第2話 ノーセンテピア
「ここなら、だれにも邪魔されないでしょ〜」
伸びをしながら言ってる外見年齢17歳くらいの舞鶴さん
「俺はお前に話すことなど何もない。」
ぶっきらぼうに言うのは外見年齢15歳くらいのからん君
「遠まわしなのは苦手でね、さっさと目的言っちゃいなよ〜協力できることならするから」
「ふん。そんなの信じられるか」
「あぁ悲しい。いつからこんなひねくれた子になってしまったのかしら。」
「お前の子になどなった覚えはないぞ……切られたいか?」
日本刀を片手に言ってるから怖さ倍増。
「分かった分かった。も〜、冗談くらい通じる人間になろうよ」
「お前のは冗談に見えないんだよ」
「からんで遊ぶのはこれくらいにして
―――――――セイレントでしょ」
「…………」
「世界の歯車と呼ばれているセイレント……そっか、なくなっちゃったか」
さして興味なさそうにいう舞鶴さん
「そんな軽いことじゃないだろう」
そろそろ本気で怒ってきたからん君
「ま〜私には関係ないし〜」
「お前……変わらないな…」
「お前じゃない、すばるだよ」
「…………す、ばる」
「なんでそんなに詰まる。言ってみろ」
「別に」
「ま、セイレント探してるなら話は早い……お前、今日からノーセンテピアに入れ」
「………はぁ!?」
「あそこは情報の中心地だから、入んない情報なんてないだろうし………あ!でも、ランク低いと見れないとこもあるから、そういう時は言ってね―――あ、あとさ」
と、たくさん重要なんだか重要じゃないんだか分らん事をたくさん言っているすばる。
というより、ある意味ノーセンテピアという組織を馬鹿にしているのではないか?という疑問も出てくることを言っています。
からんは免疫でもあるのか、話はわかったらしく
「まぁ、情報が入るというのなら異論はない」
という風に了承したからん。
「分かってんじゃん。しばらく会わないうちに大人になったね♪」
「……お前……やはり切られたいようだな」
と言いながら、刀を鞘から抜いてるからん。
そういう会話をしながら、ふっとすばるはつぶやいた
「そうだね……里にとっては大変だね。
―――でも、真実はきっと君の思う通りにならないよ」
と、呟くように言っていたことを知っているものはいない。
そして、歩いて約4時間。直線距離25kmほどの道のりを経て
ノーセンテピアに着きました。
「や、やっとか」
「からんってば相変わらず体力ないね」
「……余計な御世話だ」
もはや言い返す気力もないのか、小さく答えた。
「舞鶴隊長!」
そう呼ぶのは、さっき会議の途中で呼び出していた少女だった。
ぱっとみて、15・6歳。きちんと着ている隊服、どうやらまじめな性格らしい
「お、アイリ。後かたずけ御苦労さま……ごめんね〜押しつけちゃって」
本当に悪いと思っているのか心配になるような口ぶりだった。
「いいえ、舞鶴隊長のサポートをするのが私の仕事ですから……ところで、そこの…」
と気になっているのはからんのことらしい。
「あぁ。こいつ、ここの新隊員だから」
「………予備知識訓練学校は、卒業しましたか?」
「こいつは行ってないよ……でも、素質ありだし……まぁ、いざとなったら私の権限で何とかするって」
「ですが、原則では認められません」
と言いつつ、からんの方に視線を向けている。
「……何だ」
「お前に1つ言っておく。舞鶴隊長に迷惑をかけるな、舞鶴隊長は会議と戦闘の後でお疲れだ」
「……お前には関係ないだろう」
「お前には関係なくても、舞鶴隊長の体調などは、私が万全にしなければならない。でなければ、だれがお前などに言うか」
「俺はすばるに入れと言われたんだ。疲れようと疲れていなかろうと、あいつの責任だ」
「舞鶴隊長になんという口のきき方だ!今すぎ謝罪しろ」
だんだんヒートアップして来ました。どっちも譲らないんで決着も付きません。
どうやら、相性が……よくはないらしい。
「と、とりあえず。からんは私と一緒にキングのとこ行こう。アイリも、私は大丈夫だから、レベル5の出現のレポート任せたよ」
というすばるの一言で
「分かった」 「了解しました」
まとまった。
「ところで、キングとは誰のことだ」
「いや、誰ってキングはキングだよ」
「日本語になってない。お前それでも日本人か」
もっともだった。
「ん〜。まぁしいて言うならノーセンテピア《ここ》じゃ一番力ある人……かな」
「そうか」
「あ、キングだけじゃないからね。会う人」
「……ほかに誰と会えと」
ちょっと怒ってるからん君。人見知りだからね
「ここの幹部みんな」
「は?」
「キングの次に偉い人が3人いる。で、その中の2人にあってね♪」
からんがひとみしりと知ってのことだろう。どこかいたずら気な表情だ。
「あと1人はいいのか」
「いいんだよ。だって私だもん」
「…………」
「一応、ここの幹部だから。『ノーセンテピア幹部及びカンタリオ部隊隊長』」
……要するに、ここで2番目くらいに偉い人か、と頭の中にインプットしたからん。
なんとなく誇らしげなすばるに
「……長い。」
とこれもまたもっともな意見。とりあえず常識はあるらしい。
「確かにね。覚えるのに時間かかったもん………さーてそろそろつくな」
「どこに?」
「キングの部屋」
「……まさか、ここか………?」
「うん。ここ」
2人が見ている壁は、全長15mくらいの
―――――――扉だった