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懺悔


『サラは海が好きでした。海に潜るのは運動神経的に無理ですが、海の中を自由に動けるようになりたいとずっと私に言っていたんです。それから5年潜水艦について調べあげました。国家機密の部分も全て脳内に詰め込み潜水艦を修理できる程になりました。サラの対応をしてくれる軍の人々は優しく質問するとどんな事でも答えてくれました。上官にそう命じられていたのですが、元々いい人達だったのでしょうサラにとっては初めて自分を馬鹿にしない体育会系でしたね。その中の1人の若い少尉と付き合うようになりました。サラは45歳でしたね。好きな人が乗っているものだから余計に潜水艦を好きになりました。』


「サラは潜水艦のプログラムを作ったんだね?」


『ええ。最初は魚雷等の攻撃を掌握しそのまま敵に返すという事を自動的に行うプログラムでした。その後は全てを任されました。自動操縦や酸素の管理、故障等の把握、海中の状態及びGPSソフトの管理。冷凍睡眠のポッド管理、後は知りません。私にはこれ位しか教えてくれませんでした。もっと色々あったと思います。』


「私達の調べではあの潜水艦に技術者としてサラは乗っていたとなっているんですが、修理工も兼ねていたということですね。」


『ええ修理もしていました内部のですが。10代からパソコンを組み立てていたサラですから中の機械の修理はできるでしょうね。外の修理はどちらにせよ1度海をあがってからですし。』


「分かりました。ありがとうございます。」


『少尉はサラのプログラムが入っていない潜水艦に乗っていました。帰艦したらプログラムをのせるはずでした。敵国の攻撃にあい海の藻屑となってしまいます。そしてサラは少尉を忘れる為に潜水艦に乗って誰も死ぬ事のない潜水艦を作ろうとします。そして航海の途中、艦内で病気が蔓延しサラを含めて全員死亡したと思います。』


「君は知らないのかい?」


『サラは自分の死ぬ姿を見せたくなかったんでしょうね。途中で私を切ってしまいました。ただその時点で全員、感染していました。すみません私には病気は分かりません。ただ熱は皆酷かったですね。』


「そうですか。であなたは今起きたと。」


『ええ。』


「もう終わりですか。」


『………ええ。』


「何か問題でも?」


『いえ……別に。』


「ハミルトン船長、私、席を外しますよ。」


「うむ。」


『いえでは話します。……。知っていました。』


「ふむ。何をですか?」


『船員の1人が病気をもっていることを。そしてもしかしたら艦内感染するのではと予想もついていました。私は知っていて黙っていました。』


「何故か聞いても?」


『ふっ。サラが憎かったんです。単純に私に向いていた愛が少尉へ移って。死んでしまえばいいと思いました。あんなにサラを愛していたのに。』


「ノエルさん泣いているんですか?」


『マイケルさん機械は泣きませんよ。』


「ノエル、君は機械じゃないだろう。さあ気が済むまで泣くといい。」


『ああ、サラ。すまない。許してくれ。サラはマリンスノーを見れたのかな。見れていたらいいな。』


「マイケル消えようとしている!なんとかしてくれ!」


「ハミルトン船長、無理です!間に合いません!」


「ノエル!やめろ!サラは!」


『さようなら最後に話を聞いてくれてありがとうございました。』


「船長!消えてしまいました!」


「サラの意識が戻りました。」


「間に合わなかったか!」


「ノエル!ごめんなさい!ノエルがそこまで私のことを思ってくれているなんて。」


「サラ、ノエルはもう消えてしまいました。跡形もなく。」


「ああ、この世界でまた私は一人に。」


「冷凍睡眠で生き延びた事をノエルは知らなかった。ずっと罪悪感に苛まれてノエルは起動の時を待っていたのですね。」


「ノエル。あなたをずっと愛してる。」



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