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万能回復"薬"に転生しました!? ~ どうしても飲んでもらえないのでこの子(達)と生きていきます ~  作者: こみやし
06.王都編・最終章

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06-27.横槍

「ディアナったらいったいどういうつもりかしら。突然あんな事を言い出すなんて」


「ディアナは割と素っ頓狂な事言うでしょ。生粋の箱入りだからその辺ズレてるんだよ」


「ユーシャって普通に口悪いわよね」


「エリクに育てられたからね♪」


「なんで誇らしげなのよ……」


 エリクとは後で話をしておかなきゃだわ。



「そんな事より作戦会議だよ。どうやってディアナを納得させるの? なんか今のディアナは私達とやりあう事自体を楽しんでるっぽいよ?」


「あら。ユーシャも気付いていたのね」


「そりゃわかるよ。恋人の事だもん」


 ふふ♪ ユーシャったら本当に変わったわね♪ 最初に出会った頃の引っ込み思案が嘘みたい♪



「そうよ。私達四人は特別な恋人なのだと誓い合った筈よ。そこに何人たりとも入る余地は存在しないのよ。例えそれがエリクの大切な幼馴染であるユウコさんであってもね」


「異議無し」


「結構」


「けど落とし所は必要だよね」


 たしかにそこは問題だ。



「そうね。当然私達だってユウコさんを遠ざけたいわけじゃない。ただ割り込んでほしくないだけだもの」


「それはそれ、これはこれだね」


「ええ。家族として、エリクを愛する仲間として。そういう形でなら尊重したいと思う」


 偉そうな事を言ってしまって申し訳ないとは思うけど。



「だからって諦めろって言うのも一方的だよね」


「勿論そこまでは言わないわ。順番を守ってもらえればそれで十分よ」


「それでも向こうからしたら何様のつもりだって思うよね」


「そうね。割り込んだのは私達の方って思うのが普通よね」


「けど」


「それはそれね」


「どんな形であれ決着はつけなくちゃね」


「立ち向かいもせずに譲る事だけは絶対に出来ないものね」


 結局これは意地の張り合いだ。エリクとユウコさんの境遇を考えれば仕方がないかとも思うけれど、それでも私達は負けたくない。エリクを取られたくないのだ。そういう意味ではディアナの言う通りなのだろう。けれど私とディアナは違う。私はカルモナドの姫だ。だから戦いから逃げる事だけは断じて出来ない。ユウコさんを強敵と認めたからこそだ。私も最後まで意地を張り続けよう。




「ディアナの提案も案外悪くはないのかも?」


 えぇ!? なんでここで裏切るのよ!?



「ちょっと。よりによってユーシャがそれを言うの?」


「私はエリクの全てを許すって決めたもん。私を一番に考えてくれる限りはだけど」


 そうね……。ユーシャはそういう子よね……。



「そんなのユウコさんが納得するわけないじゃない」


「試しに聞いてみよっか」


 マズい流れだ。



「私は構わないけど」


「「!?」」


「ふふ♪ 驚かせてしまったかしら♪」


 なんで出てくんのよ!?



「盗み聞きは感心しないわね」


「ユウコって暇なの?」


「刺々しいわ。お姉ちゃん悲しい。ヨヨヨ……」


 白々しいわ!



「今は大切な会議中よ」


「条件は?」


「ちょっとユーシャ」


「まあいいじゃん。手間は省けたし」


「まったく……」


 最悪よ……どうしてこうなるのよ……。



「ふふ♪ ユーシャは合理的ね♪」


「答えて」


「条件なんて無いわ。ただ貴方達は本当にそれでいいの? 私と銀花を同一人物として扱ってくれるなら私は自分こそが銀花の一番だと言い張るわよ?」


 だから嫌なのよ!! 私は!!



「ほんといい性格してるわ。盗み聞きしていた事といい」


「ふふ♪ そこで怒ったら台無しよ♪」


 くっ! 見透かしたような事を! けど我慢よ! 私! ここで感情的になれば思うツボよ! 最悪私対三人の構図に書き換えられてしまうわ!!



「パティって本当に可愛いわよね♪ 私あなたの事も大好きよ♪ 大っぴらに愛を囁いて良いって言うなら銀花と一人扱いしてもらって全然構わないわ♪」


 なんて意地の悪い!!



「ユウコ。一つ見落としてるんじゃない?」


 ユーシャ?



「見落とし? なんの事かしら?」


「ユウコがエリクの一部だって言うなら、ユウコの一番も私にするべきだよ。浮気は絶対認めない。他の皆は二番手。勿論自分自身もね。つまりエリクはユウコの二番になるの」


 意味がわからないわ!! なんでユーシャがひっくり返すのよ!? あなた勧めてたじゃない!!



「なるほど♪ たしかにユーシャの言う通りね♪ それは盲点だったわ♪」


「ならやめておく?」


「そうね。その条件では乗れないものね。ありがとう、ユーシャ♪ 危うく自分を見失う所だったわ♪」


「嘘つき。最初から乗るつもりなんて無かったくせに」


「あら? どうしてそう思うの?」


「ここに現れたから」


「ふふ♪ やるわねユーシャ♪」


「どういう意味よ?」


 どういう意味よ!?



「あら。パティが鈍いなんて珍しいわね♪」


「白々しすぎ。これ以上挑発しないで」


「あらあら♪ うふふ♪」


 私を誂いに来たの!? というか焚き付けに!? いったい何の為に!? まさか全面戦争でも望んでるの!?



「少し悪ふざけが過ぎたわね。安心なさい。まだ暫くは先の話よ。生憎準備が整っていないの。今のままじゃ他ならぬ銀花が納得してくれないわ」


「それを明かしてどうするの?」


「言うまでもなく皆が感じ取っている事でしょう?」


「私達を勝たせるつもり? エリクの背中を押してるの?」


「ふふ♪ そういう事を聞くのは野暮ってものよ♪」


「そんな筈ない。ユウコはそんなに甘くない」


「あらバレてしまったわね♪」


 結局どっちなのよ!?



「そろそろ御暇させてもらうわ。パティが限界みたいだし」


「程々にね。エリクは怒ると怖いよ」


「知ってるわ♪ けれどその忠告は聞き入れましょう」


「そう。ならよかった」


「それじゃあね♪ 二人とも♪」


 結局ユウコさんは何がしたかったのかしら……。振り回すだけ振り回して帰って行っちゃった……。

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