君はあの子かい?ーアルバトス視点1
俺ことアルバトスは一人の少女を探していた。
白き乙女の魔女と戦場では言われていて、彼女が戦場に立てば戦況は逆転し必ず勝利する。
と騎士の間では有名でもしかしたら、あの時の自分を助けてくれた少女かと噂が立つ度に喜び会いたい気持ちも高ぶっていた。
あの時の礼は言えたかも、意識が朦朧として覚えていなかったせいもあり、しっかりと礼もしたい。
それに7年前ならきっと綺麗になっているだろうし、いまの姿も見てみたい。
噂じゃ異様な雰囲気と白い髪は幽霊のようで気味悪いとか、それに魔力が大きく破壊力もあり無表情からは畏怖の念があると言っていた。
だがそれは噂だ。実際見てもいないものを信じる気は俺にはなく、噂を鵜呑みなどしない。
必ず見つけてやるとイキ混んでると、隊長より戦場へと行ける旨を伝えられた時にはガッツポーズをして叱られる羽目になった。
戦場行くのに喜ぶなと言われても、今回は是非とも参加するつもりだったのだから、しょうがないのだ。
隊長が呆れる表情を無視して、今回は何処と戦うのかと情報確認のため聞いたら、なんでも隣国のハメルカ国から吹っ掛けてきたらしく、結構な人数を抱え責めてくると情報が入ったようだった。
そのため我が部隊も動くことになり、戦場での活躍次第では褒美もあり一つ願いを叶えてくれると約束されていると教えてもらい。
俺の頭に浮かぶのは彼女のことで、見かけるだけでなく一緒に会話ぐらいはしたい欲が沸いた。
欲出てニヤッと笑えば、何故か隊長に引かれたが気にせずに、作戦内容や他の部隊の事、そして魔術師の参加を聞いてから、こっそりと彼女を探そうと計画を立てた。
★★★★★★
ハルメリカとの戦況は、第一王子ルカにより戦場は有利に働き、今のところ被害はなく敵国とは睨み合い状態だった。
「どうしますか。偵察隊によれば敵は1万3千、こちらは3万です。数としては有利、被害もなく勝てると思いますが?」
隊長の言葉にルカ殿下は、首を振り険しい表情を浮かべる。
「状況は有利、だがこれは......あちらも予測の範囲よ、油断は隙を生み状況判断ミスは我が部隊の敗北となりえる。いまは待て...もうすぐ好機の花が咲く。」
そう告げたとき、黄色の稲妻が幾重模様の雷が稲妻となり一か所に落ち大きな音が遠くから聞こえる。
隊長は驚くも、この現象には見覚えがあった。
「...白き乙女の魔女ですね。」
「ああ、彼女の一撃だ! ふふ、あいも変わらず良いタイミングだ。これで我が部隊も好機となりそうだ、全軍三方向より敵を凌駕せよ! 但し! 生きて帰れ良いな!!」
はい!!
と兵や騎士、部隊が声を上げ返事をし動き始める。
隊長が俺を見て瞳を輝かせているのを見逃さず肩に手を置かれた。
「アル...いまは戦場だ。探し人がいるのだろうが、頭を切り替えておけ、油断は命を危うくする良いな。」
「......ああ...わかってるさ。せっかくの機会を失わせるつもりはない、さっさと片付けて会ってやるつもりだ!」
ニヤッと笑み隊長の手を払って言ってやれば、呆れた眼差しでヤレヤレと言い。
「片付けたら探してみるがいいさ。会えればな。」
「あたりまえだ、そのために俺はここにいるんだからな。」
そう会ってやるんだ。
探して探して見つけられない欲求を晴らしてやる。
待っていろ、ぜってえ見つけて...君があの子かを確かめてみせる。