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万能回復"薬"に転生しました!? ~ どうしても飲んでもらえないのでこの子(たち)と生きていきます ~  作者: こみやし
07.新婚生活編

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07-67.月夜の約束




「今日は何をして過ごそうか」


 ダンジョンに籠もってから早数ヶ月。ユーシャたちはまだ来ていない。



『かくれんぼ~♪』


『やだ』

『あきた』


「そうねぇ~……」


 流石にね……。コルピスには悪いけど……。




「御主人様ぁ~♪」


「一日中ベッドは無しだ。オトヒメ」


「ご奉仕しますぅ~!」


「ダメったらダメ」


 もう。すっかりハマっちゃって。人数いると誰かしら一人は依存症に陥るよね。困ったものだ。



『まぁすた~♪』


「お♪ 案があるのだな♪」


 アウルムなら期待出来そうだ♪



『ベッド♪ マッサージ♪』


 アウルムがパティの身体から飛び出し、巨大化して私たちを頭上に乗せた。更には何本もの触手が伸びてきて、私たちの身体を揉みしだき始めた。


 あ~……気持ちいい……。


 じゃなくて。



「アウルム。違うのだ。そういうことではないのだ」


『えんりょしない~♪』


 いや、そうじゃなくて。



「パティ。アウルムを止めてくれ」


「いいじゃ……ない。あっ……。くっ……。ひぁっ!?」


 おいこら!



「御主人様ぁ~♪」


 あかん。もうすっかり発情してる。



「エリク」

「ほしい」


 待てクルス! 血なら後でやる! 今は待て!



「えへへ~♪」


 コルピスまで出てきちゃったの!?


 ちょっ!? アウルム!? 何故拘束を!?



「まぁすたぁ~♪」


 アウルムがもう一人!? お前はこっちでいいのか!? パティは触手に相手をさせるのか!? あとで拗ねるぞ!?



「「「「うふふ~♪」」」」


 あ~あ。またこれかぁ。




----------------------




「なあ、パティ」


「よくないわね。たしかに」


 そうだろう? もっと早く気付いてほしかったものだ。散々楽しんだ後でなく。



「「「「すぅ~……zzz」」」」


 フィリアスたちが仲良く抱き合って眠っている。私とパティは四人をその場に残し、二人でベッドを抜け出した。




----------------------




「……」


「……なあ」


「なに?」


「少し飲まないか」


「いいわよ。もちろん」


 二人で大木の枝に腰掛け、月を眺めながら酒を酌み交わした。



「……綺麗ね」


「そうだな」


 当たり前のように月があるよな。この空間。



「宇宙に出たことがあったのよね?」


「ああ。いや。結局調査は中途半端だったな」


「今から上がってみるのはどうかしら? この空島ってどの程度飛べるのかしら?」


「万全の準備を整えてからにすべきだな。下手をすれば戻ってこれなくなるぞ」


「まあ。それは怖いわね」


 そうだろうさ。



「ユーシャとユウコね。毎日頑張ってるのよ」


「そうなのか。随分時間が掛かったな」


「ええ。そうね。けれど大丈夫。きっとまた迎えに来るわ」


「ならばあまり遠くに行くわけにはいかんな」


「そうね。ふふ」


「今襲われたらマズいかもしらんな」


「あら♪ オトヒメがいないと勝つ自信がないのかしら♪」


「無論だ。私一人の実力なんぞユーシャにすら及ばんよ」


 今となってはな。



「相性の問題よ。決してエリクが弱いわけではないわ」


「そうだな」


「ユーシャはきっと強くなるわ」


「ゆーちゃんもだ」


「神の力をつかいこなしてくるでしょうね」


「カグヤはともかくサクヤはどうなんだ? そもそもフィリアスに至っているのか?」


「ユウコにだって出来る筈よ」


 ならば用心せねばな。



「皆に会いたいわ」


「戻ってもよいのだぞ」


「戻れないわ」


「ああ」


「外に出たらやりたいこと。エリクはどうなの?」


「家族に会う以外にか?」


「ええ。出来れば他のものを聞いてみたいわね」


「そうだなぁ……いくつかあるぞ」


「それは?」


「先ずは母さんに色々聞きたいな」


「コルピスの正体とか?」


「そうだな。そこはあまり気にしていないかもしれん」


「そう」


「うむ」


「……他には?」


「アニムスさんを解放してやりたいな」


「今のエリクになら出来るかもしれないわね」


「うむ。神の力を意識的に使えば母さんのように側で過ごすことも出来る筈だ」


「ずっと気になっていたことがあるの」


「なんだ?」


「アニムスさんとアニタって似てない?」


「……そうだな。たしかに」


 もちろん名前の話じゃない。顔でもない。雰囲気だ。


 アニタの肉体は幾度も転生を重ねたせいで、以前とは別物なのかもしれない。本当は顔も似ていたのかもしれない。


 本人たちは何も口にはしなかったけれど。



「踏み込んでみる?」


「うむ。全てに決着をつけるとしよう」


 アニタは何かヒントを握っているかもしれんからな。



「やることいっぱいね♪」


「退屈する暇も無いだろうな」


「今とは大違いだわ」


「しかし休暇も終わりに近づいていると思えば寂しさも湧いてくるものだな」


「そうね。こんな有り様なのにね。ふふ♪ おかし♪」


「怒りなんてそう長くは続かんもんさ」


「これもユーシャたちの作戦かしら?」


「ならば失敗だったと言わざるをえんな」


「本当に返さないつもり?」


「無論だ。あの三人は私のものだ」


「……アウルムも側に置いてあげて」


「本気か?」


「預かっておいて。私にフィリアスは早かったの」


「一人で旅に出ると言っておったな」


「ええ。アウルムは置いていくわ。けど必ず帰って来る。あの子のパートナーとして相応しくなって」


「そうか。その言葉、忘れるなよ。返してもらうではなく、私から奪うつもりでかかってくるがいい」


「ふふ♪ その時は魔王城攻略ね♪」


「うむ。七天魔神総出で相手をさせよう」


「レティも加わったのよね?」


「そうだぞ。キトリが師匠だ。パティが戻る頃にはさぞかし強くなっていることだろうな」


「ふふ♪ 楽しみだわ♪」


「勇者パーティにでも混ざってみるのはどうだ? ベルトランが約束を守ったのなら、いずれやつの子が挑んでくるだろうさ。経歴不詳の大魔導士として若人を導くのも悪くはあるまい」


「それもいいわね♪」


「計画を練ろう。楽しくなってきた」


「ええ♪ 壮大な英雄譚を編みましょう♪」

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