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子育て

作者: 水妃

僕はこの世界を知った気になっていたんだ。


昔は世界中を旅して、

そしてあらゆる職業を経験し、

起業し、色々な物事を体験して

異国の地で違う文化の彼女と刺激的な恋愛をして。


そうそう。

若い時にクレーム対応で

一升瓶で殴られそうになった時は死ぬかと思ったし、

車でヤンキーに追いかけられた時も死ぬかと思った。


まぁ、色々な経験をして

奇跡的に今も生きている訳なんだが、

自分はこの世の真理を掴んだ気になって

自分に酔ってしまっていた。


でも、僕が病気になったり、子育てが始まったり、

親が亡くなったりして新たなイベントが起こると

知らない事だらけだったんだなと思った。


例えば、子育てに関して言えば、

大変なんだろうなと頭ではなんとなく想像していたけれど、

体験してみると全く違った。


本で読んでも分からないし、

人から聞いているだけでは分からない。


本当の意味で理解するのは

自分自身で体験するしかない。



僕はこの世界のもう半分を知らなかったよ。



ベビーカーで

エレベーターを探して遠回りなんて一人の時は無かった。


好きなようにエスカレーターを使っていた。


地下鉄で子供が泣いた時の気まずさ、

あと一駅、あと一駅だというあの気持ち。


夜泣きで8時間続けて寝れない辛さ。


抱っこでの腰の痛み。


さて、次はお風呂かなと思ったら

あれれ……寝てる……。


仕事の段取りのようにはいかない。


正直、仕事や社長業の方が楽だなと

思ってしまった。


世のお母さま方がとても大変だって

何か知ったつもりになっていたけど、

僕は何も知らなかった。


これは子育てだけじゃなく、

やはり、何事もきちんと体験が伴わないと

理解することは出来ないという事だ。


僕は本当に知った気になっていた。

とても恥ずかしいよ。


そして、

君は世界一可愛いよ。


時々、悪魔のように泣くけれど笑

僕を寝かしてはくれないけれど、

その天使の笑顔に救われているよ。


生れて来てくれてありがとう。


世界のもう半分を教えてくれてありがとう。


一緒に手をつないで生きていこう。


いつか大人になったら、

君が信じる道に進んでいって欲しい。


そして、

何よりも愛する妻よ。


この子を産んでくれてありがとう。


僕は今、

不慣れながら哺乳瓶の消毒をしている笑

力を合わせて共に子育てを楽しもう。


子供の成長はとても早いから、

味わいつくそう。


いつもありがとう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『なんかいいなあ!』と思いました。 [一言] 大変さや喜び伝わってきました。
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