2刀の弱点
「なんつーか、やっぱ敵強くね?」
「人は剣と矢で攻撃されたら死ぬ」
「リアル感パネェな」
2体以上相手にすると、どうしても対処が難しくなってしまう。
特に、遠距離攻撃手段がないと、アーチャーは天敵かもしれない。
「2刀だと被ダメ増える」
「マジで!?」
りょーちゃんの説明に3人が反応する。
「え? 武器の問題とかじゃなくて? 2刀流にした時点で?」
「ああ」
「マジかよ……」
そうだったんだ。
言われてみれば、ボクの時より被ダメージが大きいような?
「でも、火力は2倍になるから最強だろ?」
「右と左の合計÷2」
「……あれ? それだと片手と変わらなくね?」
「え? 2刀弱いの?」
「エンチャやOPは両方乗る。DPSなら現状最強候補」
「なんだよ、びびらせんなよ」
「やっぱ2刀だな!」
「被ダメ増えるなら田中はやめたほうがいいな」
「すぐ死ぬしな」
「なんでよ!? 俺にも2刀やらせてよ!」
デメリットはあるけど、攻撃力の高さは魅力的。
スキルポイントに余裕さえあれば、ボクもやってみたい。
見た目もかっこいいし。
「要するに、当たらなきゃいいんだろ? 楽勝でしょ」
「死亡数ダントツトップの田中さんがなんか言ってますよ」
「SENRIさんの負担にしかなってないぞ」
「申し訳ありませんでしたーッ!」
「そんなことないよ。ボクのほうこそ、スキルレベルが低くて迷惑かけちゃってるから」
「いやいや、田中のせいでバフかけ直しも大変でしょうし」
「せめて回復だけでもなんとかなれば……このゲーム薬草とかは?」
「赤ポ使えばいい」
りょーちゃんが答える。
「あるの?」
「インベに入ってる」
「お、あった」
「マジだ」
「使い方は?」
「飲むか、振りかける」
「こんな感じか……おお! 回復した!」
「あれ? 回復量しょぼくね?」
「と思ったら持続型か」
「普通のポーションは店売り?」
「赤ポが店売り、即ポが生産」
「生産とかだりぃな……田中、任せた」
「2刀やるって言ってるよね!?」
「即ポの素材はボス泥だから高い」
「マジで?」
「じゃあ、赤ポ(特上)とか買えばいいんか」
「HP回復は赤ポと即ポの2種類しかない」
「え? このクソ回復力でやれと?」
「Lv上がってHP増えたらどうすんだよ」
「V極型でもHP200前後」
「少なっ!」
「HP1万とかいかないんか?」
「もしかして、火力も『999999!!』みたいなの出せないの?」
「スマで100出せれば高火力扱い」
「しょっぼ!」
「えー、爽快感とか足りなくねー?」
「もっと強くなってる実感が欲しいよな」
ステータスの上限が低いので、ダメージの最大値も低い。
見た目がわかりやすくて便利だけど、人によっては物足りないかも。
「条件そろえれば1kは超える」
「あー、とりあえずそこ目指すか」
「まずはレベラゲだな」
「サクサク行こうぜ」
この中で射程が一番長いのはボク。
アチャースケルトンを受け持とう。
弓に持ち替えて、2体のアチャースケルトンに1発ずつ。
狙われても横に動いていれば避けられるので、支援しながらでも問題ない。
「スイッチ型もかっけぇな」
「魔法剣士も捨てがたい……いや、2刀やるって決めたんだ!」
「ファイアソードとアイスソードの2刀やればで解決じゃね?」
「それだ!」
「光と闇の魔剣で2刀なら最強じゃね?」
「もうそれしか考えられねぇ!」
「やっぱ2刀だな!」
雑談しながら倒していく。
みんな動きがよくなってきたので、支援にもちょっと余裕が出てきた。
「お? 宝箱が出てきた!」
鈴木くんが倒したレッドスケルトンから、レアドロップが。
「……ただの短剣っぽいんだが?」
「ただの短剣」
「使える?」
「店売り」
「ハズレか!」
オプションも付いていない普通の装備だったようだ。
「もっといいもん落とせや!」
「おっ! こっちも宝箱出てきた!」
今度は、佐藤くんにレアドロップ。
「……ただの短剣?」
「店売り」
「くそーっ!」
なかなか当たりが出てこない。
エンチャントが当たりって言ってたっけ?
まだ見たことがないし、誰かドロップしないかな。
「次行くぞ! 次!」
部屋を一掃したので、先へ進む。
名前:鈴木
性別:男
年齢:中学生
身長:ひょろ長い
体重:やせぎみ
血液型:なんかそれっぽいの
趣味:ゲーム、プチトマト栽培
特技:帰り道の石蹴りで優勝回数1位
好きな食べ物:カレー
苦手な食べ物:ピーマン
一言:女子にモテたい!
やっぱり名前はなかった。




