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06-65.勝負の方法

「勝負の方法デェ~スカ」


 何か名案はあるかしら?


 ただ勝負で白黒を付けるだけではダメなのだ。互いの仲が深まるような何かが望ましい。



「簡単デェ~ス♪ ボールで遊ビマショ~ウ♪」


 まさか野球でもするのか? 芽生えるか? 恋心だぞ?



「心配は要リマセ~ン♪ 間違イナク仲良クナレマ~ス♪」


 なんで胸寄せるの? まさか下ネタ? ボールってそっちか? あかんやろ。直球すぎやろ。ただのセクハラやんけ。



「いや……やっぱりやめておこう。身体能力はどうしても私が優位だからな」


「ソレもソウデスネ~♪」


 あ、これは本当に球技だったっぽい。反応は至って真面目だ。ロロなりに真剣に考えてくれていたのだ。すんません。邪なのは私の心の方でした。



『そもそも四人が平等に競い合う事自体困難では?』


 まあそうね。そこに想いが関わるのなら尚の事だ。誰もユーシャに勝てる筈がない。私の視線はいつだってユーシャに釘付けだ。ユーシャがいない時ならともかく、側にいる状況で他の者に目移りする事だけは絶対にあり得ない。


『ユウコがいるじゃないですか』


 ……それでもほら。ユーシャは特別だから。


『ならばユーシャを外せば良いのでは?』


 それはそれでなぁ。なんか本人やる気みたいだし。


『そうやって甘い顔ばかりしているから問い詰められているのです。全てを投げ出して私についてこいと強く命じればいいのです。三人ともそれで納得する筈ですよ』


 わかってはいるんだけどさ……。ルシア本人からもそう言われたわけだし……。ユーシャもずっとそう言ってるし。エフィはチョロいし。



「お困リデスェ~ネ~」


「そうなのだ。慰めておくれ」


「フフフ♪ モチロンデェ~ス♪」


 ああ。ロロの素肌が心地良い……。なんで四六時中晒しているのにこの肌艶を維持できているのだろう。なんなら最近は増々若返っているようにすら感じる。


『おじさんっぽいですよ、ギンカ。それと理由は眷属だからです。何も不思議な事はありません。ギンカの力です』


 そりゃそうか……。この子は私が育てた……。



「それだ!」


 重要なのは成長なのだ!



「ナニカ思イ付キマ~シタネ~♪」


「うむ! 早速提案してみよう!」




----------------------




「変装ゲームですか?」


「うむ。一人が抜け、残った三人の中から更に一人を選び、残った二人はその者に化けるのだ。そして最初に抜けた一人が三人の中から本物を選び取る。それを何度か繰り返し、最終的に正答率の高い者が勝者だ」


「もちろん魔力視は禁止なんでしょ?」


「そうだ。細かい禁止事項はいくつかある。要は我々が相手をどれだけ知り尽くしているのかを競う遊びだ」


 他にも声なんかを封じてもよいだろうな。話し方は人の特徴としてわかりやすいものだ。例え姉さんの術で声まで全く同じものに変えてしまったとしても、細かなイントネーションで違和感を抱く可能性は高い筈だ。



「私は必ずユーシャを当てるだろう。逆にユーシャも私の事だけは当ててみせる筈だ。そしてルシアはエフィをエフィはルシアをそれぞれ見抜く事が出来るだろう」


 特定の相手を当てられようとも不平等にはならない。票数は同じだからな。相手コンビをいかに早く見極められるようになるかが勝負の鍵だ。



「まあ勝負とは言ったが、最終的に全員が全員を当てる事が出来れば望ましい。最初は勝敗と別に何度か繰り返して相手の事を深く知っていくのだ。同時に問題の難易度も上がっていく。当然他の者達も特徴を把握していくのだからな。化ける側の精度も上がっていくだろう」


 だからこそ、これは想いの強さの証明にもなりえる筈だ。私はエフィとルシアへの関心をより高めるだろう。二人が私の家族になると言うならユーシャの事も知ってもらいたい。そんな目的も含まれている。



「面白そう!」


「ソレナラ私とエイヴァも参加シマ~ス♪」


 え? マジ? 人数増えると難易度跳ね上がるよ?



「「やる!」」


 シュテルとキャロちゃんまで!? というかいつからいたの!? さっきまでこの場に居なかったじゃん! さては転移で直接乗り込んできたな!?


『なんなら小型転移門で盗み聞きしてましたよ』


 将来有望!? あかんでしょ!



「八人は流石に無謀だと思うのだが……」


 ただ難易度が上がるだけでなく、全員を理解するのに時間がかかりすぎてしまう。今日中に成果を得るのは難しいかもしれん。



「別に焦る事はないよ。定期的にやってみようよ。ゲーム外の時間だって相手を知る事には使えるんだしさ。むしろそうやって普段から細かな部分に目を向けるようになる事こそがこのゲームの目的でしょ?」


 あら。流石はルシアだ。早くも私の目論見を正確に理解してくれている。



「あんまり長引かせたくはないけど。まあいいよ。そういう話なら私も賛成してあげる。けどこれ以上増やさないでね。私そういう遊び苦手だから」


 ユーシャももう少し頑張って。なんでもかんでも開き直れば良いってわけじゃないのだぞ。



「賭けはもうよいのですか?」


「まあ、うむ。そうだな。ならば一度でも全員を当てた者には私が褒美を出そう。私に可能な範囲で望みを叶えるとも」


「眷属に加えてくれるのですね?」


「う、うむ。そういう事だ」


 やけにグイグイくるな……エフィは……。



「まどろっこしいなぁ。それが目的ならとっとと眷属にしちゃえばいいじゃん。遊びは遊びでやってあげるからさ」


「まあそう言うな、ユーシャ。これは儀式みたいなものだ」


「言い訳の間違いでしょ。別にいいけどさ」


 さてはあまり自分向きでないゲームだから拗ねてるな? ダメだぞユーシャ。そういう所は直していかねばな。これがユーシャの成長にも繋がる事を祈るばかりだ。人の振り見て我が振り直せってやつだな。

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