切られた糸
ある日突然、父親が浮気した。妹の同級生の近所の母親とだ。
私は夢でも見ているのかと思った。
しかし、現実だった。
夢ならば、夢のまま終わってほしかった。
うちの父親に限って、そんな事は無いと思っていた。
2007年12月。父親の浮気はバレた。母親は怒りくるった。相手の女はすました顔でその場に立ちあった。
私はまだその時は、まさかそんな事が起こっているとは、知る余地も無かった。
どうやら2人は、メールで浮気をしていたらしい。
その内容というのは、
愛してる
だとか、
好き
だとか、いかにも恋人同士の会話だ。
私は父親がそんな事をするのが信じられなかった。
なぜそんな事を、そんな罪を犯してしまったのかが予想もつかなかった。
その日から、私の母親と父親は毎晩毎晩ケンカを繰り返すようになった。
私はそんな両親を見ているのが怖かった……。
なぜ自分の親がこんな事をしているのか、なぜ止めても止まらないのか……自分の無力さに絶望した。
その後は、ケンカをしているときよりもひどく、父親と母親がすれ違っても全く話さなくなってしまった。
今もずっとそんな状態が続いていて、いつ離婚してしまうかが心配だ。
『神様、今日も新しい日をありがとうございます。私達家族が、今こんな状況ですが、どうか前のように仲良くなるようにして下さい。このお祈りを、主イエス・キリストの御名によって、御前におささげします。アーメン』
…とお祈りをする日々が続いている。
END




