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移動とか聞いてないんだけど!?

入院生活から3カ月経った頃に退院して、私こと竜蘭はいつもの生活ができるまでに回復した。

したのだが、魔術師の女子寮に戻ってみると何故か部屋の中がスッカラカンに何もなくなっていたのだ。


ポカーンと部屋の前で佇んでいれば、肩をポンと叩かれて横を向けば同室の蘭々が気の毒そうな哀れんでるような表情で見てきた。


そして事情を殊更に教えてくれた、どうにも私は魔術師としてだが第一騎士へと移動になったらしい、でだが他にも耳を疑う事を言われた。


「まだ私に会いに来てたの、何で!?」

「知らないわよ、フードの中身見て惚れたんじゃないの、あんた結構美人だしさ。」


それは絶対にない! と否定してから

アルバトス様が探してるのが女性ってだけで聞き込みでもしたかったのかもよ。と付け加えるように言い返せば。

蘭々はそれだけかしらと渋い顔をしていた。


「まあ、こんな平々凡々な女に惚れるとか絶対ないから。蘭々は私を過剰評価しすぎよ、美人なのはあんたでしょうが!」

「......やれやれ、自分のことわかってないんだから、竜蘭らしいけどさ。それより隊長が呼んでるから行ったら、後々の事情とか話してくれるはずよ。」


隊長が呼んでるって、事情は良いとしてもさ。

なーんか嫌な予感しかしないんだけど。


気分が駄々下がり気味に私は隊長のいる場所へと向かい部屋の扉をノックした。すると部屋に入るように促されて入れば、やはり嫌な予感は当たったと回れ右して部屋を出ようとしたら


「竜蘭逃げてくれるなよ!」


と、とーっても清々しいほどに通る声で呼び止められ、再び隊長と横にいる人物に対しジトーッとした表情で睨んでやる。


「まったく彼の顔見るなり逃げてはダメでしょ。」

「そうだぞ。わざわざ私が此処に来てやったんだから喜べば良かろうに、つくづく面白いな竜蘭。」

「.........喜べるわけないでしょ! 何で殿下がいるのよ、報告も任務も終わらせてるはずよ!! それにそれに、私の意見無視して急な移動とか馬鹿なの!」

「ははは、私がやりたいようにして何が悪い。だいたい言ったであろう、任務終えれば普通の生活を無理矢理にでもさせるとな。」

「ぐぬぬー。」


確かに言ってたけど、戦場にじゃなくて第一に移動させることが問題なのに、あすこにはアルバトス様がいるんだぞ、コンチキショウが!


ふふふ、と楽しげな殿下にムカついてると、あーはいはい、と隊長が会話を遮断して私を呼ぶなり近くに手招きしてくる。



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