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05-26.コンビ結成

「最近ギンカが相手をしてくれません」


「姉さんが勝手に持ち場を離れたのではないか。それともなにか? ルベドに退けと言っているのか?」


「意地悪言わないでくださいよ! 気を遣ったんじゃないですかぁ!」


「姉さんは私の守護者なのだろう? ずっと側にいてくれるのではなかったのか?」


「!? まったく! 仕方ありませんね! そこまで一緒に居てほしいなら早く言ってくださいよ♪」


 ちょろい。



『おっじゃましま~す♪』


『邪魔です。帰ってください』


 喧嘩しないで。



『ふふふ♪ そんな事を言って良いのですか? ルベド姉さん?』


『……仕方ありませんね』


 何そのやり取り。



『何でもありません♪』

『何でもありません』


 思ったより心配は要らなそうだ。



『それでそれで♪ ギンカは何を思い悩んでいるのです♪』


『余計な口出しをしないでください。ギンカはあなたが手を貸すまでもなく乗り越えてみせます』


 ルベド……。


『うるさいです』


 ……まだ何も言ってないよ?


『……』


 ごめんて。


『まあ良いです。この案件はルベド姉さんが担当するつもりのようですし。私は見物に徹すると致しましょう♪』


 軽いなぁ。


『当然じゃないですか。私達が本気を出してしまえば何時だって問題は解決出来てしまうのですから♪』


 ならキトリ姉さんやフラン姉さんの居場所を探ってみてはどうだ?


『私達にだって出来ない事はあります。意地悪言わないでください』


 諦めが早い……。


『ネルケは気にせず探しに行って構いませんよ。フランはともかくキトリは見つけ出せるでしょう』


『追い出そうったってそうはいきませんよ』


 また喧嘩しそう。話題変えなきゃ。えっと……、ネル姉さん、ルベド。悪いけどどちらか話し方を変えてくれない? 元々声が似てるから少し混乱するんだけど。


『『嫌です』』


 息ぴったり。


『ネルケが変えてください。取り敢えず語尾に何か付けてみては如何です?』


『後から来たのはルベド姉さんです。ルベド姉さんこそ変えるべきでは?』


 あかん。火に油を注いでしまった。


『そもそもギンカは本当に聞き分けられないのですか?』


『今は実際に音として発しているのではありませんよ?』


 あかん。こっちに飛び火した。


『『どうなんです? ギンカ?』』


 やっぱり仲良しじゃん……。


『そんなんじゃありません』


『そうですか。残念です。私は常日頃からルベド姉さんと仲良くしたいと願っているのですが』


 やめなさいってば。もう喧嘩しないでよ。


『だいたいギンカこそなんです? その話し方は。ルベド姉さんの横暴に付き合って私にまでそんな飾った話し方をするのですか? 私は本当のギンカと話したいのです。ルベド姉さんと一緒にしないでください』


 かんべんしてよ……。


 ネル姉さんだって仲良くしたいのだろう? それは本心なんだろ? そろそろ引いてくれんか?


『……すみません。……少し言い過ぎました』


 ルベドも。ネル姉さんだって間違いなくルベドの妹なんだから。少なくともネル姉さんはそう在りたいって願ってるんだよ? もう少しだけ歩み寄ってもらう事はできない?


『……ギンカがそう言うなら。……善処します』


 お願いね。二人とも。


『『……はい』』




----------------------




「エリク。おはよう」


「おはよう。ユーシャ。今日は休みだな」


「うん。デートしよ」


「勿論構わんとも! すぐ行こう! 今すぐ出発だ!」


 なんと素晴らしい朝だ! 今日は一日良い日になる事間違いなしだな!



「ちょっと二人とも。朝食くらい食べてから行きなさい」


 あかん。燥ぎすぎてパティに窘められてしまった。



「ああ、うむ。そうだな。折角作ってもらったのだものな」


「焦らなくて大丈夫」


「うむ。……♪」


「わかりやすくニヤけてるわね。そんなあからさまで良いのかしら」


「気にしちゃダメよ。リタ」


「そうよ。リタも早めに他の相手も見つけておきなさい」


 パティとディアナは慣れた様子だ。やれやれって言いたそう。



「やっぱりここってそういう感じなのね」


 別に全員というわけではないぞ。むしろ恋人関係にまで発展しているのは極少数だ。パティとディアナ以外にはファムとソラくらいしかおらんだろう。ちょっと怪しいのは他にもいるけど。



「ほなうちシル姉さんも~らい♪」


「え~♪ も~何言ってるの♪ アカネ♪」


 らぶらぶじゃん。シルビアにはパティだっているのに。勿論私が言えた事じゃないけども。



「私はシルクかしら?」


「勘弁してください。アニタ様」


 まあここは違うよね。普通に家族って感じだ。



「勿論私はリリィとですね♪」


「え? ティナはそういうのじゃないわよ?」


 普通にフラれてる。あくまで親友は親友なのだろう。



「しゅて~♪ おねーちゃ……おねーちゃ!」


「ふふ♪ よろしくお願いしますね♪ シュテルちゃん♪」


 シュテルはユーシャを名残惜し気に見てからレティの胸に飛び込んだ。シュテルは賢いな。ちゃんと話の流れを理解していたのだな。なんかごめん。レティにも気を遣わせてしまった……のか? 本気で嬉しそう。けど良いの? シュテルは多分胸で判断したよ? 普通にレティ本人にも懐いてるとは思うけど。



「なら私はロロ姉さんにアタックしてみようかしら♪」


「良イ度胸デェ~ス♪ 私は手強イデェ~スヨ♪」


「望む所よ♪ 早速私達もデートに行きましょう♪」


「その挑戦~受ケテ立チマショ~♪」


 やはりロロは元気を取り戻せたようだな。もしかしたらリタはロロの調子を確認する為に誘ってくれたのかも。考えすぎかな?



「メアリはタマラと親睦を深めてみてはどうだ? 年も近いし良い友人になれるのではないか?」


「……」


 そんな目で見ないでよ。悪気は無かったんだってば。



「それいいな♪ 少し付き合ってくれよ♪ オレもちょっと買い物行きたかったんだ♪」


「……承知致しました」


 まあ、なんだかんだと上手くやれそうではあるな。


 あと名前が上がっていないのはスノウとミカゲ、イネスとミランダか。ニアとダリアはこの家に住んでいるわけでもないし除外だな。


『ギンカ』


『もしかして私とルベド姉さんも既に組まされてます?』


 別に考えて無かったじゃん。良いよ無理してコンビ組まなくても。



「クシャナ様」


「まだ何も言っとらんぞ」


 イネスの言いたい事は察するがな。



「ダメよ。イネス。クシャナさんを困らせないの」


 イネスは空気を察したミランダにドナドナされていった。ありがとうミランダ。悪いけど私が帰るまで頼む。後でイネスの部屋にも顔を出してやるとしよう。程々に発散させないと暴走しかねないし。


『ハーレムの維持管理は大変ですね。そのような不誠実な関係性は解消されてしまっては?』


『珍しく意見が合いましたね。私もギンカのだらしなさには物申したいと考えていました』


 あかん。姉さんズが手を組んじゃった。

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