3人組の企み
「ぐふふふふ……」
「ふひひひひ……」
「おぽぽぽぽ……」
教室に入ると、田中くんたちが笑っていた。
何かいいことでもあったのかな?
「おはよう」
「おう! ナツとリョウちーっす!」
「機嫌がよさそうだね」
「聞いちゃう? それ聞いちゃう?」
「まてまて、まだ伝えるには早い」
「ほら、家に帰ったら連絡取ってさ……」
「あー、それもそうか」
「ぬふふふふ……」
「くけけけけ……」
「んぺぺぺぺ……」
「?」
3人で固まって、声をひそめるようにして笑っている。
よくわからないけど、何かいいことでもあったらしい。
いつものゲームセンターに、新しいゲームでも入ったとか?
そうだとしたら、帰りに誘われるかも。
「と思ったけど……」
何事もなく家に帰ってきた。
特に連絡も来なかったし、そのままログインする。
機嫌がよかったのは、もっと別の理由だったのかもしれない。
いつもゲームの話をしているからって、毎日そうだとは限らないよね。
ちゃぽん。
まずは、どうしようかな。
現状で取れるスキルは取ったし、露店でも見て回ろう。
りょーちゃんの斧が売れたおかげで、そこそこのお金がある。
いつまでも初期装備ってわけにはいかない。
たぶーん。
やっぱり、何も装備していない部位の防具からかな。
ステータス付きの装備などをそろえていきたい。
どぽぉ。
「?」
さっきから、謎の効果音が聞こえるような……。
「あ、ナビ子さん。こんにち……?」
あいさつしようとして、首をかしげる。
いつもと様子が違う。
「どうもー」
「……?」
「どうかされましたか?」
「えっと……」
声や顔はナビ子さんに違いないんだけど、なんというか……丸い。
ボールに手足が付いたような状況になっている。
「ナビ子さん、いつもより丸いような……?」
「そんなことはないでゲプゥ」
ナビ子さんが動くたびに、ちゃぷちゃぷ音が鳴る。
その姿は、まるで風船のよう。
「ちょっと飲みすぎただけですよ」
「飲みすぎですか?」
「はい」
そういうことらしい。
どうやったら、あんなパンパンになるまで飲めるんだろう?
あきらかに体型が変わっちゃっている。
人とは体の構造も違うのかな?
「大丈夫なのでしょうか?」
「もちろんですとも。この肌つやを見てください」
ぽよんぽよんと動き回る。
顔色もいいし、体調はよさそうだ。
「……くんかくんか」
「?」
ボクの周りを飛びながら、何か確認している。
「普段は別になんともないんですね」
「?」
「あ、気にしなくてもいいですよ。私そういうの大丈夫なんで。ワキから猛烈な獣臭を放っていてもなめれます。蒸れ蒸れの脱ぎたてブーツとかでも迷わず頭突っ込みますから」
「……?」
うんうんと、1人で納得していた。
「……ない……ない」
「?」
今度は、地面に張り付くようにして、何かを探していた。
「そう簡単には落ちてないか……」
「何がでしょうか?」
「そりゃもう、ごわっごわの剛毛ですよ。あのあと温泉の中で漂っているのを見つけましてね」
「毛、ですか?」
「あんな立派な毛を生やしているなんて、正直予想外でしたよ。つるつるかと思っていました。でも、大丈夫。私はそういうのも大好物ですから」
「?」
「いろいろと使用しちゃったので、新しいストックが欲しかったのですが……まあ、楽しめたのでよしとしましょう」
「……?」
難しいお話をしていた。
お仕事の関係かな?
なにはともあれ、元気そうでよかった。
田中くんと誰かと誰か(名前忘れた)が不穏な動きを見せているようです。




