34 リアの病気
パレアとナヴィとも合流した。
パレアは魔法の基本を思い出してきたようで、一階位の魔法を自由に使いこなせるようになっていた。
ナヴィは弓を使えるようになっていた。売るつもりだったフレイムアローを一つ渡しておいてもいいだろう。
「魔法の武器?」
本来奴隷にぽんと渡すような安いものではないと、ナヴィは驚いていた。まあ貸すだけだからと言うと納得したようだが。
王都とムナールへの旅は三人とも連れて行きたい。自分の身を守れる程度には強くなってほしい。
いずれは俺の使えない魔法や、俺が魔法を使うまで敵を食い止めること、薬の調合など分担して効率よく旅ができることが理想。
それはともかく、今はリアの身体の異常を取り除くことが先だな。
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屋敷に戻り、俺たちはまたもとの日常へと帰ってきた。
この俺、バロウズ・ヒースは家への思い入れは皆無とはいえ、それでも家族が反逆者だとは思いたくない。
単純に心を読んでみたが、常に心に裏切りのことを思い浮かべてはいないだろう。特に何も分からなかった。
直接聞いてみれば分かるのかもしれないが、反応が予想できない以上簡単に決断すべきことではない。
やはりサルナス家の方を調べてみてから判断した方がいいだろう。
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爺ちゃんの家に初めてリアを連れてきた。
「て、天使さま?」
輝くような錯覚を起こすディナのオーラにリアは圧倒されていた。
とくに呼んでもないのに来ていたジルバードは天使と呼ばれてまんざらでもなさそうなディナを見てカラカラと笑っている。
「私はディナ、よろしくリア」
「はい!」
「私はジルバード、別に何もすることはないけど遊びに来た」
「うん、よろしくジルバードさん」
「なんか私には普通だな」
顔は美しく野性的な青年と鷹のくちばし両方の特徴を兼ね備え、足には恐ろしいカギ爪が生えている。背中には4枚の翼があり、どうみても異形だ。
「結構恐ろしい外見してるんだけどね」
「でも、ジルバードさんかっこいいもん」
「おっ、分かってるではないか」
いつから存在していたのかも分からない、この古代の魔神は無邪気に笑った。
「さて、ディナ、この美について理解しているお嬢ちゃんを頼むぞ」
「せめて外で果物ジュースでも作っておいてください」
「必要なのか?」
「私の予想が正しければ必要になります。外れていたら休憩の時に喉を潤せます」
「なるほど、いいだろう」
ジルバードはちらりとリアを見ると素直に外へ出て行った。
「魔神がジュース作りに行ったよ」
「くっくっくっ……」
爺ちゃんはこらえ切れないという様子で笑っている。
ジルバードにああいう一面があったのか。
「じゃあ服を脱いで」
「え?」
リアは驚いたような声を出した。
「君の身体を診るんだ。その服は病んでいない」
「そ、そうだけど……」
ディナは中性的な顔立ちをしているが、筋肉質の美丈夫な男だ。
妖精にとって性別がどれほど意味があるのかは知らないが。
「バズさん……」
ちらりとリアは俺を見た。
「あ、悪い、俺も外に出てるよ」
ここからはディナと爺ちゃんに任せよう。
「ち、違うの! バスさんにもいて欲しくて……」
「ええ!?」
「そりゃそうじゃろバズ。嬢ちゃんにとってワシらは初対面。そんなところに裸で放置されたら不安じゃろうが」
「そうなのか?」
こくりとリアは頷いた。
「……分かった、一緒にいるよ」
安心させるように微笑むと、リアは顔を赤くしながら小さく、
「ありがとう」
と言った。




