07-03.関係の変化
お猿さん達は水中生活に適応し、エロ河童へと進化した。
そんな二人を誘い出す為、パティ渾身の試作飛行機は水上バイクへと姿を変えていた。これはこれで必要だからと笑って開発を続けるパティ。私とゆーちゃんはそんなパティの姿に増々ゾッコンだ。惚れ直すとはまさにこの事か。
「ちょっと二人とも。少し見すぎじゃないかしら♪」
「はぁ~。ほ~んと綺麗になったわよね~。もちろん初めて出会った頃からパティは美少女だったけど」
そうだな。思わず感嘆の溜息も漏れるというものだ。
「そろそろ止めてしまおうか。しかしまだ先があるやもしれぬのだよなぁ」
「見ないのは勿体ないわよねぇ」
「もう。ふふ♪ ありがとう、二人とも♪」
パティも二十歳か。レティと並んだな。今でさえレティにだって引けを取らない美しさなのだ。結局胸は成長しなかったが、むしろ私としてはそこが良い。
「見てるのわかるわよ」
「私はいつだってパティを見ているとも。釘付けだ」
「ユーシャを越えられたかしら?」
「そうだな。ユーシャはディアナに夢中で全然相手をしてくれんからな」
「ちょっと。そこは素直に私が一番魅力的だって言いなさいよ」
「パティがいちば」
『エリク』
「……」
「なんで途中で止めるのよ」
「すまない。邪魔が入った」
「魂を掌握されているのは厄介ね」
「うむ……」
ユーシャったら自分からは近づいてこないくせに独占欲だけは拗らせているからなぁ。猫か何かなの?
「いつになったら銀花はコツを掴むのよ」
「そう言うならゆーちゃんが教えてよ」
「散々教えたじゃない。そんなんじゃいつまでたっても呪縛から逃れられないわよ」
そうなんだよ。今となっては完全に支配下に置かれてるんだよなぁ。どうしてこうなった。
「三人は一つの魂を共有しているのよね?」
「うむ。三重人格で三つの身体を持っているだけの一人の人間みたいなものだ」
もはや私からユーシャを操る事は叶わぬがな。完全に上下関係が逆転しちゃってるし。
「私も混ざれないかしら?」
「やめておきなさい。そんな事をしてもユーシャには勝てないわ。元々ユーシャはそういう風に作られているのよ」
そうだな。私を飲み干して完全に支配下に置く事が前提で生み出されているのだものな。そうして母さんの願いを叶える手駒になる筈だったのだ。
母さんが改心したからその道は無くなったけど、機能はそのままだ。中央世界の強靭な魂を支配下に置くための容れ物だ。この世界で生まれ育ったパティが敵う筈もないだろう。
「ユウコはどうしているの?」
「私は出来が違うのよ♪」
機能面でメタを張られているからって必ずしも太刀打ち出来ないとは限らない。それもまた真実だ。ゆーちゃんは何か対抗手段を編み出したのだ。私にも教えてくれたけどさっぱり理解できなかった。
「まあ銀花の場合は私以上に難しいでしょうけどね。ユーシャの執着が段違いだから。ぶっちゃけユーシャって私の事はどうでもいいのよね」
「そんな事ないわよ。十分仲良くやってるじゃない」
「たまに味変したくなるだけでしょ」
「ユウコこそユーシャの事を避けてはいないかしら?」
「そんなつもりはないわ。娘として可愛がってるわよ」
「だからよ。ユウコはユーシャをパートナーとして見れていないんじゃない。ユーシャって結構単純よ? 好き好き言ってれば心を開いてくれるわ。どれだけ慣れたって根っからの人見知りが抜けきれていないのよ。ユウコの側から距離を作ってしまえばユーシャも同じだけ距離を空けてしまうわ」
まあそうね。単純で臆病。それがユーシャの本質だ。
『エリク』
帰っておいで、ユーシャ。今日は温かいシチューを作ってあげよう。
『お腹空いてない』
そうだな。今のお前に食事は必要ないのかもしれんな。けれどダメだぞ。人間らしい生活を忘れるのは。しかもディアナまで付き合わせて。いくらエリクサーが万能のエネルギー源でもあるからってそれだけで生きていくのは不自然だ。薬漬けになったところでディアナは人間だ。横着も程々にしておくれ。
『お説教なんて聞きたくない』
……そうか。
『でも帰る。今日だけ』
うむ。そうかそうか。
『シチュー食べる』
そうかそうか♪ キュウリもいるか?
『バカ』




