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ちょっと見直した

気持ち悪いなぁと思う。なんで自分より高い人物の人と一緒にいれば安心するの?人ってやっぱり群れる生き物だから本能的にそうなっちゃうんかね。


「だからってさぁ…」


「なにぶつぶつ言ってんのよ!」


この人数はないだろって一般人的には叫ばしてほしいくらいの人数。アニメとかマンガのキャラならスパッとやっちゃうんだろうけど!私みたいな普通の人間にはもちろんのごとく無理に決まってる。


「その顔。不満そうね?」


「そりゃあね…喧嘩買ったのはこっちだけど、この人数差はないんじゃないの?」


「運動神経抜群なんでしょう?じゃあいいんじゃないの?」


「…宮崎さん。」


「気持ち悪いんだけど。私の名前呼ばないで?」


「じゃあ女。」


「チッ…さっさと用件言って」


「一対一の自信がないから人を呼ぶの?」


「…はぁぁぁっ!?な、何言ってんのよこの、このっ…!!!」


「梨花さんをバカにしないでよ!」


「ザコのくせに!」


「調子乗んな!」


「黙れっ!!!!」


しーんとした時間が流れる。騒いでいた金魚のフンは途端に怯えた表情を浮かべ、そそくさと宮崎の後ろに隠れた。…本当に何考えてんのかわかんないよ。


「だいたい、人を虐めて何が楽しい?」


「お前らは小さい頃に差別や、虐めてはいけないという一般教育まで受けずに生きてきたのか?」


「それで何が得られた。お前らの人生に残るのは罪悪感と後悔の念だけだ。」


「それで嬉しい、楽しいと思える奴がいるのなら。そいつを私は人だと思えない。どうしてまっとうな人間の皮を被ってこの世界にいられるのか頭の中身覗いてみたいもんだよ。」


「なぁ、宮崎。お前はどうなんだ?」


「楽しいと思ったのか?」


「それとも罪悪感を持ったのか?」


私が一気にまくしたてると、宮崎は途端に青くなって、プルプルと体を震わした。これは私がずっと思っていたことだ。小学四年生に虐められていた子を助けた。そしたらイジメっ子は私を虐め始めた。それは当然だと思った。標的を変えるのは当たり前だ。それが助けた私になっただけだ…と。なによりも衝撃を受けたのは虐められていた子が我が身を守るために私を蹴った時だ。


「わ、私は…私、は。自分より、下の人を…そうよ、あんたみたいな強がりや、世界にいる弱虫どもを。私についてくる奴らと虐めたいの」


「だって、そうでもしなくちゃ!!私、なんのために生きてんのよ!なにも楽しくない!苦しいよ!」


「ごめんなさい…」


「酷いことをしたわ。でも、もう。どうしようもできないでしょ?」


「多凪。あんたがそこまで強くいられる理由が私には全く分からない。」


「弱いんだよ!私は…誰かを虐めることでしか、私を保つことができない」


「強くなればいいじゃん。」


「は?」


「自分で限界を設定する奴ほど自分を分かったふりしてる。世界を甘く見てる。」


「で、でも…私、人を虐めることでしか…」


「それって誰が決めたの?」


「は、え?」


「宮崎がそう決めたの?虐めることしか生きがいないって?…私の経験上、それしかない奴には人は集まんないんじゃない?」


「で、でも!きっとみんな私が怖いからついてくるだけよ!虐められたくないから…」


おバカさんだなとついつい思い始めてきた。内心は真っ白な純粋少女だったから良かったけど、これが数年遅かったら真っ黒の腹黒女で救いようなんてなかっただろうしね?


「そんなことないんじゃない?だって、まだ残ってんじゃん。」


「え?そんな、そんな訳…」


「後ろ見な!」


「っ…嘘っ…」


「ごめんね、ごめんね梨花ちゃんっ…!」


「私達、梨花ちゃんのこと怖いからついてきてる訳じゃなくて!」


「梨花ちゃんと友達になりたくて…」


「私達四人しか残ってないけど…」


「ううん、ごめんね…ごめんね…私、自分のこと勘違いしてたみたい…」


「ほら、どう?いたじゃんか。友達!」


そう私が声をかけると、うるうるした今にも涙が落ちそうな目で私に向き直って頭を下げて「ごめんっ!」と大声で謝った。いや、確かに謝られるとは思ってたけどこんなとは…


「い、いいよ、いいよ!ほら、もう用事もないんだし、五人で帰りなよ!」


「多凪さんも一緒に帰らない?」


「私はもうちょいここいたいからさ!」


「…そう?それじゃ、またね!」


「バイバーイ」と五人分の声。バタンと扉が閉まると、思わず床に座り込んでしまった。


「怖い…怖いよ…人間の言葉…」


思わず口から出た。トゲトゲした言葉は心に刺さる。元からお姉ちゃんのことでいじられまくってた私はもうボロボロで。それを隠そうと必死に強がって生きてるとそれを虐める奴らが沢山くる。


「ああ、もう…なんで涙が出るの…」


涙は好きだ。尖ったものも、嫌いな奴も、見たくないものを全部無くしてくれる。


「あれ、多凪さん?」


「っ!?」


「どうしたの?…え!?な、泣いてんの!?どうしたの、痛いところでも?保健委員だから保健室連れて行こっか!?」


「ぷっ…あはははっ!!!」


「え。?」


「あ、あんたっ…ふ、ふははっ!面白すぎだよっ…!」


「え、えーっと…」


「なんでそんなに焦ってたの?」


「え!?だって多凪さん泣いてたから、怪我してんなら大変だと思って」


「どうやって屋上で怪我すんだよ…」


「?…あ、そういえばそうか。」


「もう、あんた…本当面白い。…ちょっとは見直したわ。」


「え?それってどういう」


「さ!私もう帰るから!あんたもさっさと帰りなよ?」


「え?、えー!?」


結構あいつ骨あるじゃん!あー、面白かった…さ、私も瑞希と帰んなきゃねっ!

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