表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千里くんのステータスは、どこかヘン?  作者: よさげ
リザレクション取得クエスト
108/1588

ゾンビ狩り

 ドゴォ!


 吹き飛んでいったゾンビが、地面に消えていく。

 最終的に、10体近くになったゾンビ集団。

 りょーちゃんが来てからは、ほんの数分で片付いてしまった。


「ありがと、りょーちゃん」

「毛は?」

「えーと……3個」


 クエスト情報だと、10個ほど必要だったはず。

 まだまだ集めないと。


「こっちに飛ばしてくれ」

「スマッシュを当てるタイミングがわかりづらいんだけど……」


 のけぞり無効があるので、なかなか手を出しづらい。

 相手の空振りに合わせようとしたら、次の一振りで攻撃されてしまう。

 射程の差で当てようとしても、スキル発動はつぶされちゃうし。


通常(通常攻撃)3連のあとに割り込める」

「そうなんだ」


 ボコッ。


 新たにゾンビが現れたので、スマッシュを狙いにいく。

 スキルの準備しつつ、攻撃を誘って……。


 ブンッ。

 ブンッ。

 ブンッ。


「えいっ!」


 ぽっこーん。


 いけた。

 飛んでいった先に、いつものスキルを構えたりょーちゃん。


 ザシュ!


 大ダメージを与え……。


 ブンッ。


 反撃で倒れる。


「ごめん、ダメージプラス入れ忘れちゃった」

「まだまだ火力が足りなかったか」


 そうは言うけど、ボクの攻撃の10倍以上は出てる。

 いつもとは違う短剣を持っているので、対ゾンビ用武器にしているようだし。


「ちなみに、2と3発目の間にも数フレ(フレーム)猶予あるから、スマ(スマッシュ)で割り込める」

「動きながら数フレームを狙うのは、無理じゃないかな……」

「そうか?」

「うん、普通の人はね」


 止まっていても難しいのに、お互い動いていたらできる気がしない。


『アァ……』


 無理をせず、安定性重視で対処していく。

 りょーちゃんも来てくれたことだし、どんどん素材を集めていこう。




『ぐぁああああ!』


 近くで狩っていた他のプレイヤーの悲鳴が聞こえてきた。

 ゾンビに倒されてしまったようだ。

 復活させようと、そちらに駆け出して……。


「……?」


 足を止める。

 なんか、様子が変。

 その場で起き上がったはいいけど、動きがギクシャクしている。

 それと、すごく顔色が悪い。

 まるで、ゾンビになってしまったかのような……。


『アァ……』


「ゾンビになっちゃった!」


 カクカクと動き出す姿は、まさしくゾンビそのもの。

 プレイヤーネームもモンスターと同じ色に染まっている。


「ゾンビにかみつかれて倒された場合、一定確率でゾンビになる」

「ど、どうしたらいいの?」

「時間経過で治る。もしくは、殺して生き返す」

「攻撃できちゃうんだ」


 助けようにも、勝手に攻撃していいのか迷う。

 ゾンビ状態になっていても、ちゃんと会話できるのかな?


『ォ、オ……オゲェエエエエ!』


 ゾンビになったプレイヤーが、口から赤い物を吐き出す。

 周りにいるゾンビたちが、一瞬で消し飛んでいく。


「あれは……?」

「MP全消費で使えるゾンビ専用スキル」

「すごい威力だね」

「基礎火力が高い上に、(STR)(INT)(DEX)がダメージ計算に入るからな」


 かなりHP多いはずなのに、あの範囲攻撃に触れただけで倒れていく。

 範囲も広い。


「もしかして、ゾンビになったほうが楽だったり?」

「ダッシュやステップ、お座りもできないから、回転率は悪い」

「制限がかかっちゃうんだ」


 移動はともかく、MP回復に時間がかかるのは大変そう。

 あの威力で連発できたら強すぎるし、その辺りのバランス調整かな?


『く、くるな……ッアーーー!』

『おい、バカ! やめ……ッアーーー!』


 また別のプレイヤーが悲鳴を上げる。

 戦士っぽい姿をした2人組が、抱きつくようにして倒れていた。


「あっちのゾンビ……見た目が違う?」


 2人組を取り囲んでいるゾンビたち。

 少し背が低くて、髪の毛が長い。


「女ゾンビ。男同士でPT(パーティー)を組むと湧いてくる」

「おもしろい条件だね」


 性別で条件があるってことは、サキュバス(※1)みたいな存在なのかな?

 動きを見る感じ、普通のゾンビと変わらない。


「レアドロップする『明けに残る月の禁書※2』は、貴重な闇属性武器。男特攻も付いてる」

「ファンタジーっぽくカッコイイね」


 属性武器とか特攻武器とか、すごくそれっぽい感じ。

 禁書という響きもいい。

 中を見ることはできるのかな?

 ちょっと気になる。


『ん? 今、そこの茂みで、何か動かなかったか?』

『どうせただのゾンビだろ。インフェ(インフェルノ)置くから引っ張ってきてくれ』

『めんどくせーな。こいつら足遅すぎるんだよ』

ピラ(ピラミッド)地下人多すぎだから仕方ないだろ。雑魚アンデッドといったらここくらいだし』

『……』

『どうした? まさか、ゾンビごときにやられたわけじゃないよな?』

『……』

『おい? なんでHPが0に……う、うぁあああ!?』


 また違う方向から叫び声が。

 かなり回転のいい狩場みたいだし、囲まれてやられちゃうパターンが多いのかも?


『ヤツらが……ヤツらが出たぞ!』


 叫び声のしたほうから、男性が走ってくる。

 その後ろ。

 大量の人影が追いかけてきた。


『みんな……逃げ……』


 その人影の中に飲み込まれ、プレイヤーネームが赤く染まっていく。

 ソロで狩っている男同士がいると、そこはかとなく近づけようとしてきます。


※1、サキュバス:みんな大好き、きわどい姿をした女型モンスター。

 魅了などで相手を操る危険な能力を持っている。

 スキルを使わなくても魅了される人間が多々いる。

 踏まれたり叩かれたいプレイヤーが集まりすぎて困っているらしい。


※2、明けに残る月の禁書:妄想と欲望があふれまくったウスイ本。

 同志をあぶり出して増殖させる布教力と、とても青少年には見せられないデンジャラスな内容が秘められている。

 うっかり一般の人に見られて性癖がバレると精神が即死する。

 だいたい押入れの奥深くに隠される禁断の書物。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ