表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/45

3:魔法陣

追記:少し改稿しました。メインストーリーに影響はありません。

 こいつはヤバい。


 本能的にそう感じた。


 いや、どう見てもヤバい。


 完全に化け物だ。目が一つしか無くて、体と牙がでかいトカゲ……


 突然変異種?何かの実験体?


 ……そんなことを考えるよりも逃げなければ。今にも襲い掛かってきそうだ。


「キシャァァ!」


 案の定、襲い掛かってきた。


 何とか噛みつかれそうになるのを躱す。


 あんな鋭い牙に噛みつかれたら絶対痛い。早く逃げなければ。


 しばらく激しい運動をしていなかったせいで、少し走っただけで体が悲鳴を上げる。


 数秒もしない内に、もう息が苦しくなってきた。


 後ろを振り返る。


 見ると、化け物トカゲは飛びつくのは速くても、足は遅いようだ。


 これなら俺でも逃げ切れる。


 無我夢中で森の中を走り続けていると、広い空間に出た。


 その時には、化け物トカゲは既に居なくなっていた。


「なんだあの化け物……明らかに普通じゃない……」


 酸素を多く取り込みながら、地面に腰を下ろす。


 少し休憩だ。あんな化け物を見た後では、頭も体も上手く働かない。


 状況を整理する。現時点で分かっている事は、この場所はは普通の場所じゃないという事。


 さっきの化け物トカゲを見れば大体分かる。


 この周辺は何かの生物を実験して飼育する研究施設でもあるのだろうか?


 いや、外にいるって事は少なくとも飼育はしていないだろう。


 意図的に野放しにしているのだったら話は別だ。


 とりあえず、ここから脱出しなければ。


 会社での生き地獄の次は、知らない場所で化け物に襲われる地獄とか酷すぎる。


 本当に、俺が何をしたっていうんだ。


 俺は息を整えて立ち上がる。


 化け物トカゲの事を考えていて気が付かなかったが、目の前には大きな崖がある。


 ……行き止まりか?


 それとも、崖沿いに歩いていけば何かあるだろうか?


 ……こうして考えていても、進まなければ何も始まらない。


 周囲を警戒しつつ歩き出す、が。


「わっ!?」


 何かに足を引っかけてしまった。足下を警戒するのを忘れていた。


 前のめりに転びそうになる。


 危ない、何とか持ち堪えたぞ。


 どうやら、ロープのようなものに足を引っかけてしまったようだ。


 ……待てよ。ロープがあるという事は人も居るはずだ。


 そんなに古くないロープみたいだし、近くに人は居るのだろう。


 そいつが俺をここに運び込んだ可能性もあるが。


 転ぶ原因となったロープを見ながら考えていると、自宅で机の角に頭をぶつけた時の光景が脳裏に蘇る。


 良かった……転ばなくて……


 ちょっと転ぶのがトラウマになりかけているからな。


 安心しきっていると、さっき休憩していた場所が光り輝いて、魔法陣のようなものが浮かび上がる。


「……え?」


 不思議な現象に戸惑っていると、足元の地面から網が勢いよく飛び出してくる。


 魔法陣に気を取られていたため、避けようとするも網の端に足が引っ掛かる。


 網に捕獲されるのは回避したが、前のめりになって顔から地面にダイブした。


「結局転ぶのかよ……」


 痛みに耐えながら網が飛んで行った方向を見る。


 どうやら、自分の足元以外の場所からも網が飛び出していたようだ。


 全ての網が重なり合い、空中でザルみたいな形になって静止している。


 不思議な光景に思考が追いついていない中、今度はザルの上空、崖から何かが落ちてくる。


 ザルは軋む音を響かせながら、その物体を優しく受け止める。


 ザルは見た目に反して結構柔らかいようだ。


 そして、静かに動きが止まる。


 落ちてきた物体をよく見ると、見た事のある形をしていた。


「人!?」


 そう、落ちてきたのは人だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ