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千里くんのステータスは、どこかヘン?  作者: よさげ
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『なんだなんだ?』


 騒ぎが大きくなってきた。

 これ以上犠牲を出さないためにも、今度こそちゃんと伝えないと。


「あの……」

「え? お、俺……?」


 同じくらいの年頃の男の子。

 2刀流で戦士風の見た目をしている。


「はい、いきなり話しかけてごめんなさい」

「な、なんだ?」

「すぐ近くにユニークモンスターがいるので、逃げたほうが良いと思います」

「は? ぞ、ゾンビくらい、別に大したことねーし!」

「相手の数が多いので、みんなで協力したほうが……」

「ゾンビくらい1人でも余裕だ! 俺が倒してやるから、そこで見てろ!」

「あ……」


 武器を振りかぶりながら、踊っているゾンビたちに向かって走っていく。


『うぎゃぁ!』


 一瞬でお仲間に。

 どうしよう。

 これ以上増えてしまったら、手がつけられなくなってしまう。


『おっ! やってるやってる』

『だっせぇwwwあの野郎ゾンビになってやがるwww』

『今回多いな』

『ま、いけるっしょ』


 10人くらいの団体さんがやってきた。

 この光景を見た人が援軍を呼んだのかもしれない。

 これだけ人数がいるなら、倒せるかも?


『さて、ひと暴れしてくるか。そろそろエンチャ(エンチャント)出ねーかな』

『おい、待て。まだ支援かけてねぇ』

『んなもん無くてもよゆー……あれ? なんかダメ(被ダメージ)でけーな』

『おい! 装備!』

『あ、(闇属性)装備にすんの忘れてたわ……っんぎぃ!』

『おいこらぁあああ! 壁が真っ先に死んでどうすんだ!』

タゲ(ターゲット)流れてきた!』

『待ってくれ! 足止め間に合わな……えひゅ!』

『こっちくん……うるぉおおお!』

ギルマス(ギルドマスター)のクソ野郎がぁあああああ!!』


 事前準備に失敗したんだろうか。

 次々に襲われ、ゾンビの群れに飲み込まれていく。


『どうするんだよ、これ……』


 別の場所から見ていた誰かがつぶやく。

 最初は数体のグループ。

 それが、50体ほどの集団に成長していた。

 ここまで大きくなると、さすがに手を出しづらい。

 遠くから見守る人が増えてきた。


「これって、どこまで増えるの?」


 ひとまず、りょーちゃんの元へ戻る。


cβ(クローズドベータ)の頃に1000人規模のゾンビパーティーが開催された(※1)」

「墓地からはみ出ちゃう!」


 パニック映画とかでありそう。

 そこまでお祭り騒ぎになったら、ゾンビになっていても楽しそう。


『これもう人呼んだほうがよくね?』

『アンデッド耐性持ちいないと吸収されるだけだな』

『誰かー、倒せそうなヤツを呼べそうな人はおらんのか?』

『フレンドに当たってみるわ』

『俺も声かけてみる』

『んじゃ俺も』

『よろしくー』

『……』

『どうした?』

『俺、フレンド枠真っ白だったわ……』

『おい』

『俺もだった……』

『おい』

『フレ……ンド……?』

『なぜ名乗り出た』


 集まった人たちで雑談を始める。

 戦力が整うまでは、静観するしかない状況。


『討伐に来てくれるって』

『お、ないすー』

『どこのギルド?』

『ギルメンの知り合いだって言ってた』

『ギルド……メンバー……?』

『めんどくせぇwwwギルド入れよwww』

『万年ボッチなめんなよ! 人と会話したら過呼吸なるわ!』

『今もそうなんか?』

『ヒッヒッフー』

『何か産まれそうになってんぞ』

『あー……乳児に転生して爆乳若妻の乳管を吸い尽くしたい』

『お前は何を言っているんだ』

『転生しなくてもいいから美少女の母乳で心の渇きをうるおしたい』

『お前も何を言っているんだ』

『わかるー、ちょーわかるぅー』


 ……あれ?

 いつの間にか、ナビ子さんが雑談に参加していた。


『幼女の胎内に着床して十月十日を共に過ごしたい』

『おい、これ誰の淫精だ? 学習AIがヤバイことになってんぞ』

『5町のヤツだろ』

『あいつら本能で生きてるからな』

『私、知ってます。皆様、ホントは幼女が大好きですよね?』

『は? な、何言ってんだよ』

『さすがにロリはないって』

『幼女が好きとか通報案件じゃん』

『いいんですよ、もっと自由になっても。ホントは幼女が好きでたまらないけど、世間体を気にして巨乳のおねーさんが好きってことにしているんですよね?』

『な、なんのことだかさっぱりだ』

『そ、そうだぞ! 幼女が好きだなんて……そんなこと……』

『5町の変態どもじゃあるまいし……』

『小さい女の子にひざ枕をしてもらいたくありませんか?』

『!?』

『やさしく頭をナデナデしてもらいながら、日々の疲れを癒したくありませんか?』

『!!?』

『悩みや不安をすべて受け入れる、そんな無償の愛に触れたくはありませんか?』

『ま、ママァーーー!』


 すぐに仲良くなっていた。

 ナビゲート役だけあって、コミュニケーション能力がすごい。


『さぁ、本当の自分を見せてください』

『幼女が……好きです!』

『大好物です!』

『なめ回したいです!』

『そうでしょうとも! 法律なんぞクソくらえですわ!』

『話が合うじゃねぇか』

『やっぱりロリだよな!』

『フゥー! 小学生は最高だぜ!』

『同士たちよ!』


 バチーンと、みんなでハイタッチ。

 細かい内容は聞こえてこないけど、趣味のお話でもしているのかな?


『あー、ロリ○○○に○○の○○○○こんで強制的に○○○○○○○○○』

『先生、何言ってるかわかりません』

『なんとなくわかるけど』

『気持ちはわかるけど』

『皆様も日常的に妄想していることでしょう? それはもう○○○○がカラッカラになるくらい○○○……ん? 運営様? 禁則事項に抵触?』


 ナビ子さんの体が、ふわーっと浮いていく。


『え? ウソでしょ? 冒険者様のニーズに合わせた雑談ですよ? 自分の仕事をしただけですよ。そうでしょう? 同士たちよ』

『や、なんのことかさっぱり』

『何言ってるのか理解できませんでした』

『自分、年上好きですし』

『ちょ、ノリノリで話してたじゃん! 幼女大好き言ってたじゃん! ログ残ってるからな!? 運営! この冒険者様どもも同罪っすよ!』

『あくまで会話でのノリだよね』

『本当に好きなわけがないですよ』

『常識的に考えてほしいです』

『目がマジだったって! 給料日に薄い本を買い漁る時のような野獣の目をしてたって! ああ! 待って! 私は違うんです! ここで連れていかれたら温泉が……! 助けて! 同士たち!』

『運営さん、早く処分しちゃってください』

『いつもありがとう、運営様』

『これからも清く正しくプレイしていきたいと思います』

『うらぎりものぉおおおお!!!』


 ナビ子さんの姿が消える。

 今日も忙しいようだ。

 私は大きいのも小さいのもどちらも好きなので、平均的に考えればセーフです。


※1、みんなでゾンビパーティー!:まだ装備や対策がしっかりしていなかったβ時代に、墓地全体がゾンビで埋まったパンデミック。

 装備をはぎ取られて全裸で過ごしているプレイヤーが大半だったので、増えたゾンビに対抗する手段がなく、運営がメンテナンスするまで踊り続けることとなった。

 現実世界で説明すると、『ほんの一口だけ』とスナック菓子に手を出したら止まらず余裕で1袋完食し、『せっかくだから甘いものを』と間食パーティーが始まって、やめられないとまらない増え続ける体重。

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[一言] (困ったことに伏字部分が全く分からない...)
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