学ぶために4
負けない……!負けるものかよ!
この世界を知る為、その第一歩なんだよ……こんな……こんなところで立ち止まれるか!
だから俺は、とうちゃんが頷くまでねだるのを止めるわけにはいかないんだ!
「そんなこと言わないでやーお手伝いとか頑張るからー」
「駄目なものは駄目」
「お願いだよーなんでもするからー」
一度や二度断られるくらいでめげちゃいけないね。諦めたらそこで人生終了ですよって聞いた事あるよ
。
「やーだーやーだー読み書きしたいのー!」
「うるせー、その前に覚える事沢山あんだろが!いい加減にしろ!」
「ひうっ……でも……ウッウウッ」
お、怒ること無いじゃん……な、泣くぞ!?良いんだな!?泣いちゃうぞ!俺すごい大きい声で泣いちゃうぞ!近所迷惑になっても知らんからな!
「あらあらモーブス泣いちゃだめよ男の子でしょ?」
「でも……ヒック……」
「それでもよ、それにまだお父さんになんで読み書きしたいかお話してないでしょ?もしかしたら聞いてくれるかもしれないわよ?言って御覧なさい。」
あ、これチャンスだ。ここで何か良い事言えば聞いて貰える可能性大。
「ヒグッ……あのね、僕ね……」
この後、泣くのを堪えて語りました。一人称も俺から僕に変えてかわいさアピールしつつ!
家族の役に立ちたかった事、狩りには付いていけないから村で出来る事を探した事、読み書きできればお役人様や行商人の人が来た時に役に立てると思った事等々を語りました。
子供特有の舌っ足らずな喋りとあざと過ぎない程度の上目遣いを忘れずにね!結果は……
「モーブス、お前そこまで皆の事をっ……!」
とうちゃん陥落!感動に打ち震えているね。
「あんたを生んで本当に良かった……。神様ありがとうございます!ウウッ」
かーちゃん陥落!……そこまで感動されると全くの嘘じゃないけど、本心からの言葉でもあるけど罪悪感がじわりとくる。後で肩叩き券あげよう。
「お前、本当に俺の弟か?出来すぎだろ……。だがまぁ……立派だよ誇りに思う。」
自分の子供の頃と比べてるね。俺だってなにも知らなければ遊び呆けてただろうし。ともかくにーちゃんも陥落!
「じゃ、じゃあ……」
「ウム、読み書きが勉強できるよう行商人に掛け合ってみよう。但し、他の事もしっかり勉強するようにな。」
パーフェクト!ミッションコンプリート!
家族から読み書きの許可が降りてから一週程が経った。お手伝い、勉強、遊びと忙しい毎日が続いているよ。
許可が降りた日からはとうちゃんとにーちゃんの手伝いもするようになった。やる気見せちゃったから仕方ないね。獲物の解体や燻製、干し肉作り、毛皮の鞣し等々。色々教わっているけど気づいたことがあるんだ。
夢の中と比べて物覚えが良いんだよ。子供だから物覚えが良いとかそういうレベルじゃなく、一回か二回作業をするとそれなりの形になる。
俺ってば天才かもしれん。と思ってにーちゃんにどや顔したら俺もそんなもんだったとの事、うっすら無双始まったか?て思ったのに残念。子供は誉めて伸ばすべきよー。
まあ、とうちゃんやにーちゃんと比べたらまだまだ拙いんだけどさ。
あの人達の作業スピードって異常だね。内臓取ってあるとはいえ吊るした鹿を3分で解体し終わるとか人間業じゃねぇ。カップラーメンじゃねーんだぞ!
座学もしたよ。獲物の追い込み方とか森を歩く時の注意点、罠を仕掛けるポイント等々。分かりづらい所は地面に絵を描きつつね。なお、にーちゃんの描く鹿は頭が二つあって足が六本あった。笑いを取りにきてるんだと思って思いっきし笑ったら思いっきし殴られた。理不尽である!
ちなみに教わった内容は本で例えるなら目次みたいな物らしい。まだ狩りには連れていけないからあくまで予習レベルなんだって。やっぱ実地での方が教えやすいし覚えやすいらしい。危険も多いけど。
そんな風に生活が少し変わって一月が過ぎた頃、村に来訪者がやってきた。
いよいよ読み書きができるチャンスである。
ブクマありがとうございます!(歓喜)




