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現代の魔法と小説
禁断の書に興味本位で触れて、数百年後の未来に迷い込んだ。
迷い込んだ先の時代にも魔法は健在し、むしろ想像を遥かに越えて発展したのが一目でわかった。
その時代にも従来の小説はあったものの、高度な技術を使った色と動きのある生きた絵画のような小説もあって驚いた。
さらにその中には、読者自身が物語の展開を思い通りにできる小説や、そもそも文字がほとんどなく絵を中心に物語が展開される小説もあった。
その時代の住人は「ゲーム」や「アニメ」と呼び、娯楽としてはこちらの方が主流のようだった。
居候先の友だちから借りた未来の小説も持って、今日も学校へ向かおうとした。
「学校にゲームは持っていっちゃダメだよ。マンガやアニメもダメ」
文字と絵だけで音を発さない従来の小説だけは持参して良く、学校で読むことも許可されている。
「マンガもアニメもゲームも、感動的で素晴らしい小説の一つだと思うけどな」
「余計な音が出ると授業の邪魔になるからね。私もマンガぐらい良いと思うのに」
おわり




