表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/6

2 告白

(((о´∀`о)ノ♡ヽ(о´∀`о)))

これまでの人生で、俺は2度ほど異性との交際をしたことがある。とはいえ1度もその手の行為には発展してないが。せいぜいキス止まりだ。


1度目は中1の夏に、旅行先で出会った女の子と。2度目は中3の塾で知り合った女の子と。とはいえ、あれが本当に男女交際だったかと聞かれれば少し返答に困るところだ。


2度も異性と付き合ってれば陰キャとしてはそこそこのキャリアなのだろうけども、それでも俺はこうして誰かに告白をするというのは人生で初めてになる。


目の前には俺が呼び出した女の子……中野姫がいた。前髪で目を隠してオドオドキョロキョロしている彼女の姿は見る人によっては不快感を抱くのだろうが、俺はそんなことはなかった。むしろ、こんなに遅くなってしまって申し訳ないくらいだ。


「中野さん。話なんだけど……」

「あ、あの……聞こえてたから大丈夫……お昼の……」


ぎゅっと服の袖を掴んでから手を振ってそう答える彼女。ま、そりゃ昼休みの後半だし聞かれてもおかしくはないか。彼女は普段教室だと嫌がらせを受けるから別の場所で時間を潰してからギリギリで教室に戻ってくる。俺がポーカーで負けたくだりは本当に昼休み終わり付近だし、聞かれてても何も不思議はない。


「あの……大丈夫だから……慣れてるし……」


慣れてるか……


「それは去年の話でもあるのかな?」


ドキリとする彼女。少しだけ見える目に映るのは恐らく驚愕かな?まあ、それはそうか。彼女の秘密なのだろうし。


「大丈夫。今のところ俺しか気づいてないから」

「………知ってるの?私がその……留年してるの……」


やはりそうか。高校1年生で留年なんてそうそう有り得ないだろう。とはいえ彼女の場合は仕方ないことなのだろう。


「病気かな」

「……うん。去年は出席日数足りなかったの。でも、誰も私のこと覚えてないから」


本来なら彼女は俺より1つ年上。そして進級した今の2年生の中には去年彼女と同じクラスの人間もいたのだろうが……何のアプローチもないのを見ると完全に存在を忘れられているのだろう。本当に腹立たしいが。


「………お願い。このことは黙ってて。これ以上目立つとまた……」

「誰にも言わないよ。約束する」

「本当に?」

「うん、とはいえ手助けはさせて欲しい。さしあたっては……」


俺は彼女に近づくと怯える彼女の手を取って微笑んで言った。


「俺と付き合ってください」

「………ふぇ?」

「男女交際して欲しい。俺は君のこと好きなんだ」

「そ、それは罰ゲームだよね?」

「まあね。でも本心なんだ。本音を言えば俺は高校での交友関係に疲れててね。だから癒しが欲しいんだ」

「わ、私……地味だし、暗いし………それに初めてもまだで………」


カタカタ震える彼女。怖いのだろう。それはそうか、いきなり秘密を知ってて迫ればそうなるか。


「俺は可愛いと思う。それに君が望まないならその手のことはしないと誓ってもいい。ただ、側にいる許可が欲しいんだ」

「どうしてそこまで……」

「好きだから。純粋な好意だよ」


俺のその言葉に小さくこくりと頷く彼女。まあ、流れ的なもので強引だったけど、とりあえず許可は得た。これからじっくり彼女に俺の事を知ってもらうとしよう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ