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詩集 手をつないだら

こころの花束

作者: 小日向冬子

眠れぬままの冷たい夜明け

いつもの時間に鳴った目覚まし

重い足取りでコーヒーを淹れる


流しっぱなしの情報番組

分刻みのスピードに乗って繰り返す

「いってらっしゃい」


午前8時40分

最後のドアが閉まったら


もう

泣いてもいいよね?



強くなれてるつもりでいたんだ


だから

ずっと思ってた

柔らかでそんなにも傷つきやすい

君の心を支えたいだなんて


でも

そんなのは

とんでもない勘違い


壊れてしまいそうだったのは

守られていたのは

いつだって僕のほう



気がつくと

遠くに見える君の横顔は

僕が思っていたよりも

もっと

ずっと

しなやかに逞しくて


ねえ

僕の知らないところで

君はどれほどの痛みを

しっかりと抱きとめながら

生きてきたの



なのにごめん


君のいない日常の

寂しさに溺れて

今にも膝を抱えこみそうだった


そんな情けない僕だけど

約束するよ

この涙が乾いたら

必ず前を向くと


凍える寒さを堪えてなお

まっすぐ微笑む君に

恥じることのないように



そして言わせて

もう一度


ありがとう

僕の心に

咲いていてくれて

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