リョウ先生の指導
短剣を手にするりょーちゃん。
「お? ついにリョウが動いたか!」
「これでヤツらもおしまいよ」
「先生! お願いします!」
普通に歩いていって、スケルトンの攻撃をかわす。
ドゴォ!
横からスマッシュ。
パリン
キャンセルも入れて、追撃の剣圧飛ばし。
前にも見たキャンセルコンボ。
「これこれこれー! こーいうのがやりたかったんだよ!」
「かっけぇえええ!」
「なにそれ!? どーやんの!?」
本日一番の盛り上がり。
やっぱり、連続技だとテンションが上がるようだ。
「というか、攻撃歩いて避けれんのかよ」
「なんだよ、田中いらねーじゃん」
「だから田中を大事にしよ?」
そういうわけで、りょーちゃんの戦闘講座が始まる。
相手の状態、それに対応する攻撃の仕方。
ステップの無敵時間など。
最初にボクが習ったのと同じ内容。
「なるほどなー。田中みたいに脳筋するだけじゃダメなんだな」
「お前らも突撃したよね?」
「田中が無駄死にしてたわけだ」
「お前らが行けって言ったんだよね!?」
「とりあえず実践してみるか」
「だな」
「俺にもやらせて!」
ちょうど3体のスケルトンが残っていたので、それぞれ向かい合う。
「あ、コレって防御?」
腕を交差するスケルトンを見て、佐藤くんが聞いてくる。
「うん、そうだよ」
「よし、今度こそスキル当ててやるぜ!」
剣を光らせながら、スケルトンに近づく。
ベコォ!
「決まった!」
スキル効果でノックバック。
「さらに追い打ち……は、マズいんだっけ」
教わった通り、相手の動きを観察。
復帰からの通常攻撃を避けて、硬直中を攻撃する。
カラカラ……。
「勝った!」
しっかりと攻撃を当て、無傷で勝利。
「SENRIさん! 俺の勇姿を見ててくれましたか!?」
「何言ってんだ! 俺のほうがカッコよかっただろ!」
鈴木くんも無事に撃破。
田中くんは……。
「ぐえー」
「なんでお前は死んでんだ?」
「学習という機能はないのか」
「ステップで回避しからスキル入れようとしたら、なぜか攻撃食らったんだよ!」
倒れたまま叫ぶ。
「そういうもんなの?」
「ステップにも硬直時間があるから、相手との距離によってはスキルが確定しないかも」
「位置取りも考えなきゃいかんのか」
「意外とシビアだな」
「りょーちゃんは『慣れ』って言うけど」
「それ絶対参考にならないやつー」
「猶予0フレの目押しコンボ(※1)を『慣れ』で済ますような男だぞ?」
「同じように真似したら、確反から即死しました」
慣れるまで何十時間でもやり続けるから、りょーちゃんにとっては当たり前なのかもしれない。
田中くんを復活させて、HPを回復。
「オッケーわかったぜ! これでもう死なねーぜ!」
「余裕で死ぬだろ」
「きっとあいつすぐフラグ回収するわ」
「黙って見とけや!」
最後に残ったスケルトンを前にして、剣を振り上げる。
「あ、反撃で死んだな」
「普通に攻撃したって通らねぇっていうのによ」
「お? 踏みとどまった」
「脳みそチンパンジーでも回数重ねれば覚えるんだな」
「外野うるせぇぞ!」
すぐには攻撃せず、相手の動きを見ている。
「おっと、これはチャンス」
「しかし田中動けません」
「完全にビビってます」
「これはダサイですねー」
「冷静なんだよ!」
「その返し自体がすでに冷静じゃないですね」
「小学生相手に連コする男ですからね」
「逆にメンタル強いんじゃないかと」
「小学生の低学年にボコられたら、普通は立ち直れませんからね」
「最初は手加減してやる主義なんだよ!」
田中くんが動き出す。
「あ」
「終わった」
ガード中に通常攻撃してしまい、硬直状態になる。
反撃で斬りつけられるけど……。
「ヒール!」
ジャストヒールを合わせて、なんとか生存。
「こなくそーっ」
動けるようになり、再びスケルトンに攻撃する。
ビシッ!
横からりょーちゃんの飛び道具が飛んできて、スケルトンにヒット。
そこに田中くんの攻撃が決まる。
「……ふーっ、楽勝だったぜ!」
「思いっきり介護されてたじゃん」
「2人がいなかったら即死だぞ」
「これがパーティープレイってヤツさ!」
ぐっと親指を立てて答える。
少し田中にやさしくなりました。
※1、目押しコンボ:目で見ながらタイミングを決めるコンボ。
ボタン連打だとコンボにならない。
猶予フレーム0だと、ぴったりなタイミングじゃないとつながらないとっても難しいコンボ。
格闘ゲームの聖地に生息している修羅たちは、みな当たり前のようにコンボしているし、周りにいるギャラリーも誰一人として驚かない。




