りょーちゃん家のお風呂
「ちーちゃーん!」
お風呂から上がったお母さんが、抱きついてきた。
「まだ髪ぬれてるよ」
「ちーちゃん、やって?」
「うん、こっちに座って」
いつものように、お母さんの髪をふいていく。
「ナニコレ、尊い……」
智子さんも上がってきて、両手を合わせていた。
すぐ横に座って、こっちを見てくる。
「ハァハァ……」
「……?」
「あ、そうそう。お風呂空いたからどうぞ」
「えっ?」
「千里くんも入っていくでしょ?」
「家でシャワーでも浴びようかと」
「シャワー代がもったいないわ。遠慮せずにどうぞ」
「えーと……」
「着替えも用意しておくから」
「でも……」
「いいから、いいから」
智子さんに勧められて、風呂場へ移動する。
家でシャワー浴びるよりは効率的だけど……迷惑じゃないかな?
小さい頃は、よくりょーちゃんと一緒に入っていたけど。
「ごゆっくりー」
「ありがとうございます」
せっかくなので、お風呂もいただいていくことにする。
いつもお世話になっているし、今度お菓子でも作ってこよう。
「……」
足を伸ばして、ゆったりとくつろぐ。
ここのお風呂は広いので、気持ちよく過ごせる。
1人で入っていると、ちょっともったいないくらい。
「……」
りょーちゃんは、またあとで入るのかな?
ゲームする時間が減るからシャワーだけ。
みたいなことを考えていそうなので、ちょっと心配。
「……?」
お風呂から上がって、着替えを取ろうとしたんだけど……。
「……」
何か、違う。
あきらかに、違う。
これを着るわけにはいかなかったので、バスタオルで体を隠す。
はしたないけど、そのままリビングへ向かう。
「あの……」
ドアから顔だけを出すようにして、声をかける。
「あら? どうしたの?」
「これ、女性用の下着ですよね?」
用意されていた着替えを見せる。
「そんなことないわよ?」
「お母さんが使っている物と同じに見えるのですが……」
いつも洗濯しているので、さすがに見間違えたりしない。
「男の子が履いても大丈夫よ」
「そういう問題ではないような……」
「りょうやパパの下着だと大きすぎるし、他に合うのがなかったのよ」
「ボクの下着は……?」
「ちょっと汚しちゃったから、洗濯機に」
どうせ家に帰るまでだから、気にしないのに。
何もないことのほうが問題だ。
「まぁまぁ。あとはみんなで一緒に寝るだけだから、気にしないで」
「そろそろ家に帰るつもりです」
「え? 帰っちゃうの?」
「はい、明日も学校があるので」
「な、なんだと……?」
大げさに体をそらせる。
「千里くんと茜ちゃんに囲まれた『うはうは川の字プレイ』ができないじゃない!」
「仮に泊まるとしても、りょーちゃんの部屋になるような?」
いつもそうしている。
「茜ちゃんは泊まってくよね!?」
「んー、ちーちゃんのお部屋で寝る」
「なんてこったい!」
両手で頭を抱え、ビクンビクンともだえる。
明日の準備をしてから戻ってくればいいけど、それなら戻る必要もない。
「どうしても帰るというなら……ちゃんと服を着ないとねぇ?」
「りょーちゃん、服を貸して」
「いいぞ」
「おい、そこの息子!」
りょーちゃんの子供のころの服を借り、帰る準備を始める。
ちょっと大きかったけど、そでをまくれば大丈夫。
……。
小学校の時の服なのに……。
しかも、低学年の時の服なのに……。
「それでは、お邪魔しました」
「また来てね! 絶対だよ!」
「はい」
智子さんに見送られ、お母さんと手をつないで帰る。
「何度もごめんね」
「気にするな」
りょーちゃんも同行している。
『風呂上りのほてった体なんて変質者の大好物だから!』と智子さんが力説したので。
お風呂上がりだと、何か違うのかな?
「また明日」
「ああ」
何事もなく別れて、家に入る。
「……zzz」
「ここで寝ちゃダメだよ。ちゃんと部屋に行かないと」
「んー……」
当たり前のように、ボクの部屋へ歩いていく。
お母さんの部屋のベッドのほうが大きいのに。
「もうこんな時間」
りょーちゃん家で、だいぶゆっくりしてしまった。
明日の準備だけして、ボクも寝よう。
毛先がしっとりしている湯上り姿は襲われ度倍増するって私の股間が言ってました。




