その周りを、たくさんの人が囲っている。
木製の笛や弦楽器など、昔ながらの楽器で演奏している。
「あれって、スキルで演奏しているのでしょうか?」
「生活スキルで音楽関係もありますけど、演奏技術は本人の実力ですよ」
「すごいです!」
演奏している曲は……何の曲だろ?
どこかで聞いたことがあるような……。
何かのゲーム音楽だった気がする。
木の形をしたハープや、動物の皮を使ってると思われる打楽器。
ゲーム内で作ったのかな?
手作り感のある楽器で、これだけの演奏。
普段から、音楽をやっている人たちなのかもしれない。
パチパチパチパチ!
『いいぞー!』
『イェエエエ!』
『ぷひゅー……ぷひゅー……』
『口笛できねーのかよwww』
『まったく、近頃の若いモンは口笛もろくにできんのか。俺に任せとけ……ぷひゅー……ぷひゅー……』
『お前もじゃねーかwww』
曲が終わって、大きな拍手が巻き起こる。
観客のみんなも、ノリがいい。
ちゃりーん。
木箱の前に置かれた袋に、お金が投げ込まれる。
それをきっかけに、他の人もどんどんお金を投げていく。
べちょ。
お金以外に、べとべとの体液なんかも投げ込まれる。
真ん中のリーダーっぽい人が『おぃぃぃぃ!?』と反応して、笑いを取っていた。
なるほど。
こういう金策方法もあるんだ。
素直に感心する。
ゲーム内のお金ということで、気軽に入れてく人が多い。
せっかくなので、ボクも入れてこよう。
入れるといっても、ちょっとしかないけど。
ちゃりーん。
「ありがとう、お嬢ちゃん!」
打楽器の人が手を振ってくる。
「が、がんばってください……」
そうだった。
ボク、見た目がアレだった!
ぺこっと頭を下げて、すぐにその場から立ち去った。
「……はぁ」
せめて、服装だけでもどうにかならないかな。
ズボンでもあれば、今みたいな違和感は出ないはず。
装備の種類は多いだろうし、あとで露店でも回ってみよう。
寄り道もほどほどにして、鑑定屋さんに向かう。
「いらっしゃい。何か鑑定してほしいモノでもあるかい?」
人のよさそうなおじさんが、店番をしていた。
「この弓を鑑定してほしいです」
「あいよー」
弓を手渡す。
「この装備なら100Gだね。やってくかい?」
「お願いします」
「よっしゃ」
虫眼鏡を取り出して、弓の各部をチェックしていく。
「さ、終わったぜ。確認してみてくれ」
「ありがとうございます」
弓を受け取って、性能を確かめる。
ショートボウ:アーチャースケルトンが持っていた弓。ちょっぴり生前の何かがこびりついている。
カテゴリー:短弓
攻撃力:4~6
射程:短
重さ:軽
スロット:2
OP:INT1
生前の設定とかあったんだ。
モンスターは、モンスターとして生まれてくるのかと思ってた。
それはそれとして……。
「りょーちゃん」
『どうした?』
「弓に『INT1』のオプションが付いたけど」
『お察し』
「やっぱり」
ハズレ枠だったらしい。
「遠距離用に使おうと思うけど、売値ってどれくらい?」
『店売り30G。分配するほどの額じゃないから、好きに使ってくれ』
「わかった、ありがと」
りょーちゃんの許可も取れたし、自分で使うことにしよう。
そうと決まったら、矢を買いに行こう。
「矢は武器屋? それとも、道具屋ですか?」
「どっちにも売ってますよ。種類は武器屋のほうが多いですけど」
「わかりました、武器屋に行ってみます」
マップを開いて、武器屋がある方向へ歩き出す。
何もないより何か書いたほうがいいんじゃないかと、なんとなく続けている後書きですが、これといったネタが思いつきません。
せっかくなので、昨日の食事メニューを書いておきます。
朝:なし
昼:なし
夜:もやし
※1、空腹度:パンがなければお菓子を食べればいいじゃない。
空腹度が上がると動きが鈍くなり、やがて死に至るシステム。
βテストの段階では食料の確保が非常に困難であり、空腹に耐えかねて腐った肉やう〇こにまで手を出す人も現れたとか。
当時は臭いや味まで忠実に再現されており、それはもういろいろと大変なことに。
法律でVR規制法が制定されたこともあり、システム自体がなかったことにされた。




