大ッ嫌い
私の名前は多凪風。中学一年。二週間ほど前にこの中学に入り、今。さいっあくのクラスに恵まれた。
「でさー!あいつマジでウケるの!ちょーヘタレでーw」
「マジ?おもろw」
「それであの二人実はね…あれらしいの」
「それホント?やばくね?それ。」
どいつもこいつもクソうるせぇし、話してる内容はそれ以下。人の悪口大好きないかにも、スキャンダルに食いつきそうな奴らがゴロゴロいるこのクラスは1-1。
「多凪さん。多凪さん?」
「っ、あ、え?…何。」
「このペン落ちてたんだけど、多凪さんのじゃない?」
「!…ちょっと、早く退けてよ」
「多凪さんのじゃない、の?」
「私の!だから早くそこに置いて!」
こういう奴は嫌いだ。人が嫌いなものをグイグイ押し付けてくる。気持ち悪いし気色悪い。…因みに言ってしまうと、私は先端恐怖症。先端恐怖症の方の多凪。
「マジで!?京、ホントに多凪妹に渡して来た訳!?」
「え、そうだけど…なんか悪かったのかな、俺。すっげぇ多凪さん機嫌悪かった…」
「京ホントにしらねぇのか?多凪風、教師とかの間でも結構有名なくらい重度の先端恐怖症。」
「先端…?」
「物の先っぽが怖いってこと!」
「マジか、俺さっきペン向けちゃった…」
「あー、だから多凪機嫌悪いんだな。いつにも増して不機嫌オーラが多いわ。」
聞こえてんだよ男子が!!人の話題すんならいない時にしろ!てか、あいつ…京?だっけ。女子がきゃーきゃーうるさい原因か。たしか、聡野京だったっけ?お姉ちゃんがあいつの話でうるさいから覚えてる。
「俺、謝ってくる。」
「え?ちょ!まてよ京!」
「多凪さん!ごめん、俺君が先端恐怖症だって知らなくて…」
「…近寄んないで。」
「っえ?」
「私、偽善者ぶってる奴も知らずに先端向けてくる奴も噂話が好きな奴も…とにかくウザい奴はみんな嫌い。お前もそうだから。今更謝られようが何されようがどうでもいいの。」
「…あ、えっと、その…」
「近寄んなっつっただろ?早くどっか行けよ。」
「あの…ごめん、ホントに。」
しょんぼりして聡野が話してた男子のとこに帰る。それと同時に鋭く目を光らせてた自称聡野のファンらしい集団が私の前に。またぎゃーぎゃー喚かれんのかと思うと虫酸が走る。
「…何か御用ですか。」
「あんたさぁ、自分がどんだけ下の人間が分かってる訳?そんな奴が聡野くんみたいな学校のアイドルに歯向かっていいと思ってんの?」
「別に相手が誰だろうと同じ人間でしょ?上も下もない。」
「…そういうこという訳。ほんとに身の程をわきまえろよ。」
「じゃああなたたちも身の程をわきまえたら?こんな事して何が楽しい訳?」
「楽しいからやってる訳じゃないでしょ?それしか考えられないの?バッカみたい。」
「話の意図が読めないんだけど?私が何をどうしたわけ?あんたの気に障ったのは謝んないし私のせいじゃない。」
「チッ…クソ女が。テメェなんて姉の残りカスでできてるくせに威張ってんじゃねぇよ。」
「…」
「そうだよ多凪さん!あんたなんてお姉さんの残りカスでできてるだけなんだから!」
「私たちに歯向かってんじゃねぇよゴミ!」
「なんとか言えないわけ?」
「…」
「言わないんだ。ふぅん…じゃ、多凪。お前放課後に屋上こいよ。」
「は?」
私の言葉を無視して、ボスみたいな女の子が帰ってく途中で周りにゾロゾロと金魚のフンみたいにくっついてた奴らもガンって机を蹴ったり私にガン飛ばしたりして…とにかく何がしたいのかよく分かんない行動ばっか。
「お姉ちゃんの残りカス…」
私だってそりゃあ人間だから。傷つく。姉は私にとって一生のコンプレックスだし関わりたくない相手だ。勉強はまぁそこそこ、運動神経抜群、それに合わせて男垂らしの超美人。らしいが、家で毎日見ていればそんな事は思う事などない。勉強は私の方ができるし、運動神経がいいと言ってもよく調子に乗って怪我して帰ってくる。男垂らしは…バカだと思う。
「風ちゃん!」
「っ、あ…瑞希。」
「どうしたの?さっき梨花ちゃん達がきてたけど…まさか、意地悪されたの!?」
「あーされてない、されてないから!あいつらのとこに行かなくていい!」
「そうなの?…んー、まぁ、風ちゃんがそういうなら…」
「すぐに喧嘩ふっかけに行くの止めなよ…」
「えぇ?だって風ちゃんの事バカにした人達だよ!?制裁受けて当然でしょ!」
「もう、瑞希…」
この女の子は北御瑞希。私の心友。幼稚園の頃からずっと一緒で、小学校になってから先端恐怖症になった私を守るためにとよく分からないが空手教室に通い、去年に黒帯を貰ったらしい。ボブの茶髪がフワフワと動くのは可愛い所だ。見た目だけ見てれば超乙女って感じなのに、格闘家。
「はぁ…めんどい」
「無視しちゃえば?風ちゃんが虐められたら私が制裁を加えるし…」
「…瑞希。」
「ぶー!間違った事は言ってないしっ!」
「ま、いいよ行くし。」
「え、じゃあ私も…」
「瑞希は保健委員があるでしょ」
「え??…あー!今日専門委員会!」
「じゃ、そゆことだよ。」
「チッ…」
「こら、女の子でしょーが」
「はぁーい」
別に瑞希が舌打ちをするのはよくある事だ。その時はかなぁり悪い顔をしているが、私はその瑞希も可愛いから好き。ま、やめては欲しいんだけどね?
「そういえば京君に話しかけられてたけど、どうなの?」
「あぁ、あいつ?…大っ嫌い。」




