戦場の結末1
殿下の知恵と策略により交戦と伏兵の知らせを受けた我らが兵は、魔術師と3人と隊長に俺の指示のでどうにかこうにか優勢となり、敵国の兵が退き始めていた。
まあ様子見だろうと隊長と話している頃、視界の端に竜蘭を見かけた。
アイツまた一人でいやがるな、他の魔術師の2人は気にしていないようだけど。
「また何を見てんだよ......って魔術師の動向観察か?」
ニョキと俺の肩に置いて言われ、俺は首を振り竜蘭の方向に指を向けてから何故かアイツだけ距離を置いていることに疑問を持った事を告げる。
するとフムと言葉を溢した後に、竜蘭を見て思案気味に顎を摩りハッとした後は頭を掻いて俺を見るなり苦笑された。
「あの魔術師は殿下の恩恵の子でな、最近配属された奴なんだ......だからじゃないかね。」
「ふーん、ちょっと話しかけてくる!」
「は!? おい!!」
馴染まないなら、きっと寂しと思うんだよな。
うんうんと納得して竜蘭のいる場所に移動しようとしたとき、隊長がえらく慌てているようだったが無視して竜蘭のいる場所に移動する。
俺がきたら魔術の2人はギョッとして驚くも、竜蘭はフードを被ったまま一点を見据えている姿があって、俺の存在に気付いた様子もないなと真っ正面に手を振ってみれば、ビクとして後方に2、3歩動き俺を見ていた。
フードが邪魔で顔があんまり見えないが、視線を感じるので見てるのだろうと結論づけ、笑みを浮かべた。
「よう竜蘭まーた一人でいんのかよ。」
「うわー返事なしってか。まあ良いけどさ、お前って凄いよな殿下への伝達後、敵の索敵とか人数把握して動いてたろ、他の魔術師や兵に指示もなくさ。」
「まあ俺の指示まで無視して突っ込んでいくのは困ったもんだけどさ。あれー怒ってる? 顔見えない凄いし声聞けないから、わかんないんだよ。あ、言っとくけど褒めてるんだから勘違いしないように。」
返事なしの会話を一方的にしてると、魔術師の副隊長モロクが側をくるなり、任務中話せませんよと改めて注意されるが理解の範疇だと追っ払い、ガシガシと竜蘭を撫でくり回せば、さすがに抵抗してか猫のようにフーッと威嚇して距離を取られた。
やばい可愛い。
逃げられると追いたくなるのはしょうがない性格の俺はジリジリ近寄ってたら、隊長が何を変態行為してんだと怒鳴り頭を叩かれた。
変態とか酷くねえ!
俺的には構いたくなるだけなのに。
小動物って可愛いがるよ俺。
★★★★★
急に何をしやがるのですか!?
と言うか、竜蘭としてはこの騎士の軽さとコミュニケーションの行動と自分の動きを観察されていたことに驚きが隠せず。
距離を空けて警戒していると、ジリジリ近づく姿に危機感を覚え後退してたらバシと小気味良い音がしてアルバトス様が頭を押さえていました。
注意してくださりホッとなるも、諦めてないような面持ちをする姿に何で、絡んでくるのかと疑問だけが湧いた。
よし、ちょっと離れておこうと移動しようとましたら
ガシッと手首を素早く捕まれてしまい、ひひゃーと叫びたくなり口を塞ぎ、誰が掴んだのかと正体を見極めればアルバトス様が嬉々として
「おい、竜蘭。悩みとかあれば相談に乗ってやるからな、いつでも頼れよ!」
ニカッと笑顔を向けて言われた。
竜蘭はハッ? って感じで理解に苦しむ。
何をどうして、そんな話しになって提案されているのか理解出来ず、コテンと首を傾げるとアルバトス様が小刻みに震えている。
どうしたんだ、この人?