2/4
プロローグーβ
僕はなんとなくこの中学へと入学した。ほんとうになんとなくで意味はほぼ無い。いや、父の母校がここという意味ならあるのだが。ちなみに僕の父は世界レベルともいえるすごさのトロンボーン奏者である。そんなトッププレイヤーが家族にいるのだが、お金はほとんど回ってこない。というのも母が慈悲深く、かなりの量を寄付してしまっているためである。さらに、僕と少し歳が離れている姉と二人で別の家となったことでさらにめんどくさくなった。姉は姉で楽器は使わないし、その結果僕に回ってきたのだが、いんかせんトロンボーンは地味でいやなので、父を無理やり納得させトランペット奏者になった。どうやら父の才能があったらしく、僕はなぜかよく褒められた。なぜかは分からない。ところで僕はなぜこんな学校に入ったかというと、理由がないのも立派な理由なのだが、それ以外にも、できるだけ小さい学校に入りたかったからだ。僕はそんな小さい市立の学校に入り、その一般生活に慣れていきたいと思ったからだ。僕がそんなことを考えているうちに入学式が始まっていた。




