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通路

「ん? ここは部屋じゃないのか」


 通路に出る。

 コウモリや犬のスケルトンがいた場所。


「さっさと次行こうぜ!」

「あっ、そんなに走ると……」

「うぉ! なんだ? 鳥!?」


 田中くんがコウモリに囲まれる。

 やっぱり出てきた。


「小動物の分際で生意気な! 死ねぇ!」


 すかっ。


 パタパタと飛び回り、田中くんの攻撃を避ける。


「ちょこまかと動きやがって!」


 すかっ。

 すかっ。

 すかっ。


「なぜだぁ なぜ当たらねェェ~~~!!」


 ヒット&アウェイの動きに踊らされていた。

 不規則に飛んでいるように見えるから、対処法を知らないと当てづらい。


「近づいてきたところを叩けば倒せるよ」

「ど、どいつだ? どいつが攻撃してくるんだ!?」

「落ち着いて。攻撃してくるのは1匹だけだよ」

「こいつか!」


 キィ!


 攻撃が当たってコウモリを倒す。


「フハハハハ! 見たか! ザコの分際で調子に乗ってっから……ぐべぁ!」


 別のコウモリから攻撃を受ける。


「なんであいつは囲まれた状況でガッツポーズするんだ?」

「あれはもう、そういうパッシブスキル(習性)なんだろ」


 みんなで助けに入る。

 こちらの人数が多いので、すぐに終わった。

 あとは……。


「……」


 横の壁をじっと見つめる。

 最初の時はびっくりしたけど、今回はもうわかってる。

 弓を構え、準備万端で待ち受ける。


「SENRIさん、どうしたっすか?」

「うん、壁からモンスターが出てくるのを待ってる」

「?」


 佐藤くんが壁に近づき、コンコンと叩く。


「何もないっすよ?」

「……あれ?」


 ボクも壁に近づき、空洞がないか確かめる。

 この前来た時は、犬のスケルトンが飛び出してきたんだけど……。


「敵とマップはランダムで変わる」

「そうなんだ」


 通路があったら確定ってわけじゃないんだ。

 『何もない壁の前で弓を構える変な人』になってしまった。

 ……恥ずかしい。


「SENRIさん……?」

「つ、次の部屋に行こう!」

「お、おう……」


 顔を見られぬよう、先頭に立って進む。



『……見た?』

『見た』

『マジやべぇ』

『照れ顔可愛すぎか。可愛すぎか』

『本物の女の子って違うんだな……』

『クラスの女子とかあんな顔しねーし』

『掃除の時間遊んでるとゴミを見る目で見てくるし』

『年上で巨乳のおねーさんが趣味だと思ってたけど、小さくて保護したくなる系の女子もいいな……』

『だが、冷静に考えるとほぼナツなんだよなぁ』

『SENRIさんは違うから! 余計なモノ付いてないから!』

『まあ、ナツくらい可愛ければ、ちょっとくらい付いていたって……』

『落ち着け! 小林じゃないんだから』

『あ、ああ……どうしても、ナツに見える時があるから……』

『ナツにホレるのはアレだけど、SENRIさんなら健全だよな』

『少しばかり犯罪臭がするが……』

『見た目は小学生っぽくても年上だから! 俺たちならセーフだって!』

『そ、そうだよな。俺たちだって中学生だし、何もおかしくないよな』

『でも、競争相手がリョウだからな……』

『勝てる要素が座高の高さくらいしかねぇ』

『……そもそも、ホントに2人は付き合ってるのか?』

『いやいや。そうじゃなきゃ、男女2人でゲームとかしなくね?』

『確かにそうだな』

『生まれてこれまで女子とゲームしたことなんてないな』

『じゃあ、付き合ってるのか……』

『しかし、相手はリョウだぞ? 裏山に捨てられていたイケナイ本を見せてもまったくの無反応だった、あのリョウだぞ?』

『SENRIさん一筋で他の女には目移りしていなかったという可能性も……いや、ないな』

『うん、ないな』

『女子からの誘いを断ってゲームしてるようなヤツだしな』

『裸のおねーちゃんと、リアルで1時間放置しないとクリア不能になるクソゲーが落ちてたら、迷わずクソゲーを選ぶ男だ』

『本人に聞いてみるのが一番か』

『どうやって?』

『俺にいい考えがある』



「SENRIさん、ちょっと……」

「?」


 田中くんたちが手招きしている。

 何かわからないことでもあったのかな?


「どうしたの?」

「2人は付き合ってるの?」

「おい! 直球すぎるだろ!」

「田中に任せた俺がバカだった……」

「……?」

「いや、その……リョウとは男女の関係なのかなぁ、と」

「違うよ?」


 即答する。

 ボクもりょーちゃんも男だし、男同士の関係。

 あ、でも、今は女性という設定だった。

 そうなると、男女の関係ってことになるのかな……?


「じゃあ、リョウとはただの友達なんすね!」

「えーと……とても大切なお友達、です」


 今のボクがあるのは、りょーちゃんのおかげ。

 りょーちゃんがいなかったら、こんな風にみんなと遊べなかったかもしれない。


「……なるほど」

「今の表情で、よーくわかりました」

「そういうことなら応援しますぜ!」

「そうだな!」

「なんでも言ってください! 手伝いますんで!」

「……?」


 3人が応援してくれることになった。

 何に対してなんだろう?


「くそ……ちょっとばかり背が高くて、顔が良くて、運動ができて、勉強までできる、ただのゲームオタのくせに調子に乗りやがって!」

「そりゃ調子にも乗るわ」

「う、うらやましくなんてないんだからねっ!」


 今度はりょーちゃんの話をしていた。

 ゲームの話というより、いつもの雑談かな?


「だからって、リョウにばっかいいカッコさせないぜ!」

「もしかしたらワンチャンあるかもしれないし!」

「うかうかしてたら、もらっちまうからな!」


 テンションをあげながら、次の部屋へ。

 実は千里くん、小さい頃に男子から『カバンよこせよ! おまえには重いだろ!』『そんなにかわいいんだから、スカートはけよ!』『おれのおヨメさんにしてやる!』と、いじめられていた過去があります。

 そんな時に、りょーちゃん一家が近くに引っ越してきた。

 一緒に遊んでいるうちに、意外と男っぽい趣味をしていることが判明。

 そのことが広まり、他の男子とも自然と仲良くなれた。

 というのが、2人のなれ初め。

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