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万能回復"薬"に転生しました!? ~ どうしても飲んでもらえないのでこの子(たち)と生きていきます ~  作者: こみやし
07.新婚生活編

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07-71.似た者同士


「なんで……なんでよ……」



「諦めろ。お前は負けたのだ」


 もはや禄に動くことも出来まい。そんな心では。



「どうしてよぉ……銀花ぁ……」


「ゆーちゃんだってそうした筈だ。私の力が足りなければ自分が守ると言い張った筈だ」


「そんなの……」


「諦めろ。お前は負けたのだ」


 繰り返す。何度でも。



「諦めろ。お前は負けたのだ」


「いい……かげん……に!」


「諦めろ。お前は負けたのだ」


「しつっ……こいっ!! ぐっ!」



「諦めろ。お前は負けたのだ」


 立て。ゆーちゃん。



「このぉっ!!」


「諦めろ。お前は負けたのだ」


 諦めるな。ゆーちゃん。



「がはっ!」


「諦めろ。お前は負けたのだ」


 心を燃やせ。ゆーちゃん。



「ぁぁぁああああ!!」


「諦めろ。お前は負けたのだ」


 もう少しだ。ゆーちゃん。



「こんのぉ!!!!!」


「諦めろ。お前は負けたのだ」


 あと少し。手を伸ばせ。ゆーちゃん。



「銀花ぁぁぁぁああああ!!!」


「そうだ!」


 私を殴れ! コルピスはここだ!! 引きずり出せ!!!



「……コル……ピス」


 私の腕が獣の腕に変化した。



「がはっ!?」


 ゆーちゃんが吹き飛ばされた。獣の腕に薙ぎ払われて。



「ユウコ!?」


 ゆーちゃんの身体から飛び出したサクヤが、壁にぶつかる寸前のゆーちゃんを受け止めた。



「コルピス!!」


 サクヤが憎しみすら籠もった眼差しを向けてきた。



「どうしてよ!? どうしてそこまでするのよ!!」


 サクヤからすればわけがわからないだろう。


 正直私も、今の一撃は想定外だった。私ですらコルピスの悲しみを理解しきれていなかったのかもしれない。



『いらない~』


 ……そうか。



「すまんな、サクヤ。ここまでゆーちゃんのためによく尽くしてくれた。残念ながらコルピスは戻らぬそうだ。悪いが諦めておくれ。代わりにサクヤがゆーちゃんを守っておくれ」


「っ!! 今だけよ!! 今だけ預けておくわ!! 絶対に私が取り戻してみせるから!!!」


「うむ。期待しておるよ。ゆーちゃんを導いておくれ」


「……どうして……そっか。そういう」


 あれ? オトヒメ今なんかした?


『うふふぅ~♪』



「わかったわ! 銀花! ユウコは私に任せなさい!! この甘ったれを鍛え直してやるわ!!」


 洗脳しちゃったの?


『御主人様の思惑を全て伝えただけですぅ~♪』


 話せばわかる子だったのね。


『とっても良い子ですぅ~♪』


 そうだね。私の大切なゆーちゃんを任せられそうだね。


『む~……』


 いいんだよ、コルピス。今更だもんね。いくら強くなるためだからって一年も放っておかれたんだもんね。挙げ句、付けた力がこの程度。全く本気になれていなかったんだもの。


 そんなの怒るに決まってるよね。わかるよ。コルピス。お前は何も悪くない。ごめんね。私の半身が半端者で。お前の心を弄んでいたのはゆーちゃんの方だよ。だからいいんだ。何も気にしないで。私が守るから。私も次は本気で戦うよ。


 今度こそ約束を守るよ。コルピスをゆーちゃんに渡したりなんてしないから。そうしてもいいだなんて思わないから。もう二度と。約束は破らないから。ごめんね。コルピス。


『うん~……えへへ~♪』



 ゆーちゃん。目覚めたらまた戦おう。私も本気で叩き潰してあげる。何度だって。チャンスなんて二度と与えない。それでも向かってきておくれ。コルピスを諦めないでおくれ。私に譲るつもりはないけれど、それでも……願っているよ。




----------------------




「がっ!」


「もうやめろ!! マスターは!!」


「じゃま」

「するな」


「くっ!」


 まるで相手にならない。ユーシャもカグヤも。



「エリクの」

「なにを」

「みてきたの?」


「ひっ!?」


 前回の方がまだマシだった。



「やだ……もうやだぁ……」


 遂には泣き言しか吐かなくなった。どれだけ蹴飛ばしても向かってくる気が起きないようだ。



「ひっぐ……エリク……助けてよぉ……エリクぅ……」


「マスター!」


 蹲るユーシャにカグヤが飛びついた。


 身体をクラゲに変化させてユーシャを覆い隠した。



「もういいよ」

「あきた」


 エリクのところに帰ろう。ケジメはこれで十分だろう。


 ユーシャは二度と私を求めようとなんてしないはずだ。



「終わったのか?」


 エリクの方から現れた。コルピスの方も決着がついたようだ。



「いいのか?」


「うん」

「もういい」


 エリクの下で楽しく暮らそう。ユーシャの事は忘れよう。



「クルス。私はユーシャを見限りはせんぞ?」


 わかってるよ。そんなこと。



「いいよ」

「め」

「つむってる」


「私は今すぐユーシャを慰めるぞ?」


「それは」

「あますぎ」


「すまんな。どうしても変われぬのだ」


「ならやる」

「クルスが」


「ユーシャを慰めるのか? お前が?」


「うん」

「いぞん」

「させる」


「エリク」

「クルスの」


「だから」

「しつける」


「上手くいくとは思えんぞ?」


 わかってる。ユーシャは我が強いから。


 ずっと怯えっぱなしでなんている筈がない。


 反骨精神だけはいっちょ前だから。


 けれど。



「とくい」

「そういうの」


 何せ私はフィリアスだから。心に住み着く魔物だから。



「わかった。お前に任せよう。私の足りないところを補っておくれ。私のユーシャをお前に任せよう」


「がってん」


 そもそも前からそういう関係だったもんね。それがフィリアス化の条件だったんだから。



「エリク」

「カグヤ」

「あずかって」


 邪魔だから。



「何故我が!」


 元気なクラゲだ。ちょっとユーシャに染まったね。前はもっと淡白だったのに。



「あんしん」

「して」


「ユーシャ」

「クルスの」

「ママ」


「たいせつ」

「する」


 これはこれで本音だよ。たぶんね。



「しかし!」


 うるさいなぁ。



「クルス」


「なあに?」

「エリク」


「カグヤにも見本を見せてやれ」


「……」

「がってん」


 エリクは意地悪だ。



「頼んだぞ」


 似たもの親子だ。皆も。私も。

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