助祭様と行商人4
失踪してません。超遅筆なだけです!
すいません。今後とも宜しくお願いします……
名も無い長閑な村、そんな村の外れは今、普段とは全く違う緊迫感に包まれていた。
その中心には歪で粗末な杖を持ち、襤褸切れを纏う者がいた。襤褸切れを目深に被り表情はまるで窺う事が出来ない。
そしてその眼前には二人、既に一人は倒れ伏し構えているのは一人だけだ。
「マルス、後は任せたぞ……グフッ」
「ジン!くそぅ!よくもジンを!」
「クククッ……虚弱貧弱無知無能な人の子の分際で魔王たる我に歯向かった結果よ。だが安心するが良い。すぐに貴様もこうなる。さて、話は終わりだ。身の程を知るが良い!バリバリーッ」
「ぐわああぁぁぁぁぁーっ」
「「ゆ、勇者様ー!」」
何してるかって?勇者魔王ごっこだよ。
配役は勇者マルス、魔王俺、引き立て役ゲフン戦士ジン、囚われのお姫様サシャ、同じく王子様カールス君だよ。
自慢話するんじゃなかったのかって?おめでとー、じゃあ何して遊ぶ?で流されたよ。ケッ。
んで、いつものメンバーだけなら流行りの竹馬レースなんだけど新規レギュラーのカールス君がいるので気分を変えて久しぶりにごっこ遊びになりました。今ここ。
「くっ!まだだ!まだ戦える!」
「ほほう……今の攻撃に耐えるとは中々やりおる。このまま殺してしまうのはちと惜しいな・・・。どうだ我が配下とならんか?さすれば褒美として干し肉十枚をくれてやろう!」
「なっ!?……ゴクリッ。だ、騙されないぞ!俺は勇者だ!」
「そっちにつくから干し「死体はお静かに!バリバリー!」ぎゃーバタッ」
「流石勇者よ、ならば我が魔法によって燃え尽きるがあ、ちょっとサシャ後ろから羽交い締めとかやめて。今良いとこ。」
「台詞が長いのよ!さあ勇者様!今です!」
「お見事ですサシャ姫!くらえー!ズバーッ」
「え~。ぬわー!ガクッ」
「勇者様素敵ー!」
こうして世界の平和は訪れたのである。だが、それは序章でしかなかった。魔王を裏で操っていた大魔「しつこいのよグサーッ」ぬわー!
「で、カールス君面白かった?」
「うん!面白かった!マルス君かっこよかった!」
「フーハハー!俺最強!」
「次は俺も勇者やりたい代わって。」
「やだよ魔王の台詞多すぎて覚えらんねーよ。」
「んなもん衝動の赴くままに喋ればええんよ。余裕余裕。」
「俺も無理。という訳でモーブスは固定で。」
「ちょ。何そのいじめられっ子ポジ。断固拒否する!」
「とか言いつついつもノリノリじゃねーか。なんだあの虚弱貧弱なんちゃら、よく分からないけどイラッてしたぞ。」
「それなら私と代わってよ。いつも囚われのお姫様役でやる事無いんだけど。」
「幼女魔王か……。ありだと思います!」
こんな感じで騒いでいたらもうお昼時である。
昼食を食べてからまた集合ということで一度解散となった。
「ただいまんもすー。」
「お帰りモーブス。丁度良かったわ。昼食の準備手伝いなさい。」
「あーい。」
グットタイミングだね。めっしめっし~……ふぁ!?食卓に肉が!?




