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06-68.新たな器

「えっとつまり? ゆーちゃんは神様になっちゃったの?」


「そうね~。親族って~。テミスちゃんそう言ったから~」


 えぇぇぇ……。



「他人事じゃないわよ? 銀花も変わってるからね?」


 うっそぉん……。



「ごめんね~。私の罰を代わりに受けさせちゃって~……」


「気にする必要はないわ、お母さん。どのみちいずれは必要な事だったんですもの。これで私もいくらか気が楽になったってものよ♪」


 嘘だ……。ゆーちゃん本当は……。



「銀花」


「ごめん」


 何も言わないよ。



「良い子ね」


「ゆーちゃんこそ」


 だから思わないで。親不孝だなんて。



「……それより現状確認よ」


 ……そうだね。私達、神様になっちゃったんだよね。



「正確には~まだ半神ってところね~」


 あらそうなんだ。



「けれどお陰で助かったわね。中央世界との接続が途切れるって事は無限の魔力も無くなっちゃうわけだし」


 そりゃそうだ。そもそも目的はそっちなわけだし。



「テミス叔母様は意図的に力を授けてくださったのね」


 どうやらそうらしい。マグナ姉さんの事まで探してくれるって話だし、至れり尽くせりだ。罪を償うべき立場の我々がこんなにも受け取ってしまって本当に良かったのだろうか。



「テミスちゃんは~♪ 優しいから~♪」


 次こそは歓待させて頂きたいものだ。



「半神となった二人は近い内に我々を超えるでしょう」


 ルベドを? なんだか不思議な感じがするね。スライム化を使えばワンチャンあるかなとは思っていたけど、そもそものスペックが上回る事は想定していなかったよ。



「いずれ薬瓶には収まらなくなります。対策が必要です」


 あらら。それも想定してなかった。ついに私は万能回復薬から完全に生まれ変わってしまうのだな。



「心配要らないわ~。ユーシャちゃんが飲めば解決よ~♪」


 あ、そっか。元々ユーシャは私の器として生み出されたのか。



「エリクの魂はどうなるの?」


「私の心配もしてほしいわ」


 まあまあ。ゆーちゃんこそ大丈夫でしょ。母さんに作ってもらった新しい肉体だってあるんだし。



「嫌よ。私は銀花とずっと一緒にいるんだもの。今更離れたりなんてしないわよ」


「もちろん私だって嫌だよ。別に離れるって決まったわけでもないでしょ」


「心配要らないわ~♪ 三人が混ざるだけよ~♪」


「なら決まり」


 ユーシャは躊躇う事なく薬瓶を取り出して飲み干した。



「ちょっ!? もう少し考えなさいよ!?」


 私も驚いたよ……。



「大丈夫か? おかしなところはないか?」


「うん。問題無い。……ふふ♪」


 嬉しそうに笑っちゃってまぁ。実はずっと飲んでみたかったの?



「これでエリクと……」


「ユーシャ?」


「あ……ぐっ……」


 なんだ!? いったい何が!?



「ユーシャ!? ユーシャ!?」


「大丈夫よ~。ユーシャちゃんの器が成長しているのよ~」


 大丈夫ったって!! こんなに苦しそうにしてるのに!?



「……ぐふ」


「ユーシャ!!!」


「ふっ」


 ユー……シャ?



「ふっ……くくく、はは。あっはっはっはっはっは!!!」


 え……なに……。



「凄い!! 凄いよ! エリク!!! エリクと繋がってるの! エリクと一つになったの!! 凄い!! 凄い凄い凄い! これが私! 本当の私なの!! あははははは!!」


 なにがどうなって……。



「くっ……ちょっとは抑えなさい……」


 今度はゆーちゃんが苦しそうに!?



「……なんで銀花は平気な顔してるのよ」


「それより! ユーシャとゆーちゃんはどうなったの!?」


「……大丈夫よ。ただの騒音被害だから」


 え? 騒音?



「同居人が大音量でドラムを叩き始めただけ。ただそれだけよ……ああもう! うっさい! 落ち着け! ユーシャ!」


 ゆーちゃんがブチギレた。



「邪魔しないで!! 今最っ高に良い気分なんだから!!」


「わかってるわよ! けど加減を覚えなさい!! でないと銀花だって苦しむわよ!」


「苦しんでないもん!! エリクは喜んでくれてるもん!」


「戸惑ってるだけじゃない! あと鈍いだけよ! それも今だけだって言ってんのよ! そんなに感情を叩きつけたらいつ目覚めるかわかんないでしょうが!!」


「なら目覚めさせなきゃ! 伝えなきゃ!!」


「やめなさい! 力尽くでやるこっちゃないでしょうが!」


「ユーコも手伝って! こじ開けるよ!」


「話を!! 聞けぇーーーー!!!!」

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