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06-66.発覚

「まずい事になったわ。お母さんのやらかしがバレたの」


 突然戻ってきたゆーちゃんがそんな事を言い出した。



「バレたとは? まさか中央世界の神々にか?」


「そのまさかよ。伝令が来たの。近々査察に訪れるわ」


 あら。意外と穏便なのね。問答無用で罰が下るわけじゃないのか。



「下せないのよ。今回問題になったのは例のシステムよ。制作者であるお母さんにしかあれは扱えないの。完全に停止させるにはお母さんの協力が不可欠よ」


「えっと、たしかカリュクスだったっけ?」


「それは通信制御プログラムの名前ね。システム全体としては別の名前があるわ」


「詳しいね」


「いえ、今は名前なんてどうでもいいのよ」


「焦ってるね。そもそもなんで今更になって追求が?」


「どうやらお母さんの実験体が問題を起こしたみたいなの。それが切っ掛けで調査が入ったみたい」


 なるほど。それで母さんが今も利用しているとバレたわけか。



「その実験体とやらは?」


「昔お母さんが中央世界で手を加えた人物よ。何の因果かこの世界とは別の世界に転生したそうよ。アクセス権限を付与されたままの状態でね。お母さんがいなかったからチェックが漏れたみたい。中央世界の神々も杜撰な事をしてくれるわよね。そのお陰で気付かれるのが遅れた部分もあるけどね」


 母さんが追放される原因になった事件の被害者か。その内の一人がつい最近まで見落とされていたと。異世界に転移した事で力の使い方に気付いたのかな?



「どうかしらね。これ以上の詳しい経緯は不明よ。カリュクスが伝えてくれた情報は断片的だから」


 なるほど。今までその解析を続けていたわけか。それで姿を見かけなかったんだね。ならフーちゃんも一緒か。私達の知らない所で随分と大事になっていたものだ。



「そんな状況で使っちゃって大丈夫なの?」


「仕方ないじゃない。先ずは状況を確認しないと対策も打てないわ。いきなりお母さんが連れ去られちゃったら困るでしょ。折角これから反省してやり直そうとしてる所なんだから。神々も狭量よね。今更になって問題視するなんて」


 いや、それを言っちゃダメでしょ。追放刑は非合法の実験に対する刑罰だ。横領はまた別の罪だ。それはそれで償わなければならないものだ。私達に出来るのは反省を示して極刑を回避する事だけだ。下手に調べたりせず大人しく査察役を待つべきではなかろうか。



「甘すぎるわ。お母さんは前科持ちよ。追放刑以上の刑罰なんてそれこそ何をされるかわかったものじゃないわ」


「今回のこれはそこまでの事なの?」


「わかんないわよ。だから調べてるんじゃない」


 まあ不安になる気持ちはわかるけども。



「銀花も行くわよ。悪いけど遊びはそこまでにしてちょうだい」


 あらら。変装ゲームも中々盛り上がっていたのだが。こればかりは仕方がない。そんなこと言ってる場合じゃないし。



「私も行く。ママが困ってるなら私も力になる」


「ええ。そうね。ユーシャと、それからシュテルも。悪いけど付き合ってもらうわよ」


「あい!」


「ロロ。すまないが後は頼む」


「ハイ♪ 任セテクダサ~イ♪」


「いってらっしゃい。義姉さん。少しの間でも一緒に過ごせて楽しかったです」


「うむ。私もだ。また戻ってきたら続きをやろう」


「約束です」


 そうだな。約束だ。



 私(inネル姉さん)、ユーシャ、シュテルはゆーちゃんに連れられて空に上った。既に他の姉妹達も揃っている。キトリもレティと別れてこちらに上がってきたようだ。



「あ~♪ ギンカちゃん達も~♪ 来てくれたんだ~♪」


 母さんは相変わらず呑気だ。それに薄着だ。そして床がめっちゃ散らかっている。ネル姉さんがすぐに整理を始めた。どうやらルベドとニタス姉さんにも整理整頓の習慣は無いらしい。別に今が緊急事態だからというわけでもなく、普段からこの散らかりようっぽい。もう少し定期的に様子を見なきゃダメだな、これは。



「母さん。早速だがわかっている事を教えてくれるか?」


「えっとね~」


 ゆーちゃんの話してくれた以上の事は母さんも知らないようだ。困ったものだな。私達に出来る事はあるのだろうか。



「テミスちゃん来てくれるかなぁ~?」


「テミスちゃん?」


「叔母さんだぜ♪」


 フーちゃんの叔母? えっと、つまり母さんの姉妹神?



「……正確には従叔母です。主様の従姉妹にあたる神です」


 ネル姉さん、もしかしてカリュクス使ってる?



「……なるほど。テミス叔母様が主様を庇ってくださったのですね」


「うむ。そういう事らしい」


 ニタス姉さんは直接会った事がないのだな。



「テミスちゃんはとっても偉いんだぜ♪」


「法の神ね。手を貸してくれるのなら心強いわね」


 ゆーちゃんも知ってるっぽい。これは前世知識かな?



「けど良いのか? 親戚だからと二度も手を貸せば公平性が損なわれるのではないか?」


 法を司る神様なら尚の事だろう。というかそんな偉い人が力を貸してくれたのに追放刑って……。いや。そこはもう問うまい。わからんでもないし。母さんがやらかした事は一通り聞き出したもの。命があるだけでも温情だ。テミス叔母様には感謝しよう。そういう意味でも是非お会い出来ると良いのだが。流石にそうそうお越し頂けはせんよな。きっと忙しいのだろうし。



「そうは言っても有効な手立てよ。どうにかしてお越し頂く手段を考えましょう。それでお母さんが心を入れ替えた姿をお見せして安心してもらいましょう」


 ……そうだね。他に出来る事もなさそうだし。

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