助祭様と行商人
挫折していましたが感想を頂いて再度書き始めようと思いました。
また、今後とも宜しくお願いします。
目の前では村のおっさん達が助祭様と行商人のおっちゃんと話し合っている。あ、とーちゃんとにーちゃん発見。
今すぐ挨拶するのは邪魔になるから会話が一段落してからだね。空気を読むのは大事だね。
端の方で挨拶の内容を考えていたら大人達の会話が終わって移動し始めちゃった。待って待って。
急いで歩いている助祭様と行商人の元に向かう。いよいよだ。すーはー
「ようこそいらっしゃいませ助祭様、行商人さん!お久しぶりです!何もない辺鄙な所ですがごゆっくり御寛ぎ下さい!」
……いいね完璧。元気にハキハキ、これで好印象待ったなしだね。
「おやおや、わざわざどうも……って誰かと思えばこの村で唯一私の話を聞いてくれないモーブス君じゃないですか。一体どういう風の吹き回しです?」
oh日頃の行いのせいでめっちゃ怪しまれてる……やべぇ
「なんでぇガルム(とーちゃん)さんちの次男坊じゃねぇか?なんだその挨拶。どこの高級な宿屋だよはっはっは。」
こっちは変に思われてるけど楽しんでそう……無問題
ともかく助祭様に言い訳せんと。
「違うんです助祭様ー。友達のサシャに怒られて反省したんですー。今日から説法にも参加したかったのでしっかり挨拶しなくちゃと思ったんですよー。」
どうよ即興にしては良い出来じゃね?
「おお……あの話を聞いてくれなかったモーブス君がなんと素晴らしい……これはサシャさんに感謝せねばなりませんね。」
よし、良い感じ。ってとーちゃんとにーちゃんがこっち来た。なんぞ?
「どうしたモーブス。早速例の件をお願いしてるのか?お二人も到着したばかりで忙しいんだから迷惑かけるんじゃないぞ。」
「そうだぞ。ちゃんと俺たちが話しておくから安心しろって。」
「例の件?聞いてませんがなんの話でしょう?」
あわわ下心あるのばれちゃうー!さっきの言い訳大失敗だわ。
慌てて止めようとしたらとーちゃんに頭を掴まれた。
やめて、かーちゃんのアイアンクローでも 潰れかけたのにとーちゃんのだったら絶対パァンッて弾け飛んじゃう。
「おや、まだ話してませんでしたか。まぁ、こいつが用があるのは行商人さんの方なんですがね。」
あぁ、そういえばとーちゃん達に助祭様の話はしていなかったっけ……。そして行商人さんには変な事言ってない……セーフ?
なら頭をグルングルン回されつつ様子見かなぁ。
「おや、こっちですか。なんだ坊主、とーちゃんにオモチャでもねだったのか?」
ぬぁ、様子見と思ってたのに。
「おもちゃは自作してるから大丈夫!読み書きしたいってお願いしました!」
「おぉう?読み書きだって?どういうこった?」
「まぁ、続きは色々済ませてからにしましょう。行商人さんの持ってくる品をみんな楽しみにしていたんですよ。さぁ行きましょう。」
そばにいた薬師のマーロンさんに話をぶったぎられてしもうた……。俺としては超重要な事なのに大変遺憾である!
とはいえ村全体の楽しみを延ばす訳にもいかないし仕方ないかー。




