旅の行く末 [勇者の昔話]
日差しが強い日も、森のなかは涼しかった「――で今日は何の話を聞かせてくれるんだ」
「そうだな、俺が魔族の王を殺した話でもするか?」
そう言うと、眉間にシワを寄せ、机を叩きこう言った。
「殺ろされてない、相討ちだろ!!」
そう俺はあの日のことを鮮明に覚えている。
不気味な雰囲気を纏う魔王城、そこへ一歩でも踏み込むと、もう生きては帰れないと言われていた。
そのため、魔王城の中の設計が全くわからず、俺は魔王城に行くのに相当な準備をして一階からしらみつぶしに探していた。
だから俺は、その全ての罠、全ての魔族をぶち壊し魔王城の奥へ向かった。
「……やっぱりお前だったんだな」
何を隠そう、俺の話し相手は魔族の王だった人だ。
「流石にバレてたのか」
今にも殴りかかってきそうな雰囲気だった。
そして、耳がキーンとなるような大声でこう言った。
「当たり前だ!! あんなバコバコ鳴らして、変な断末魔まだ聞こえてきて、こんなふうに魔王城に入って来たやつなんてお前くらいだろ!!」
「まあ、あのくらいやらないとレーちゃんとの戦闘中に邪魔してくるだろ?」
そうして俺は苦し紛れの渾身の言い訳を払ったが
一瞬で論破された。
「何言ってんの? 私とお前の戦闘について来られると思ってんの」
全くその通りである。
自慢したくないが、俺は歴代勇者の中でも次元が違う強さだった。
剣を本気で振るったら山は割れ、魔法を使えば次元を超えれる、だがそれには理由があるそれは、
俺が異世界転生者だったからだと思う多分。
こっちの世界に来る前に、何の説明もなかったけど多分神がなんとかしてくれたんだと思う。
「ぐうの音も出ない」
「本当に勘弁してほしいわ、もし引き分けになってなかったら、あの後始末私がやらないと行けなかったて考えたくもないわ……」
そうあの後俺たちは、引き分けたんだ魔王ことレーちゃんに、レーちゃんの強さもまるで俺の強さと比例し合うように強かったのだ。
レーちゃんの話によると魔族の王は、普通魔族で言う貴族の中から特に優れた魔族がなるもんなんだが、レーちゃんは普通の魔族で選ばれるはずがなかったらしい。
今回の魔族の王の決め方が特殊だった、貴族や一般の魔族も参加出来るトーナメントが行われたらしいこれには貴族の強さを見せつけさらなる指揮をあげる計画だったそうだ、そこで化け物みたいに強い普通の魔族が現れたらしいそれが……「私ってこと!」
そうレーちゃんも普通の魔族で何の生まれでもなかったそう。
急にトーナメント式に変えたのは理由があり、人族側がトーナメント式に変えたためなのだそう。実は俺も普通の生まれで、トーナメントを勝ち残り勇者になったのだ、人族も普通は貴族の中で選ぶそうらしい。お互いにこのことを最初に自慢しあってわかったことだった。
さあ、話は戻すがあの後相打ちになりレーちゃんと俺は地面に倒れ動けなくなっていた。
本来なら魔王城で相打ちになったら、部下がきて俺の命を狙うとこだが。
「ファインプレーというやつだな」
「俺もまさか相打ちになるとは思わなかった、全ての魔族を倒してなかったら負けていたのはこっちだった……」
その後何故レーちゃんが話相手になっているのか、今の俺でも不思議だ。何故あの時、あの提案を受けてしまったのか今でも不思議だ。このまま待っていても2人とも死んでしまうとこだ、だかレーちゃんが交渉してきたんだ。
「2人の……魔法力を掛け合わせ……体力を……戻すぞ」
「誰が……そんなこと!!」
「条件が二つある。一つは……お互いにこれから……戦わないことだ、あと一つは……お前が決めろ」
俺は腹が立ってしょうがなかった、仲間は殺したくせに自分は死にたくないのかと。
だが俺は悩んでしまった、その条件にきっと条件付きの魔法だろうと、だから俺はこう答えた
「なら、これからの人生……俺にくれ!! 争いが起こりそうに……なったら止めるんだ2人で!!」
「いいだろう、その条件呑んでやる」
すぐに予想外の言葉が帰ってきて、俺の時が一瞬止まった。みるみるうちにレーちゃんの体と俺の体が元のままに戻っていく、そして元通りになった。
「どうした? まだ治らんか私は完全復活しておる、お前もさっさと立て」
痛みがまだあるが、体は完全復活している。
なぜあいつはあんな条件を受けたんだその疑問が残る。
「なんであんな条件を受けた!」
「あんな熱烈なプロポーズを受けたのは、初めてだからな、面白そうだからだ! 着いてこい」
そう言ったら浮遊の魔法で、すっ飛んで行った、すかさず後を追うようについて行った。到着した場所は
魔王城近くにある、普通の山だった。
「なんなんだ急に」
ポツンと目の前に置かれているのは、一つの家だった。
「これは私の秘密の家、何もかもめんどくさくなったら、ここに逃げ込もうと思っていたところだ!!」
――なんなんだ急に? なんでそんなとこに連れてきたんだ。
「それは私と一緒にここで暮らすからだ!」
「考え出ることがバレた――」
なんで一緒に暮らすことになったんだ、
アッ
「そう人生を共に生き、争いを私と一緒止めるんだろ!」
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今回こんな話をしたのは、お互いヒマだからだ最近はそもそも争いを起こす気配がない。
今まで頑張ってきたからなのだろう、最初の頃に比べたら天と地の差で、今じゃゆっくり話をするくらい時間に余裕ができたし、思い出話するくらいには仲良くなっていた。
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今では、勇者と魔王の名前も忘れ去られ、幸せな世界が続いていったのだっだ。
お読みいただきありがとうございました。
気に入ってもらえたらうれしいです!。